僕は偏食家だ。嫌いな食べ物がとても多い。
例えば漬物が全部ダメ。野菜が発酵しているのが気持ち悪い。
日本で弁当など買うと必ず漬物が沿えられている。タクアンとか紫色の謎の気持ち悪いやつね。もう弁当箱のフタを上げた時点でモアっとくる漬物臭。この時点で吐きそうになるし、弁当の全てに漬物臭が移っていて何も食べられない。漬物と一緒に詰められた食べ物は「汚染されている」。
カレーに福神漬け、牛丼に紅生姜など勝手に乗せてくるのは僕に対するテロ行為だ。漬物臭でまるごと全部食べられなくなってしまう。
こんな風に、偏食家は嫌いな食べ物の臭いに異様に敏感だ。
漬物が苦手だと海外でも困ることが多々ある。ドイツではザワークラウトとという酢漬けキャベツが付け合せに必ず出てくるし、キムチに至っては韓国人からの勧めを断ると「韓国を侮辱するのか」などと言われることも。
ところが、長い目で見ると偏食家は海外生活に向いている。意外と思うだろうけど、今日はこの辺の事情を書く。
発達障害は偏食が多い
この記事を書こうと思ったのは、小学校で無理やり給食を食べさせた教師が処分されたニュースがキッカケだった。うわー、こういう虐待教師いたわー。僕にも漬物や生野菜などなど、無理やり食べさせられた記憶がめっちゃある。もしヤツらに道で出会ったら犬のウンコ食わせてやるんだ。
そう思いながら関連情報を漁っていると、発達障害児の偏食について医師が解説しているサイトに行き着いた。
もうね、身に覚えがありすぎて自分の子供の頃の話みたいだった。
久しぶりに涙が出てきた。僕も幼い頃に発達障害と気付いてもらって、それなりの配慮を受けたかった。それで昨日は子供の頃のツラい記憶が次から次へ出てきて、かなり弱ってしまったよ。。。
毎日同じものを食べ続ける
偏食家の僕は「食」に対する期待値が低い。
どんなレストランでもメニュー表をみて、一撃で注文を決められる。それは「美味しそうな料理」じゃなく「食べられる料理」を探しているからだ。
例えばファミレスだとすると、和食っぽいのは漬物が混入する可能性が高い。カレーや丼物も漬物の危険が。。。お酢がダメなのでマヨネーズやらドレッシングに汚染されているサラダ付きは全部だめ。マスタードがダメだからサンドイッチとかバーガーも無理。
そこでハンバーグ・ステーキを単品で注文ということになる。もう、こういう店なら食べられる料理はこれだけ!っていうノウハウがあるから一瞬で注文を決められるのだ。
ホモ・サピエンスの群れから最低限孤立しないために、外食は避けて通れない。みんなと一緒だよという協調性を示すために、僕はモソモソとハンバーグ・ステーキを食べる。
じゃあ1人のご飯はどうするのかというと、出来るだけ外食をしない。どうしても腹が減って外食が必要な時は、同じ店の同じ料理を毎回食べ続ける。
別にその店やその料理が特別好きというわけじゃない。確実に「異物」の混入がない安心感が重要なのだ。
世界のどこでも何か1品食べらればいい
グルメな人は海外で大変そうだ。
いつも美味しいとウワサの店を探索しては「そこまでじゃなかった」などとガッカリしている。シンガポールは外食の単価が高いこともあり、値段相応の味やサービスを求めると、満足できるレストランは本当に限られるという。
まさにその真逆なのが偏食家だ。
特有の「食」に対する期待値の低さは、海外では強みになる。
世界のどこに行っても、ひとつの店のひとつの料理さえ好きになれれば満足、というか安心できる。これはサバイバル能力といってもいい。
メシマズで有名なフィリピンでさえ、現地のタイ料理屋さんで美味しいトム・カー・ガイを見つけてからというもの、どっぷり1ヶ月も沈没できた。
海外生活が長くなると「食べたいものが食べられない」悩みが大きくなる。ところが偏食家はそもそも食べたい料理がすごく限られているので、この悩みも少ないのだ。
シンガポールには瑞春の絶品フォーファンがあるので、僕は無限に楽しむことができる。
素材をシンプルに食べる
そんなADHDの僕が普段の自炊を晒す「発達キッチン」をご紹介。
包丁、まな板、電子レンジだけで作れて、糖質制限対応のお手軽料理だよ!作って食って片付けるまで慣れれば30分に収まるものばかり。気に入った物があったら是非作ってみてね(=^・・^=)!
牛肉とトマトの温サラダ、パクチー添え
ビーフの肉汁とトマトの旨味をニンニクとごま油が包み込む。そしてそこに土足で殴り込みをかけるパクチーの刺激。 控えめに表現して絶品。
スペイン人に怒られそうなアヒージョ風スープ
てんこ盛りのプリプリエビの歯ごたえがたまらなく快感。 ビールが進む痛風になりそうなアヒージョ風スープだよ!
発達障害を強みにする
そんな貧相な食生活のせいで、そのままだとめっちゃ栄養のバランスが偏る。
でも僕は21世紀を生きている。ビタミンやミネラルのサプリを飲めば、全く問題なく栄養のバランスをとれる。毎日の食事はカロリーとタンパク質と繊維質を補給できさえすればいい。
食事とは空腹感を満たす単なる作業。
ここまで割り切れれば、世界のどこでもそれなりに食べられる料理を見つけ出してサバイバルできる自信になる。
給食を無理やり食べさせられたトラウマがたまにフラッシュバックして「うっ…」ってなるけど、偏食を逆に強みにして今後も海外で生き抜いていこうと思う。