シンガポールの接客は褒めて育てようと思った話

シンガポールの接客はヒドい。釣り銭を放ってよこすレジ打ち、まだ半分残ってる皿を下げるウェイター、客に舌打ちするバリスタ、行き先を告げても無視して急発進するタクシー運転手。不快なサービスを挙げたらキリがない。

今までこうしたムカつく対応をされたらネームバッジを確認して、店のサイトから名指しでクレームを入れていた。特にタクシー運転手の素行は最悪で、シンガポールの道交法を守らないやつは即通報している。なお、公正を担保するため、すべての苦情は全部僕の実名で送っている。

海外でタクシーに乗るのは緊張する場面だ。ちゃんと行き先を伝えられるか、変な場所に連れて行かれないか、遠回りされて過大請求されないか、、、心配しだすときりがない。ただこれは途上国での話だろう。シンガポールのタクシーは大丈夫。途上国とくらべて。

ところがそんな僕の5年にわたる努力もむなしく、シンガポールの接客レベルは年々劣化の一途を辿っている。それで遂に、これは僕のやり方が間違っているのかもしれないと思うに至った。

フレンドリーなバリスタにKudosを送ってみた

生活リズムを整えるバロメーターとして、相変わらずスタバで朝活をしている。このスタバには毎朝笑顔で元気に接客してくれるマレー系のナイスガイがいる。僕は毎日同じ店で同じものを頼んでしまうので、彼はすでにそれを覚えていて自動的にいつものコーヒーが出て来る。

気付けば同じものばかり食べている。「今日なに食べようかな」みたいな思考プロセスがすっぽ抜けて、毎日同じ店で同じものを注文してしまう。そんな食...

昔ながらのオバちゃんの店ならまだしも、チェーン店でこういう特別対応を笑顔でしてくれるのは嬉しい。出社してすぐスタバのWebサイトにいって、お問い合わせフォームから彼にKudosを送った。

Kudos(くぅどす)とは良いサービスを受けた時に、プロフェッショナルに贈る客からの賛辞だ。英語圏で広く一般的で、ダラリーマンながら僕も何度か頂いたことがある。

いままでシンガポールの接客を批判ばかりしてきたけど、彼のように嬉しい対応をしてくれる人はに積極的にKudosを送ってモチベーションを上げていこう。そうすれば微力ながらも全体の底上げになるのではないか。

そう思っていた。

長続きしない

翌日、いつものようにスタバに行くと、明らかにKudosについて上司から褒められたようで、いつも以上にニコニコ対応してくれた。いいじゃん、効果あるじゃん。やっぱりシンガポールの接客は積極的に褒めて育てていこう、そう思った。

しかも、彼の同僚たちもなんだか今朝は異常に愛想が良い。思った以上の効果だ。っていうか、普段はぶっきらぼうなスタッフまでもわざわざ「おはよう」とか言ってきたり、効果ありすぎて逆に怖いレベル。でもこれでシンガポールの接客が改善されてゆくならば。。。

などと複雑な思いを胸に翌朝またスタバへ向かった。いつものナイスガイは今日はお休みの曜日だろう。思った通り、別のスタッフが接客してくれたのだけど、おい、昨日の愛想の良さはどこいったの。。。

やっぱりこれもキアスなメンタルなんだろうか。同僚がKudosをもらったら負けじととりあえず頑張ってみるけど、即効性のある結果が具体的に出ない場合はだるくて止めてしまうっぽい。

やっぱ褒めて育てる余地はないね

わかる。わかるよ。人間たるもの3食昼寝ビールつきでグダグダ生きるのが幸せに決まってる。労働は罰というのは世界の常識でもある。

だから「俺様が働いてやってるんだ主義」を押し通すシンガポールの人たちは完全に正しい。是非そのまま人生を謳歌してくれ。俺はもう知らん。