Amazonで日本の物流がパンク、その時移民国家シンガポールは…

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Amazonなど通販の宅配が増えすぎたため日本の物流がパンクしているというニュースを年末くらいからよく見る。物流がうまくいっている国というのは知る限り日本しかなかったわけだけど、ついに我が祖国でも破綻するのかといった感慨だ。

今後は日本も低賃金移民を入れて、労働力を賄うような方向性なのかもしれない。そこで今回は、すでに外国人労働者で物流が成り立っているシンガポールの状況をお伝えしたい。

予期できた人員不足は経営の失敗?

単純じゃん、人が足りないなら雇えばいいじゃん。Amazon受注で人材不足は予期できたのに、計画的な採用をしてこなかった間抜けな経営者による人災だと考えた。でも日本で言う「人が足りない」は「低賃金で極限まで働く特殊な人が足りない」という話なので、誰でも良いわけじゃないんだな。

ついに、低賃金で極限まで働く人材がこの過酷な社会に使い潰されて、国内で発掘できなくなってしまった。だから海外から連れてこようという方向で日本全体が動いているように見える。パンがないならお菓子を食べればいいじゃない。日本人奴隷が足りないなら外国人奴隷でいいじゃない。もはや醜いとしか言いようがない。

じゃあ誰が醜いのか。経営者でも政治家でも官僚でもなく、突き詰めれば完璧を求めるくせに対価を払わない強欲な消費者が一番醜い。

自分がお客であったときに店員に放った理不尽が、自分が仕事する立場になった途端に全部ブーメランしてくる。お客様第一主義。この醜い潰し合いこそが日本のガンだ。

…と思っていた。シンガポールに移住するまでは。。。

お客様扱いされたい!!

今の気持ちを正直に言うならば「どうかお客様扱いして下さい。お金はもっと払います。お願いだよぉ。。。」ってな感じ。

今この記事を朝のスタバで書いている。意識高いだろう(=^・・^=) で、僕の前に注文した白人女性客とスタバの店員が口論していた。

カプチーノという飲み物がある。エスプレッソに泡立てたミルクを静かに注いで、気の利いたバリスタなら葉っぱの模様など描いてくれる誰でも知ってるアレだ。ところが店員はミルクを泡立て過ぎたのか、泡がジャグから出てこなくなったっぽい。そこでスプーンで泡を掻き出して、カップの表面を平らにならし始めた。見かねた白人女性客が「それは作り直して欲しい」といったところ、店員が「ならもう一杯分金払え」と言い返したため、口論になったと思われる。実にシンガポールだ。

まだ半分以上残っている皿を下げようとするウェイター。まだ残ってるって言うと舌打ちされる。延々と大声で自慢話して「疲れてるから静かにして欲しい」というとスネて暴走運転するタクシー運転手。釣り銭を放ってよこすレジ打ち。。。

シンガポールの接客業の人たちからは「クソダルいけど働いてやってるんだぞ!!」という強い意思を感じる。日本とは真逆の「労働者第一主義」。これこそが、日本で働いていたときに僕が憧れたユートピアだったんじゃなかったのか。

っていうか、これが日本以外の世界標準なのかもしれない。日本人だって出来るだけ働きたくないに違いない。ただ、本音と建前ってやつで、人前では自我を押し殺さないと社会的落伍者になってしまう。それを恐れているだけで、日本人も本質的には怠惰で傲慢だろう。だから客になった途端に仮面が剥がれる。

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届かない荷物・放置される荷物

前置きが1000字超えちゃった。本題に入らないと。

シンガポールの宅急便はインドやバングラデシュ、スリランカからの出稼ぎ労働者が配達をしている。宅配ネットスーパーはマレーシアから来た日帰り出稼ぎの人達が持って来ることが多い。これら物流でも「ダルいの我慢して俺様が働いてやってるんだ主義」は徹底している。

僕もやっぱり日本人だし、こまごました日本物産は必要になる。医薬品とかね。だから大学の先輩や元カノにお願いしてEMS(郵便局がやっている国際宅急便)してもらっている。

ところがこれが一筋縄では届かない。

EMSには追跡サービスってのがあって、Webサイトに番号を入れると自分の荷物がどこの国のどんな場所にあるかリアルタイムでわかる。で、そろそろ届く頃合いだと思って荷物を検索すると「不在だったので集荷場に戻りました」だそうで。んな馬鹿な。ずっと家にいたぞ。

もっとヒドいのは受け取ってないのに「配達済み」とかいうの。家に帰ると、玄関前の路上に、ダンボールが放置されている。誰でもいつでも盗める状況。ひどいときは雨ざらしでグショグショ。

最悪は「配達済み」なのに玄関先にも置いてなかった場合。これはヤバい。玄関放置で盗まれたか、配達がダルいので勝手に受取人不明にされて倉庫保管かどっちかだ。この場合は電話で確認するか、こっちの郵便局Singpostに殴り込んで担当者とガチンコ戦わないといけない。つまり英語が出来ない場合は諦めるしか無い。最悪だ。

郵便局Singpostには「あなたが扱われたいように、私たちに接して下さい」とか書いてあるんだけど、荷物を消されて怒り狂って押しかける客を逆撫でしているようにしか思えない。実際、郵便局の窓口には高頻度で怒鳴り散らしてる「被害者」がいる。

日本人に移民を受け入れる覚悟はあるのか

これが移民によるサービス運用の実態である。

シンガポールが特別ダメというわけではない。アメリカやヨーロッパでも荷物の紛失が普通に起こる。11月末にちゃんと航空郵便指定でメリーランドに送ったクリスマスカードが年明けに届いたり、いや、むしろちゃんと届いたことを神に感謝する。

インドでは配達員が荷物を盗むので、ものを盗まない「まともな人」にキチンと届けてもらうにはDHLやFedexなど海外の物流業者へ頼むしか無い。なお定形封筒で5000円くらいかかる。

23区ほどの面積なのでシンガポールの国内郵便はそれなりに安い。ところが国際貨物となると、日本のEMSの2倍以上かかる。結局、いくら移民の給料が安いとはいえ、彼らを外国から連れてきて、サービス提供者としてトレーニングするのに相応の費用がかかるということだ。それで実態はこのザマである。

こんなのは嫌だろう。僕は嫌だよ。だったら、送料無料など狂気の沙汰はすぐに諦めて、いまの二倍三倍喜んで払うべきだ。通販したら送料にたかが1000円払うのがなんだっていうんだ。雨の日も雪の日も定刻で届けてくれるんだぞ。

どうしても送料1000円払うのが我慢出来ないのなら、Amazonを盗まれたり、無くされたり、ぶっ壊されたり、文句をいうと怒鳴り散らされて、挙句の果てに業務威力妨害で告訴され、その二年後に腐ってカピカピに乾燥した荷物がシレっと届くような「新たな日常」を受け入れるしかない。

ご冥福をお祈りする。

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