やらないより、手を抜いてやり遂げた方が結果的にラク

僕は怠惰なので「やらなきゃいけないこと」が全て面倒くさい。わかりやすいところで、掃除について考えてみよう。掃除はダルい。しかし掃除をしないと部屋が荒れる。その結果、必要な時にモノが出てこなくなるし、ホコリが溜まって鼻炎がひどくなる。ちょっとした作業をやらなかったために、時間差でもっと面倒くさい羽目になるのだ。それでは困る。そこで、具体的かつ劇的に手を抜くことでダルさを軽減し、結果的にラクになるように生活している。



複合タスクを行為に分解してサボる

掃除に関して一番効果的な手抜きは、狭い部屋に住むことだ。僕はいま、シャワートイレ共同の3畳間に住んでいる。共同の水回りは大家さんが掃除してくれるので気にしなくていい。3畳間はめっちゃ狭いので、荒れても一瞬で片付く。とりあえず床に積もっていくガラクタを何も考えず全部収納にぶち込んで、クイックルワイパーをかけるだけだ。30秒で終わる。掃除が面倒くさいのは、まず掃除する範囲がデカいことが大きい。ならばこのように水回り共同の狭い部屋に住めば、掃除にかける労力は毎週30秒に減らせる。

洗濯も面倒くさいが、行為に分解すると「たたむ」「しまう」のふたつが特に悪い。なぜなら「洗う」という一番大切な部分を洗濯機様がボタン一発で完了してくれるのに、「たたむ」「しまう」 があることで洗濯の本質から外れた行為に甚大な労力がかかる。「たたむ」「しまう」 は悪だ。つまりここは手を抜くべき。具体的にはたたまなくてもシワにならない柔らかいTシャツだけ着てればいい。そしてTシャツで出勤できない仕事は辞めればいい。そっちのほうがラクになれる。

服をしまう必要もない。服は部屋の隅に脱ぎ捨てておけば洗濯機に入れやすいし、洗濯済みのやつは着るまで干しっぱなしにしておけばいい。さらに、きっちり一週間分の服だけあればいい。洗濯が面倒くさいのは量が多いことも悪い。持っている服の量を減らせばラクになれる。

このように「洗濯」という複合タスクを「洗う」という根源だけ拾って、後は全部サボれば楽になれる。



プログラマ向きのメンタリティ

ここまで読んで、僕のことを社会的落伍者だと感じる人も多いことだろう。しかし、Perl開発者として有名なラリー・ウォール氏が「プログラマーの三大美徳 」として一番最初に挙げているのが「怠慢」である。

  1. 怠慢(Laziness)
  2. 短気(Impatience)
  3. 傲慢(Hubris)

つまり、無駄なタスクを削ぎ落として極限まで効率化することは時として必要とされるスキルであり、それで成り立つ仕事があるということ。そしてそれは、完璧を意識するあまり結局行動を起こせないより、たとえ不完全な部分があっても成果物を完成させることが大切ということだ。実際僕も会社勤めできている。

医師や裁判官とか、手を抜くと他人の人生をメチャクチャにしてしまう職業があることも確かだ。でも、MicrosoftやAppleなど世界的に人気のある製品でさえ、不具合がある状態で世に送り出されていることもまた事実。ほとんどの仕事は、完璧であることよりも「とりあえずやり遂げること」を求められている。そのためには本質的じゃない部分に関して手抜きをすることも社会でまかり通っている。

これはイチ小市民である僕のスケールでも同じなのだ。必要ない部分は徹底的に手抜きをして、週に1回掃除洗濯をするという最低限を欠かさない。こうやって僕は真人間レベルをギリギリ維持しているわけだ。

手抜きをしてでもやり遂げたほうが毎日の生活が楽になる。