大衆に寄生して生きていく

「大衆」といえば、もう10年くらい前に友達と観戦した神宮球場のヤクルト✕楽天戦を思い出す。っていうか10年前に楽天がすでに存在したことに、いま記事を書きながら静かに驚いている。

さて、彼は熱心なヤクルトファンで、僕もファンになれば晩飯をおごってくれるという。それならばということでヤクルト側の席に一緒に座ることにしたんだ。

野球に興味が無いし、知識もない。そんな僕でも、とりあえずヤクルトファンになっとけば、銭湯で「お兄さんどこファン?」などと話しかけてくるオッサンと、当たり障りのない会話ができるようになるかもしれない。僕は銭湯好きなのだ。

僕は社会から「降りている時間」というのを大切にしている。 現代を生きる我らは、24時間いつでもどこかの社会に属して生活している。仕事し...

野球を観戦するのは小学生の頃、近所の子らと今はなき近鉄✕西武戦にいった以来。

まず神宮球場の雰囲気に圧倒された。

凄まじい人口密度。これだけの数の人類が、ヤクルトの勝利という共通の情熱をもって応援に興じている。もはや世界人類が全員ヤクルトファンになってしまえば、戦争のない平和な時代が訪れるのではないか。

そんなことを考えながら、周りに合わせて雨傘など振り回していたのだけど、3分で嫌になってしまった。

僕がスタンドでいくら雨傘を振り回したところで、今夜のヤクルトの勝利に貢献する気がぜんぜんしない。そして根本的な問題として、赤の他人が勝ち負けを競っているその様に、まったく関心が持てなかった。

これと似たようなことを今まで何度も感じてきた。

運動会で紅白に分かれて勝ち負けを競うみたいなノリも、ぜんぜん盛り上がれない。偶然放り込まれた赤チームに思い入れがないから、勝っても嬉しくないし負けても悔しくない。せめて先生vs生徒全員とかの方が面白そうだ。

大晦日の紅白歌合戦も、男女で分ける意味がわからない。甲子園のノリで都道府県歌合戦にした方が楽しいんじゃないか。賭けやすいしさ。

こんな風に、僕は大衆の雰囲気に上手くノッて、大勢でワイワイやるのがとてつもなく苦手なのだ。

ディズニーの魔法にかからない

大衆の雰囲気に上手くノッて楽しむ典型例が「ディズニーで魔法にかかる」ってヤツ。

ディズニーリゾートでは徹底的な空間デザインで施設外の景色が視界から隠され、キャストと呼ばれる現場スタッフも独特の世界観で働いている。そんな異世界に迷い込むと、自然とその雰囲気に飲まれて、あたかも自分がその世界の一員になったように感じるというのだ。

全然わかんねー笑

こんな僕の人生でも、ディズニーデートという死線を何度もくぐり抜けてきた。

その中で一番の失敗談は「死ぬまでに一度はディズニーを貸し切りにしてみたい」という当時の彼女に対して「そしたら何層にも掘られたディズニーの地下施設を探検して、ショーの制御装置やゴミの搬出経路を見てみたい」といって彼女の夢をぶち壊したことだね。

その女性とは程なくお別れすることになった(=^・・^;=)

こんな風に、テーマパークの完成形としてディズニーリゾートに興味はあれど、コンテンツとしては全然楽しめない。どうでもいい。

他にも、バンドのライブ、ハロウィンの大騒ぎ、クラブでみんなで踊る、みたいなのも大衆の雰囲気に上手くノッて楽しむイベント。

僕には出来ない。

会社のベクトルに目標を合わせられない

まぁハロウィンを楽しめなくても人生困ることはなかろう。

ところが大衆の雰囲気にノれないと、会社員として上手に働けない。営利企業こそ、大衆そのものだ。

僕は売上目標、新規開拓目標、こういう企業の定めたベクトルを、自分の目標として頑張る意欲がもてない。売上目標を達成しても、ボーナスが雀の涙ほど増えるだけで、直接自分の生活が良くなるイメージがない。どうやってモチベーションに繋げろというのか。

久しぶりに同期にあって「将来どうする?」って話題になると「顧客の信用を勝ち取って売上3倍」みたいな、それは職場の将来だろwってヤツが増えてきた。昔は陸路でアフリカ縦断とか吠えてたのにね。

でも正直そういう人が羨ましかったりする。会社のベクトルを自分のものに出来れば、さぞこの世で生きやすいだろう。

会社に寄生して生きる

21世紀。地表の殆どは、大衆という腐海に沈んだ…。なおも拡大する腐海とともに生きるしかない世界…。

漫画版「風の谷のナウシカ」に、腐海に住み、蟲に依存して生きる「森の人」という民族が出てくる。蟲の縄張りに蟲の体液で出来た家を作り、蟲の内蔵で出来た服を着て、蟲の卵を食べて生きている。

でも森の人が蟲に見返りを与えている雰囲気はないので、これは寄生だ。適切な装備がなければ数秒で死に至る腐海のなかで、逆に腐海を利用して生きる。

これは良い(=^・・^=)

大衆に馴染もうとすると病んでしまう。だから大衆と適切な距離を保ち、彼らに害を与えない程度に寄生するのが僕には丁度いい。