今日は僕がひととおり心を病んでみて、またそこから回復してみて思うところを書く。
心を病むといっても突然ガクンと倒れるわけじゃなくて、沼に足を取られて徐々に身動きが取れなくなり、暗い泥の底へゆっくり沈んでいく感じだった。日々のストレスで、軽くぬかるみに躓く程度なら誰しも経験するはず。だけど、ひざ、腰とどんどん深く鬱泥に沈んでいくと、もはや抜け出すには誰かの助けが必要になってくる。
具体的に僕は、強迫神経症(玄関の鍵と火の元が異常に心配、一日に何度も手を洗わないと気が済まない、歯ぎしりを止めることができない)から異変を自覚し始め、次に不眠症、そして過敏性大腸症候群(電車などトイレのない状況で腹痛に見舞われウンコ漏らす。トイレに駆け込んでも何も出ないこともある。あくまで精神的な原因で引き起こされた便意なのだ)を経て、末期の自殺願望を伴ううつ病と診断された。
今思えば、自分が沼に足を取られたことをきちんと意識して、その都度きちんとストレスの原因を取り除いていたら、それ以上深くに沈み込むことは避けられた。それなのに当時の僕は足を取られているにも関わらず「俺の精神は正常だ」、「頑張れば今まで通り出来るんだ」と自分に言い聞かせた結果、自力で抜け出せない深さまで沈み込んでしまった。
自力で回復できるダメージの段階で、身体が発するサインをちゃんと感じ取って、その都度ストレスの原因を取り除くこと。これがとても大切だと思う。
真人間ライン
ストレスの原因にちゃんと対処すれば元気な状態に戻れるくらいの精神ダメージを、僕は「真人間ライン」と呼んでいる。このラインより沈んでしまうと、めでたくメンヘラゾーンに突入というメンタルの絶対防御ラインだ。ストレスが溜まっている時に、真人間ラインが迫っているのをちゃんと自覚して、まだ引き返せるうちに必要な措置をとっておくのがとても大切。
僕の真人間ラインは2つある。
1)面倒くさすぎて風呂に入らなかった
風呂は基本的に面倒くさい行為だけど、普通の人はダルくても毎日入るものだ。一日の汗を流さずに翌日を迎えるのは、すでに「真人間」から脱落している。昨夜は特別めんどくさかったなどと「自分はまだ正常」と思いこむのではなく、真人間ラインを超えた状態であることを自覚して、受け入れる。
2)ふと気付くと同じ悩みが頭をグルグル支配している
なんか会う度に同じ悩みを吐露してくる人って多いと思う。「仕事がうまくいかない」「体調が悪い」「結婚できない」などなど。自分のことだと無自覚になりがちだけど、周りの人を観察すると、多くの人が特定の悩みに脳を支配されていることがわかる。これは何度も自分で自分の傷をえぐっているわけで、グルグル考えるごとに傷つき怒り、負の感情が溜まっていく。つまり暇さえあれば同じことで悩み始めたら、それはメンヘラゾーンへの入り口。真人間ラインだ。
真人間ラインを超えたら何も考えず会社を休む
僕の場合、仕事と人間関係がストレス原因なので、この2つを自覚したら何も考えず翌日会社をサボって独りになる。ストレスに対しては自己啓発書やサプリなどで付け焼き刃の対処をするのではなく、具体的にストレス源から遠ざかる必要がある。少しの間、例え1日でもストレスのない時間を作って鬱沼から足をこまめに引き抜く。
真人間ラインを超えて本格的に病むと、回復まで年単位で人生を無駄にすることになる。最悪の場合自殺してしまうかもしれない。それに比べたら会社をサボるくらいなんでもない。会社にかかる迷惑など、自分の健康に比べたら屁みたいなもんだ。合法的に有給休暇を使って休むことを咎めるような違法な会社は人類社会の害悪なのでむしろ積極的に迷惑をかけて潰すべきだ。
そして仕事などいくらでもある。日本にはもちろんのこと、最低限のスキルが有るなら海外に活路を見出すこともできる。社員を鬱にするようなブラック企業に貢献する努力より、専門スキルと英語を身に着けて外資に転職したほうが建設的だし、実体験としてラクですらある。
「過酷な現状維持」ほど意味のない人生はない。
まとめ
メンタルの絶対防御ラインを意識して、危険ゾーンに近づいたと自覚したら、具体的にストレス源から遠ざかることが大切。