脳がザワザワして眠れない夜と、お酒とデパス

ADHDあるあるシリーズ第二弾。脳がザワザワして眠れない夜の、アルコールとデパスとの付き合い方について。なお、第一弾「脳が常にザワザワしていて疲れる」はこちらっ!

日本人は寝られない夜の対処法としてアルコールに頼る人の割合が2割弱で、これは世界的にも高い数字らしい。ただ、比較対象が白人国家なので、この調査結果には個人的に懐疑的だ。一般的に白人は黄色よりも酒に強い。彼らは酒を飲むとハイになる傾向があるので、リラックスするために酒を飲むという感覚をそもそも持っていないと感じる。個人的に。っていうか酔った白人はうるさいし暴力的だから嫌いだ。特にオーストラリア人。



アルコールは過集中の入り口として特別な意味を持つ

寝酒というと酩酊して意識をとばす感じだけど、ADHDの場合はちょっと違う意味を持つ。

僕の脳は常に邪念でザワザワしている。子供の頃は全人類そういうものなんだと思っていたけど、人生で初めて酒を口に含んだその瞬間から世界観が変わった。アルコールを摂取すると、わずか数秒で脳に至りザワザワが一瞬で凪ぐ。これはあまりに劇的で、中毒性がある。周りの大人の反応と全く違う。僕は普通じゃないのかもしれないと悟った最初の瞬間だった。

定型発達の普通の人は、酒を飲むと意識が薄くなって注意力散漫になると感じるらしい。でも僕の場合はシラフでは脳のノイズがうるさくて、何かに集中することが難しい。だからここ一番で頭を使う時は軽くアルコールを入れる。英語で生活するようになって気付いたのは、アルコールで最もブーストされるのは言語能力だ。なのでブログもアルコールを入れて書くのが効率的。この記事もほろ酔いで書いている。

要は、アルコールによって過集中に入りやすくなる。過集中というのは、普段の集中出来ない分を、定期預金のように一気に取り崩して尋常じゃない集中を手に入れる、いわばADHD特有の能力だ。その後、動けないほどに疲労するのだけど、僕は過集中で脳をブーストして受験や恋愛なんかを乗り切ってきた。とても重宝している。アルコールで過集中に入り、記事を書き上げてそのまま酔いと疲労感をトリガーに眠りに就く。これが僕にとって一番安定している入眠法だ。



血管を巡るアルコールを繊細に感じられる

僕の身体はアルコールとの親和性が高すぎる。決して酒に強いわけじゃない。僕がもし酒豪だったらアルコールに対してこんな繊細な感覚を得られないと思う。

一度口にアルコールを含むと、歯茎から毛細血管に浸透するのをゾワゾワ感じる。血管に入ったアルコールはわずか数秒で脳関門を通過して脳に至る。この時の突き上げるようなドン!という感覚には中毒性がある。子供のころ始めて酒を口に含んだ時から、アルコールに対して僕はこんな感覚を持っている。

その後、脳に流れ込むアルコール(正確には酩酊感をおこすのはアルコールが酸化したアセトアルデヒド)が増えると、雑念のザワザワがスッと静になる。完全なる心の静寂。過去のトラウマを唐突に思い出して「うっ…」って声に出るほどに動揺する「フラッシュバック」も全く出なくなる。とても安寧な深い安らぎ。

この状態は、定型発達の人にとっては酔って無くても普通なのだと思う。うらやましい。でも僕にとってはほろ酔いのときにのみ得られる特別な時間だ。この静寂の時間であれば、僕も普通に寝ることが出来る。

こんな感じなので、僕にとって寝る前のアルコールは、普通の寝酒とはちょっ違った意味がある。

デパスは酩酊しないアルコール


過敏性腸症と強迫神経症で初めて精神科のお世話になって、処方されたのがデパスだった。はじめてデパスを摂取したときの感覚は、アルコールと似ていてとてもセンセーショナルだった。いわば酩酊感のないアルコールといった感じ。

頭のザワザワが、霧を晴らすようにサーっと消える。荒波が突如快晴の凪になるような、それはそれは気持ちが良いものだった。中毒性がある。

僕は酒に強くないので、ある程度以上に酔っ払うと吐いてしまう。だからもう15年くらい飲酒歴があるにも関わらず、学生のころと飲酒量は全く変わっていない。ところがデパスは耐性がつくのが速い。飲みはじめて1年も経たないうちに、ザワザワを落ち着けるのに必要な量が2倍になった。

苦肉の策として、デパスをアルコールでブーストするという秘技を会得してしまったのだけど、危ないので絶対マネしないでください。研究すると、デパスの量が一定でも、同時に投入するアルコールの量を調整することで、デパスの効能をかなり正確にコントロールすることができるようになる。危ないので絶対マネしないでくださいね。

薬物に依存せず眠りたい

アルコールに依存したこんな睡眠習慣を、もう15年くらい続けている。まったく寝られないよりはマシだろうけど、こんなのが健康に良いはずがない。べつに長生きしたいわけじゃないけど、認知症になって周囲に迷惑をかける老後は絶対に嫌だ。ちゃんと健康的に寝られうようになりたい。

希望の光は瞑想。ここ数年は寝る前に瞑想を練習している。けどやっぱり、アルコールと同じような効果は到底得られない。なにより酒を飲むという極めて受動的な行為で、即効性のある静寂が得られるのだ。これを瞑想という積極的な行為で代替するのは無理がある。

ただ「最高の休息法」によると、瞑想によって脳を基質から変えることが出来るという。目下これに期待しつつ、意のままにDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)を落ち着ける瞑想法を模索している。