高校を卒業したくらいから、自分の精神年齢が成長していないように感じる。
自由な校風だったので、普通は大学になって初めて経験するような類のイベントは全部高校時代に済ませてきた。たいてい先生や親に褒められないタイプのヤツだけどね。
そんなんだから、無事に大学に現役合格した当初、学部学科の同級生たちをガキのように感じたものだ。ところが大学も3年生くらいになると、皆いそいそとリクナビなどに登録して、適職診断やSPIテストの勉強を始める。
ここに来て初めて、最初はガキに思えた同級生たちに、いつの間にか精神年齢を追い越されていたことに気付いた。
「大人」になれない
にわかに就職活動が始まるころ、僕は既にゲームプログラマーとして働いていて、大学は日常のおまけ程度の存在になっていた。その他にも色々あって大卒初任給は超えるくらい収入があったので、スーツにネクタイが感覚過敏で苦手だったこともあり、就職活動などする気も起きなかった。
同級生たちは会社のブランド価値に重きを置いて「総合職」みたいな漠然としたポジションに応募しているようだ。そこで何をするのかはあまり興味がないらしい。
いろいろバイトした経験上、僕はデキる職種と苦手な職種があまりにも極端で「御社に入れたらなんでも頑張ります!」みたいな自信がなかった。
しかもテレビと新聞に無縁の生活を送ってきたので、いわゆる有名企業ってヤツを全然知らなかった。その筆頭に上がる「商社」ってやつは「問屋さん」だと思っていたのでダンボール箱を運ぶイメージ。アパレルといえばミシンがズラッと並んでいるイメージ。鉄道会社を受けるのは電車オタクだと思っていた。
世間知らずにも程がある。
なんで自分だけいつまでもガキのままなんでだろう。
周りの同級生たちに比べて自分が幼いと気がついた時から、このままだと遠からず社会から脱落してしまうという恐怖心が芽生えた。日本は大衆から外れると生き辛い。その事は子供のころから骨身に染みていた。
そんなわけで焦った僕は取ってつけたようなリクルートスーツ姿で就職活動を始めた。
幸い、手に職とその実績があったので「御社のこの部署でこのくらいの仕事ができます」と、なんだか転職活動のような面接をこなし、2週間で2社から内定を貰えた。ドイツ貧乏旅が控えていたこともあり、そのうち東証1部の大きな会社で働くことに安易に決めてしまった。
この選択でうつ病になるとも知らずに。。。
僕が発達障害という概念を知るのは、そこからゆうに10年先になる。。。
年下の友達といると楽しい
昨日、僕より8歳以上若い人たちと手作り餃子パーティをやったんだけど、とても楽しかった。
まるで社畜生活とうつ病で棒に振った20代をやり直しているかのようだ。
その間に僕の同級生たちは仕事を頑張って、家族をつくって、僕の手が届かない領域に人生のコマを進めていた。昨日一緒に遊んでくれた人たちも、たぶん遠くない将来、僕を追い越していくんだろう。
最近それがなんだか気楽で良い。
せせらぎに浮かぶ笹船に乗っている気分。
笹舟は石にぶつかったり、枝にひっかかったりするものの、せせらぎに沿ってゆっくりと進んでいく。そこからは、速い水の流れとは違った景色が見える。
どうやら、僕の精神年齢の成長はとてもゆっくりのようだ。だから足早に進んでいく人からは見えない景色を楽しむことができる。
そんな景色を文章にすれば強みになるんじゃなかろうか。
今後もぐーたら兄貴ってな感じで、若い世代に遊んでもらえる存在でいたいな。