海外就職の次。徐々に日本と関係ない仕事をしたい

日本人が海外就職するにあたって、一番就きやすく就労ビザもとりやすいのが日本に関わる海外のポジションだ。日本のビジネス環境は言語や商習慣が特殊で、そして外国人を信用しない顧客が多いため、海外の外資企業であっても日本マーケットの担当者として日本人を雇うことは多い。

でもその一方で失業率は政府の支持率に大きく影響する。だからどこの国の政府も外国人が自国民の仕事を奪わないように就労ビザは乱発しない。それでも日本市場にはこういう特殊な理由があるので、日本マーケット担当者というポジションは日本人が比較的ビザが取りやすい傾向がある。

この「日本人枠」は貴重な初心者むけ海外就職先として機能している。

縮みゆくパイ

一方、日本の人口は減っている。そして老人の割合が増えている。

今後、少子高齢化に対して奇跡的な政策転換をしても、人口動態がすでに手遅れな状態にあるため中長期的に国力の逓減を避けることは難しいと言われている。

そうなると日本マーケットの国際的な重要性も目減りする。これは日本国内に住んでいる人にも大きく影響するだろう。例えば海外製の家電を買ってもいまは当たり前のように日本語サポートが受けられる。ところが今後は英語か中国語だけになってしまうことが予想される。日本市場が縮小して日本語サポートを提供する採算が取れなくなるのだ。実際に人口の少ないマレーシアに行くとサポートは英語か中国語だけで、マレー語はないことが多い。人口が減るとはそういうことなのだ。

海外でふらふらと生きている身としてこれは切実な問題だ。

僕は今も日本マーケットの担当者として雇われている。でも最近は目に見えて日本向けの需要が減っていて仕事が無くなりつつある。

今後何年も日本の外で職を得てサバイブしていくには、日本市場の縮小とともに縮みゆく「日本人枠」にしがみついていてはマズい。僕も日本と関係ない「業界のプロ」になって、グローバル人材として生き残る必要が年々増えていくだろう。日本と違い正社員であっても仕事の重要性が失われれば1ヶ月前告知でいつでも整理解雇出来るシンガポール。これはまずいということで、アジア太平洋地域全体に関わるようなタスクもこなすことにした。今後も日本関係の仕事の割合は減らしていくつもりだ。

(※編集 2018年に所属していた部署が中国にまるごとアウトソースされ僕はクビになった)

とはいえ、やっぱり最初にシンガポールで内定をとって就労ビザを取得するときに、日本マーケット担当の募集があったことに救われている。海外就職初心者向けのチャンスがなければ僕はシンガポールで働くことはできなかったかもしれない。今後、こういう初心者向け「日本人枠」の求人は減っていくことが予想される。

これから海外に出ようという人は急いだほうが良いかもしれない。