シンガポールで海外就職が難化

僕がシンガポールで働き始めたのは2012年の秋頃だった。この世の何もかもが嫌になって上海で飲んだくれてたら、突然シンガポールの友人からビジネスを手伝ってほしいという話が来た。それで放浪生活に別れを告げてシンガポールでホステルの管理人になったんだ。

あの頃は本当にいろいろユルかった。僕はレアケースでもなんでもなく、オーストラリアのワーホリ後に就労ビザ取得に失敗して、帰国前にトランジットで寄ったシンガポールで偶然仕事が見つかったので住むことになりました、みたいなユルいノリの人がゴロゴロいた。もちろんそんなんで内定が出てちゃんと就労ビザも貰えたのだ。

ところが2013年に就労条件が引き上げられた。これにより外国人労働者の新規参入が難しくなっただけでなく、すでに仕事を持っていてもビザを更新できずに帰国の憂き目に合う人もいた。そして今年(2017)の初めに就労条件が更に上がって、僕のようなスキルもやる気もグダグダ人材はだんだんシンガポールに居場所が無くなりつつある。今日はあくまで僕の主観でグダグダ人材向けにシンガポール海外就職について書く。

なお、専門知識+英語+学歴が3高な方々は今でもシンガポールで引き手数多の売り手市場だと思う。ここには世界に名だたる投資銀行や大手IT企業がたくさんあって、そんなところに新卒で入っちゃう猛者もいる。僕には関係のない世界なので何も書けませんが。

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このトピックは些末な間違いに訂正を加えないと気が済まない老害がウジャウジャ湧いて毎度荒れる。そういうゴミカスは読まずに全ブロックするんでよろしく。個人ブログを参考にするかどうかは自己責任だ。

日本人がとれるシンガポールの就労ビザ

日本人がシンガポールで合法的に働く場合、取得できる就労ビザは2種類ある。EPとSPassだ。これは「EPがいいです」とか労働者側が希望を出せるわけじゃなく、外国人向け求人の段階でどっちのビザか決まっている。

一番大切なことなのにビザサポートについて明記してない求人も実際問題ある。だからそういう仕事に応募する際はちゃんと事前に確認しないと「内定は出たのにビザが出ない」という悲しい結末になる。←経験談

EP(Employment Pass)

EPは後述のSPassより給料の高いエリートが取るビザだ。EPを取れるかは主に給与額がネックになる。年齢が若いほど、学歴が高いほど、専門スキルがあるほど、職務経験が長いほど、取得条件が下がる。ハイスペックであれば給料安くてもビザが出るわけで、なんか矛盾している気がするのだけど。

政府サイトにEPの最低給与$3,600と記載がある。でも条件が厳しくなった今、実際に僕の周りで新規取得・更新した人は$5,000(日本円で月収40万円)を越えているケースばかりだ。月収40万円とか聞くとグダグダ人材の僕はビビってしまう。そんなに要らないから、もっとのんびりした、南の島っぽいゆとりのある仕事がいい。だからダラリーマン希望の人にEPの仕事は向いていないと思う。

また、シンガポール政府はEPの対象になるようなハイスペックな仕事を、外国人ではなくシンガポール人に与えたいと考えているようだ。優秀な移民を受け入れて成長してきたシンガポール。今後は「超」優秀な移民だけを受け入れて更なる成功を目指すらしい。だから今後また外国人労働者の引き締めがあるとするなら、真っ先に追い出されるのはEP労働者だろう。EPで働く外国人は、常に英語中国語をネイティブレベルでしゃべるシンガポール人トップ層と置き換えられるリスクを孕む。

SPass

EP取得のカギになるのが給与額だったのに対し、SPassは就職先が雇用しているシンガポール人の数がネックになる。2017年現在、業種によって全従業員のうち15~20%しかSPassを出せない。残りの80%以上はシンガポール人(国籍もしくは永住権)を雇っている必要がある。

もちろんSPassにも最低給与$2,200の設定があるけど、わざわざ日本人を雇うような仕事であれば余裕でクリアできる額だ。逆にSPassの基準を下回る収入だと、そもそも物価(とくに家賃)が高いシンガポールでの生活はかなり苦しくなると思う。

例えば、工場をシンガポールに置いている大企業であれば、現地の人を工員として大勢雇っているのでSPass枠もたくさんある。こういう大きな会社の日本人求人がダラリーマンにはお勧め。お勧めなのだけど、正直日本の国力低下のためなのか、日本語話者の求人というのは減っているように感じる。さらに、シンガポールである必要性の低いコールセンター業務などは、ビザの縛りがゆるい東南アジアの近隣諸国に流出しているらしい。

とはいえ、SPassは定期的に上昇する最低給与額に怯える必要が無いのでEPより安心だ。過去に、労働条件に反発したシンガポール人が大量離職したため、SPass枠が突如無くなっちゃった小さな日系スタートアップを知ってるけど、珍しいケースと思う。

グダグダ人材は米欧英系資本のSPass求人を狙うべし

仕事のステータスは結局いくら稼いでいるかによる。だからEPで働いている高給取りはSPass労働者を見下す傾向がある。EPの最低給与の引き上げで、今後その経済格差は更に大きくなるだろう。

ただ、のんびり生きたいグダグダ人材がそんなところで見栄を張ると、結局忙しくなって自分のクビをしめることになる。大切なのは毎日17時ピッタリに帰ることであり、有給休暇を全消化することであり、ストレスの少ないゆとりのある日常だ。

シンガポールは年中常夏のビール日和。地震も台風も花粉症もない。通勤ラッシュはあるけど、工夫すれば避けられる。ここでグダグダ生きることこそが重要なんだ。シンガポールではそれが可能だ。

ただし、同一労働同一賃金という概念がない日系企業の求人は避けるべき。日系企業で現地採用として働くと、駐在員様の小間使いにされる可能性が高い。もちろん生き生きと日系企業で働いてる方もいらっしゃるのだろうけど、僕の周りでいい話をあまり聞かない。

僕自身が転職活動で受けた日系企業の印象も良くない。そもそも、採用面接は労働者が雇用者を見極める場でもあるという意識がない企業すら存在する。このご時世でまだ「働かせてやるマインド」な企業はこっちから願い下げ。駆逐すべき。

そんなわけで、求人が少ないのが問題だけど、シンガポールで就職したいグダグダ人材は米欧英系資本のSPass求人を狙うべし。