続けるために一時的にするのを止める

ジブリ映画「魔女の宅急便」で主人公のキキがほうきで空を飛べなくなったとき、キキの頼れる姉貴分で画家のウルスラがこんなアドバイスを贈っている。

「描くのをやめる。散歩したり景色を見たり、昼寝したり何もしない。そのうちに急に描きたくなるんだよ」

飛べない時はジタバタせず意識を別に向け、そのうち情熱が湧き上がってくるまで辛抱せよということ。これは何かをコツコツ継続して結果を出すためにとても大切なことだと思う。例えばブログにしても「毎日記事を書く」と決めてしまうと忙しい時や体調が悪いときに重荷になってしまい、それは結局モチベーションが続かない原因になりうる。

僕も日常でブログを意識しないようにしている。そのうち書きたいことがモヤモヤ溜まってくるので、それをApple Watchに音声メモしておいて時間が空いたときに一気に書き上げる。ブログの目的は心のモヤモヤを文字に放出することなのだ。記事を書くことはその手段でしかない。ただの手段を毎日強制的に実行しても、目的は達成できない。

調子悪いときに意識をズラす対象を用意しておく

大切なのは、本業が調子悪いときに意識をズラせる対象を前もっていくつか用意しておくことだ。ウルスラ嬢のアドバイスでいえば、絵が描けなくなった時のために、散歩したり昼寝したりするのを予め好きになっておくということ。僕で言えば、ビール片手に街をぶらついたり、趣味の編み物やお絵かきにがそれに当たる。仕事であるプログラムが書けなくなったときも、趣味やブログに意識をズラしてやり過ごす。

なんだかみんな中途半端になりそうでしょう。それはその通りなんだけど、やるべき対象が「好きである」気持ちを絶やすと、そもそも満足できるような成果は出ない。才能で一点突破出来る人もいるのだろうけど、普通の人は情熱をモチベーションに変えてコツコツ努力していくことが、なんであっても上達につながることは疑う余地なしだ。

仕事に応用が効かないのが困る

情熱が湧かないときは一時的にするのを止めるっていうのは個人的な活動にはとても有効なライフハックなんだけど、残念なことに仕事に応用しづらいという難点がある。大抵の仕事は同じようなことの繰り返しなので、情熱が湧いてこない時でも同じ成果を求められる。一時的にお休みして他のことをするのが仕事では難しい。もし、仕事をいろんな種類のタスクに分けることができたとしても、自分の都合でどれかを一時的に止めて後回しにし難い。

だから、仕事はモチベーションが低い時でも無理くりやる気を絞り出して一定の成果を出さないといけない。いわばブログの記事を毎日絶対書かなければならない状況だ。大して書きたいこともない日に無理くり捻り出した記事なんてあまり面白くないだろう。書く人が面白くなく、読む人も面白くない記事なんて存在価値があるのか。

僕が仕事にモチベーションを向けられず大した業績も出せないのはこんな原因があるんだろうと思った。