シンガポールのホーカー料理は健康に悪い?

シンガポールには経済飯と呼ばれる、日本で言えば丼物にあたるお手軽料理がある。ご飯を盛って、乗っけるおかずを選んで、汁をぶっかけて300円ってな感じ。こっちの米はいわゆるタイ米なので、日本米みたくモチモチしていない。そのパラパラなご飯がモッタリした甘辛い汁を吸って絶妙に美味い。しかも選べるおかずは30種類くらいあるのでぜんぜん飽きない。

経済飯はその安さもあって屋台街であるホーカーセンターでは人気ストールの定番である。ショッピングモールのフードコートにも必ず経済飯屋が入っている。

もしかして実は身体に悪い??

先週、遅い時間にホーカーで経済飯を食っていたら、隣の席のおっちゃんが乗っけた具を全部コップのお湯で洗っててびっくりした。牛丼屋でつゆ無しならわかるけど、牛肉をコップのお湯に漬けて洗ってから食べるようなもので、異常である。

しかも、おっちゃんが洗ったコップのお湯には5mmくらい茶色い油の層が浮いていて度肝を抜かれた。普通に全部平らげた僕はこの量の酸化した油を摂取してしまったんだ。塩分もこのくらいクレイジーな量が入っていたに違いない。よく考えるとヤバい。

シンガポールご飯は3週間楽しんで3ヶ月で飽きて3年苦しむものだ

そもそもシンガポールの料理は全体的に、味の素水溶液の「美味み」を通奏低音に、甘辛い・塩辛いビビットなアクセントを上手いこと乗っけたようなドンシャリ料理ばっかりだ。人間が美味しいと感じる味覚のツボを過不足なく刺激してくるので、ドンシャリ料理は誰にでも素直に美味しい。でもそれはファストフードと同じコンセプトなので、健康に良いかどうかはまた別の問題。

よく考えると、糖尿病や高血圧とかで食事療法が必要な場合、シンガポールで外食は全くできなくなるだろう。苦肉の策としておっちゃんのように具をお湯で洗ってから食べるしかなくなる。これは健康体であっても風邪ひいたりして弱ってるときに度々困る。

チキンライスが政府広告のやり玉に。。。

シンガポールの地下鉄駅にはディスプレイがあって、電車の運行情報ととも公共広告が流れる。ここで春節くらいに放送されていたのが糖尿病撲滅のショートムービー。「糖尿病の連鎖を止めろ!まずはあなたから」みたいな内容で、チキンライスを手にテーブルに就いた男性が、将来糖尿病になるリスクを意識して野菜を追加したり運動をしたりする内容。

糖質制限している身としては、糖質を同量取ってる時点で野菜を食べても意味ないと思うのだけど、とにかく糖尿病が喫緊の社会問題なんだなとぼんやり感じたのを覚えている。その後、このMCを駅で何度も見るうちに、日本で言えば寿司を食い過ぎると痛風になりまっせくらいな内容で、健康のためにはそのとおりだけど食文化的にこの内容でいいのだろうか、と考え込んでしまった。

で、経済飯をお湯で洗うおっさんを見た時にこの政府広告がフラッシュバックした。というのも、シンガポールのお年寄りは異様に硬直した脚でヨタヨタ歩く人がやたら目につく。彼らは糖尿病が進行して脚の神経をやられてるんだと教えられた時は結構ショックだった。これがもっと進行すると、壊死した脚を切断することになるという。そう言えば車椅子姿の脚の無い人が、駅前でティッシュを売ったりしている。戦争のない国なのになんでだろうなくらいにしか思っていなかったけど、まさか糖尿病の結果だとは。。。

食べ過ぎ注意

というわけで、シンガポール料理は美味しいんだけど炭水化物と塩分が多いので食べ過ぎ注意だ。