まともな若者が出ていきアホと年寄りしか残らない

今から17年前、高校生だった僕は、夏休みに東北の酪農場で住み込みで働いていた。あれから17年も経ったのか…。はぁ…。

まぁいいや(=^・・^=)

僕が働いていた農場は、主に関東一円の小規模酪農場から仔牛が集まってくる、いわば牛の保育園だった。牛の赤ちゃんは超デリケートで手間がかかるし、酪農が盛んじゃない地域には家畜専門の獣医さんが少ない。そしてそんな地域には放牧しておく牧草地もない。

そこで仔牛たちは一人前になるまで東北で暮らし、生まれ故郷へ戻っていく。

そんな「放牧育成」をやってる山奥の農場で、僕は乳牛ホルスタインの赤ちゃんの世話を担当していた。

農業が高齢化する原因は高齢者

酪農家の朝は早い。なお夜も早い。

朝6時には現場に出て餌やりやウンコ掃除をし、16時には店仕舞い。こんな生活に慣れると日が沈むともう深夜だ。

ある日、仕事上がりに「同僚」のオババたちと飲…談笑していると、チリチリパーマの絵に描いたような婆ちゃんがボソっとこんな事を言った。

「ここにはアホと年寄りしか残らない。マトモな若者は出ていってしまう(※東北弁意訳)」

この日、正社員で唯一の若手男性である「兄ちゃん」がミスをして、オババたちの仕事が増えた。ちょっとしたトラブルだ。だからおそらく「アホ」というのはその兄ちゃんを揶揄していたのだと思った。

この兄ちゃんは当時ハタチくらいの好青年。農道をトラクターで爆走しながら、コテコテの東北弁でド演歌を歌っていた姿が印象的だ。

確かに高校生だった僕からしても、彼はちょっと頭のネジがぶっ飛んでたと思う。それでも唯一の若手男性として力仕事や高所での作業を任されていたし、実際彼なしで現場は廻らない。

それなのに、オババたちは兄ちゃんを見下したように扱う。そしてちょっとでもミスをすると叱責し、影でいつまでもグチャグチャ愚痴られる。

僕はオババたちが兄ちゃんを批判するのを聞いて嫌な気持ちになった。

年寄りばかりの現場で若手がやっていくには、相当の忍耐が必要だ。同じ仕事をしているのに年が上だというだけで偉そうに振る舞い、力仕事は当然だというふうに若手に押し付け感謝もしない。

兄ちゃんはネジがぶっ飛んでることにより「スルーする力」が高かった。彼のような人でなければ、ストレスで病むか、キレて事件を起こすかどっちかだろう。

僕が高齢者ばかりの職場で働いたのはあれが最初で最後だけど、田舎で農業が高齢化するのは年寄りが若手を大切にしないからだと感じた。

アホと年寄りしか残らない国

「ここにはアホと年寄りしか残らない。マトモな若者は出ていってしまう」

当然、オババは東北の山奥の話をしていた。ところがそれから17年経った今や、日本全体がそんな場所になってしまった。

新卒でシンガポールに海外就職しちゃう猛者がいる。こういう日本人は専門知識+英語+学歴の3高で本当に優秀。一昔前なら官僚や日本の大企業で将来幹部になるハズのエリート達なのに、今や初めから海外の外資企業でキャリアをスタートさせる。

彼らはまさに日本企業が失った人材だ。

日本政府は優秀な外国人を誘致とか言ってるけど、逆に日本人の優秀層が外国にドバドバ流出しているのが現実だ。

昨今、求人倍率は1.5倍を超え、人手不足が社会問題になっている。でも労働者の人数のみならず、彼らのような「民族の上澄み」がゴッソリ抜けている「質」の問題こそ、長期的視点で国家運営や企業経営に影を落とすはずだ。

しかも僕にようなペーペー労働者でさえも使い捨てにされ日本で働けなくなり、極めつけは、遂に日本は外国人にとってアジアで最も働きたくない国になってしまった。

ついにきた。 発表を目にした時はそう思いました。   日本が「アジアで1番働きたくない国」に つい先…

労働者を使い捨てにする国と企業に未来はない

というわけで、日本人の優秀層が海外流出し、中間層は使い捨てられ、頼みの綱の外国人労働者にもそっぽを向かれた今、日本はまさに「アホと年寄りしか残らない国」になってしまった。

今後さらに加速する人手不足で、労働基準法を守らないブラック企業、労働者に充分な給料を払えない雑魚なビジネスモデルがどんどん潰れていくだろう。

労働者を使い捨てにする国と企業に未来はない。

日本の労働環境が改善されることを切に願う。