シンガポールご飯は3週間楽しんで3ヶ月で飽きて3年苦しむものだ

シンガポールのご飯については、定番のバクテー、海南チキンライス、ラクサはもちろん、そこにインド・マレー・中華料理も加わる。そのバラエティ豊かな食文化をテレビが取り上げるらしく、シンガポールに行ってみたいという人にとって食は大きな楽しみになっている。僕も最初バックパッカーとして来た時そうだった。

ところが在住5年目となった今では、お手軽な屋台ご飯は出来るだけ食べたくない。今日は、この辺の事情について書く。

わかりやすいドンシャリ料理しか無い

僕はイヤホンマニアなので、音質には一家言ある。音の世界では、わかりやすい高音と、迫力ある低音をやたら強調した音質を「ドンシャリ」という。ドンドン・シャリシャリ鳴るからドンシャリだ。調律師の成長物語「羊と鋼の森」でも、音にこだわりがない人のピアノはドンシャリに調律しておけばお手軽にいい音だと思わせることが出来るというシーンがある。

シンガポールご飯の味付けはまさにドンシャリだと思う。わかりやすい辛さ、わかりやすい塩っぱさがやたら強調されて、通奏低音としてどっしりとした味の素(美味み調味料)が全体を支える。

シンガポールのホーカー料理は健康に悪い?

要はお子様が喜ぶ献立ランキングの上位にくるような、わかりやすいお子様テイストばかりなのだ。日本食で言えば、カレーライスやラーメンといった感じ。実際、シンガポール人にも日本のカレーとラーメンは人気で、ホーカーの日本料理屋台にはカレーライスがあるし、ショッピングモールにはラーメン屋のテナントが入っている。

いや、僕だってカレーもラーメンも大好きだよ。だけど、毎日ラーメンでは身体を壊してしまう。バックパッカーで世界を徘徊していたときは、寿司やラーメンが恋しかったけど、何年も東南アジアにいると蕎麦や豚汁とかさっぱりした味を求めるようになる。シンガポールご飯はわかりやすいドンシャリ料理しかないので、風邪ひいたときはもちろん、濃い味に疲れたときの避難場所がない。

3週間楽しんで3ヶ月で飽きて3年苦しむ

そんなわけで旅行でシンガポールに数日滞在すると、わかりやすく誰にも受け入れられる料理ばかりなのですごく楽しめると思う。値段も安い。

でもこっちに住みはじめて、そういうドンシャリ料理を毎日2周3周とローテーションしていくと、3ヶ月くらいでうんざりする日が来る。実はあまり種類が多くないし、全部同じ味に思えてくる。シンガポールの冷房は強烈なので、たいてい3ヶ月くらい住んでると風邪をひくっていうのもある。そして体調不良のときに食べられるサッパリ料理がないことに気付いて絶望するのだ。中華粥とか良さげだけど、めっちゃ塩辛い。味の素水溶液でほぐしたご飯っていう感じ。

これに気付いちゃったらもう耐えるしか無い。忍耐。

まぁ普通に自炊すれば良いのだけど、クソみたいな大家が料理を禁止しているクソ物件が多くて、気が向いたらスーパーにいって自分で作るという風にはならない。忍耐あるのみである。

でも大丈夫。僕はシンガポール5年目だけどすでに長い方。理由は様々だけど、多くの人は3年くらいでシンガポールを出て行く日がくる。そういう国なのだ。