シンガポールのムスリム恋愛事情について書こうと思ったんだけど

先月ユニバーサルスタジオに行って、古い友だちのイスラム女子と絶叫マシンに乗ったら、落ちるタイミングで腕を掴んできた。びっくりして絶叫マシンに集中できなかったわけだが、ここら辺の男女の距離感はイスラム教徒といえどかなり個人差があるようだ。一緒にいた彼女と同郷の女子たちは男性との物理的接触を好まないような印象を持った。

別のムスリム男子友人は非モテであると同時に敬虔な信仰を守っているので、女子事情を全くわかっていない上におそらく女性に触れたことすらない。彼とはたまにテニスをする仲なのだが、「適当に付き合いはじめて、やることやってから適当に別れる」みたいな感覚がわからないようだ。いや本当はわかっているのだけど、「こいつは地獄に堕ちる」と思っているに違いない。顔に書いてある。それでも恋愛事情には興味があるお年頃らしく「いつ結婚するつもりか」というような話題の中で、お前はどうして元カノの父親に殺されないのかと聞いてきたときは失礼ながら笑ってしまった。アメリカドラマとか見ないのかな。

どうもこの「こいつは地獄に堕ちる」 という感覚は「リア充爆発しろ」に相当するっぽい。自由恋愛は羨ましけど、宗教上できない、ぶっちゃけそれも言い訳で根本的に非モテだし、モテる努力をするのはダルい。このメンタリティの先にあるのが「こいつは地獄に堕ちるな」という納得感なんだとおもう。もちろん僕自身はイスラム教徒じゃないし正確なところはわからないけど、ちょいちょい一緒に行動する非モテ系イスラム男子たちに関しては、明らかにこう思ってる印象を受ける。

シンガポールはイスラム人口が少ない

ただ、シンガポール人である彼らに出会いが少ないのは事実だ。大多数のイスラム教徒はイスラム教徒としか結婚しない。結婚が前提の交際が基本なのは今でも変わらない。そしてシンガポールの大多数は中華系でありイスラム教徒ではない。僕の友達に一組だけ中華女子と結婚したムスリム男子がいる。奥さんはモスクが開催する宗教勉強会に足繁く通い、家族や自分の葛藤を乗り越えて正規の手順を踏んでイスラム教に改宗した。ただ彼らはレアケースで、民族ごとに分かれている初等学校を卒業したら、イスラム教徒であるマレー系の割合は人口比で少ないので一気に出会いが減ってしまう。

さらにここでは書ききれない複雑な理由により、結婚できるレベルの給料の会社にマレー系は少ない。日本では職場結婚が一般的だけどこれがほとんど期待できないことになる。モスクも男女別なので宗教活動を通じても出会いがない。

 いや、ちょっと待て。

そうは言ってもマレー系も普通に結婚して家族を作っているぞ。街でマレー系男女が手つなぎデートしているのもよく見る。ここに書いたのは俺の周りの非モテ男子どもの冴えない言い訳な気がしてきた。恋愛話に関してイスラム友人達にどこまで踏み込んで良いのか距離感がよくわからない。