僕は昔から持ち物を整理するのが苦手だった。幼稚園の時は弁当箱をカバンにしまえず、小学生の時はプリントが机の奥にグチャグチャになってて、そのさらに奥で集めた蝉の抜け殻がカビているような少年だった。
小学生のときは配られる給食だよりや、宿題のプリントや、保護者会の案内なんていうのは、なくしてもカビて夏休み前に発掘されても、せいぜい親や先生に怒られるくらいだ。あの種類の大人はどうせ僕が何をしても怒るので、整理できないことに危機感を持つことなどなかった。
ところがこれが中学生になり、プリントの内容が成績に直結するようになると、僕ははじめて整理できないことに具体的に困った。でも整理できない。自分でもなんでかわからないけど、努力とか注意とかそういう問題じゃないんだな。 授業中にプリントが前から流れてきて、後ろの席に渡す時にその後ろの席が好きな女の子だったりした日には、もうプリントの存在は僕のアタマから抜け落ちて机の地層と化している。
テスト前にプリントは当てに出来ない。そこから問題が出ることはわかっているけど手元にない。コピーさせてもらう友達もいない。そんなわけで試験直前に出題範囲の教科書を全暗記して乗り切っていた。これはADHDの利点である過集中というやつかもれない。追い詰められると普段はまったくない集中力が、まるで定期預金を崩すように一気に使える。ただこれは便利にいつでも過集中できるわけじゃなくて、それなりなピンチに追い込まれる必要があるので厄介だ。要領のいいやつはプリントや板書から効率よくポイントを抑えていい成績を取るのだろうけど、真逆を行く超非効率な教科書丸暗記でも、とりあえず大学まで出ることが出来た。
なお、社会人になっても重要書類をなくしたり提出期限を守ることが苦手で、さすがに中学生の時よりは工夫するようなったけど、ミスやトラブルはしょっちゅうで結局日本で仕事は続けられなくなった。
部屋もグッチャグチャになる
僕の部屋はめっちゃ汚いんだな。汚部屋の住人といえど、やっぱ汚い部屋は不快だし、ものが更になくなるので不便だ。これに関しては最近になって解決策を発見したので紹介しよう。
まず、ケータイからパンツまで文字通り全ての所有物を押入れにぶっこむ。押し入れから必要なものはいつでも出していい。出したらいつものように出しっぱなしでいい。一ヶ月後、押し入れの中に入っているものを全部捨てる。何も考えない。それがたまに必要だとか思い出だとかは無視。心が揺れるときには目隠ししてゴミ袋に手探りで入れると良い。とにかく一ヶ月必要なかったものは全部捨てる。空になったことを確認したら、またケータイからパンツまで全所有物を押し入れに入れて次の一ヶ月を繰り返す。
これで僕の持ち物は半分以下になった。所有物が半分になると、多少散らかっていても前より全然住める部屋になる。これは超絶オススメ。
書類は写真に撮る。スキャンはしない。
相変わらず書類も超速で紛失するけど、スマホがあれば大丈夫。
Evernoteとかイケてるアプリを使えばその場でスキャナで取り込んだような処理をしてくれるけど、そもそもEvernoteを起動するのがめんどくさい。あまりちゃんと文字を補足してくれなかったりして何度も取り直すのがめんどくさくなり、結局すぐにやらなくなるんだ。
一方、どんなスマホでもカメラは一発起動できるようなっている。スキャナ処理なんて必要になった時にやればいいので、とりあえず紙の書類を渡されたら脊髄反射で写真をとっておく。スマホでとった写真はDropboxかGoogleDriveに自動で転送されるように設定しておく。
これで少なくとも書類に何が書いてあったのかは記録に残るし、なくしてもどれを再発行してもらえば良いのか写真を見ればわかる。適当な書類であれば必要に応じてスキャナアプリで処理して印刷して提出してしまえばよい。
良い時代になった
そんなわけで相変わらず日常生活や人間関係で問題は多いけど、いろいろ工夫することで小学生のときと比べると一般人類っぽく生活出来てるとおもう。実をいうと昨年ちょっと思うところがあってスマホも持ち歩かなくなったんだけど、この話は長くなるのでまた次回に!