ADHDにApple Watchが向いている5つの理由

今年(2017年)の1月から、iPhoneなしのApple Watch単体とイヤホンだけの生活をしている。現状、Apple Watch Series 2にSIMカードは入らないので、出先でインターネットから完全に切り離されることになる。自分でも極端なライフスタイルだと認識しているし、職場や友人から連絡が取れないと文句も来るけど、これがなかなか快適なんだよ。っていうか、Apple Watchをお供にしたオフライン生活と、ADHDの気がある人は相性がいいと思う。

オフラインで使えば通知に集中を邪魔されない

脳が常にザワザワしていて疲れる」でも書いたとおり、僕の頭は常に邪念でザワザワしている。そして些細なトリガーで簡単に集中が途切れてやるべきことがいつまでたっても終わらない。僕は子供の時からそうなんだけど、とくにケータイをもち始めてからこの傾向は強まった。よく「SNSをやればやるほど子供の学力が下がる」といった研究結果が話題になるけど、まさにそんな感じ。スマホの通知、そこにつながっている人間関係に24時間囚われて、目の前の課題にぜんぜん身が入らない。

ADHDにとって集中出来ないことは定型発達の人より深刻だ。例えば料理している時にスマホをいじり始めたがために、火の始末をすっかり忘れて鍋が黒焦げになったりする。鍋だけならいいけど、いつか家まで黒焦げにになるかもしれない。ここまで大げさじゃないけど電車やバスを乗り過ごしたり、人と話している最中に意識が別のところにぶっ飛んで相方を不機嫌にさせたりすることは毎日のことだ。

ところが持っている電子機器がApple Watchだけならそもそも通知が届かないし、もしLineでメッセージが来ていたとしても確認する術もない。不便なことは確かだけど、ここまでしないと僕は集中して作業をこなすことができない。実際、オフライン生活になってから劇的に作業能率が上がった。うっかりミスや、大きなすっぽかしも減った。そもそも以前の僕ならこんな3000字を越えるブログを毎週書き続けることはできなかっただろう。

連絡がつかないと文句を方方から言われるけど、もはや僕の心の平穏にどうしてもオフライン生活が必要になってしまった。どうか寛大に許して欲しい。

紛失する心配がない

ADHDの散漫な注意力のせいで持ち物をよく無くす。それに壊す。しかも充分すぎるほど自覚があるのでモノを無くさないように心の片隅でいつも心配している。ケータイを持ち歩いていた時は、左ポッケにiPhone・右ポッケに財布が確実に存在していることを毎日何回も何回も確認していた。Apple Watchとイヤホンだけの生活になってからはこの確認作業から開放され、そもそも持ち物の紛失に囚われるストレスがなくなった。

最近の持ち物は右ポッケにクリップで留めた最低限の現金と社員証・地下鉄カードが入ってるだけだ。Apple Watchは常に手首にあるし、イヤホンは耳にぶっ刺さっているので確認する必要がない。

もちろん手首を壁なんかにぶつけることはしょっちゅうだけど、ステンレス製のApple Watchは意外にタフで壊れる気配はない。なお、アルミ製だと傷ついたり凹むっぽいので、注意力散漫な人はステンレス製がいいかもしれない。

無音のタイマーで過集中を防止

ADHDの特性として過集中がある。普段注意力散漫な分、いったんスイッチが入ると爆発的な集中を一気に使えるのだ。テストまえの一夜漬けや、仕事で追い込まれたときなど、幾度となく僕の人生を救ってきた便利な能力である反面、これに頼りすぎると身動き取れないほどぐったりと疲れてその日はもう使えない屍になる。

まぁ追い込まれたときなんかは素直に過集中するにしても、日常的に屍になって寝込むのは得策ではない。そこでApple Watchのタイマーを使う。スマホにもタイマーがあるのだけど、音が出るので使える場所が限られるのと、過集中のときにポケットでブルブルしただけではとても気付かない。

ところがApple Watchのタイマーは手首で盛大にブルブルしてくれるので一撃で気づく。特に緊急性のない作業をするときには30分ごとにタイマーをセットして、意識的に席を立ったりお茶を飲んだりして過集中を中断するようにしている。これで屍のようにぶっ倒れる日が減った。

メモが取れないので重要な内容は録音する

ADHDが全員そうなのかはわからないけど、僕は話を聴きながらメモを取れない。だから義務教育のときなどノートがとれず苦労した。過集中を勉強に使えるようになってからはノートチェックが0点でも定期試験の成績でカバーできるようになったけど、小学生の時はなんで自分だけノートを書けないのか悩んだものだ。

しかも、この「ながら書き」が出来ないことは社会人になってから一番大きな問題となる。先輩やお客さんに要件定義などを口頭で伝えられることが頻繁にある。この時メモをとっていないと、そもそも熱心に聴いているという「人間力(笑)」を示すことが出来ないし、後から必要事項に抜けが発生して怒られる。

そこでApple Watchの音声メモである。これはアプリを入れないと使えない機能だけど、録音の有料アプリにもなるとオフラインで手元のApple Watchに音声を保存できるだけでなく、iPhoneに繋げばデータを音声認識して文字起こしまでしてくれる。これはかなり便利だ。

大切な会議や打ち合わせなど、忘れてはいけない内容が話される時には、さり気なくApple Watchで録音アプリを起動して録音しておく。そしてその内容を元に作業するときが来たら、Apple Watchで全部再生して内容に抜けがないか確認してから手を動かす。この方法で仕事のミスや約束のすっぽかしがかなり減った。

まぁ正直盗聴なんだけど、必要なくなったらデータを消しているので許して欲しい。

可視化により運動するようになった

最後に、Apple Watchで運動量を可視化することによって、確実に毎日身体を動かすようになった。Apple Watchを買ってからというもの、毎日この3色のわっかを閉じるために生きているようなところがある。わっかを閉じた夜は達成感があるし、なにより昼間の運動によって良く寝られる。

最初のうちはウザかったStand!という通知も、過集中をタイミングよく中断してくれるので最近は活用している。これは1時間に1回立ち上がって軽く歩き回ることを推奨する機能で、まる1時間以上座ったままでいると毎時50分に立ち上がるよう手首がブルブルする。長時間座ったままでいることは集中力を低下させるのみならず、循環系の健康を害して寿命を縮めるらしい。ちまたではにわかにスタンディング・デスクなどというものも流行っているみたいだけど、手軽にとりあえず1時間に1回は立ち上がって血を循環させようというわけだ。

最初のうちは通知がウザいし機能を切ろうとおもっていたんだけど、一週間くらい我慢していたら肩こりが改善していることに気付いた。それに1時間に1回必ず歩き回るために、無駄に過集中に入るのも避けることができる。今ではさりげなく重宝している機能だ。

まとめ

Apple Watchを買って4ヶ月。注意力散漫になる原因であったインターネットから切り離されつつ、音楽を聴いたり音声メモをとったり過集中を防いだり、最低限の機能だけを集めたその仕様は、ADHD的な特性との相性が良い。ぜひお試しください。