僕はじっと静かに座っていなければならない状況がとても嫌いだ。
さらにちゃんと大人しくしているか周りの人たちから監視されている場合、叫びだすほど苛立ちを感じる。実際、頭の中では常に叫んでいるんだけれど、1年に2回くらいダーーー!とか、ぎゃーーー!とかつい声に出ちゃって、何事かと白い目で見られる。
完全にヤバい人だ。
こういう状況は、普通の人が思うよりも日常生活にたくさんある。
例えば床屋で散髪してもらう場合。
僕はファッションに一切興味がないだけでなく、身だしなみにも無頓着だ。どうでもいい。ただシンガポールは暑いので、髪がもじゃもじゃだと尋常じゃなく熱がこもる。
あ、僕は癖っ毛なのです。
あと髪がもじゃもじゃと伸びてくると、頭を洗うのがめんどくさい。使うシャンプーの量も増えるし、なんか損した気分。
そんなわけでやむにやまれず、少なくとも2ヶ月に1度は散髪に行かないとこの国でサバイブできない。
今日はADHDでじっと座っているのが苦手な僕が、散髪みたいな衆人環視のもとじっとしていなければいけない場面でやっている工夫を書く。
ガムは使えない
じっとしていなければならず、貧乏ゆすりさえも許されない。さらに、ギャーとか叫ぶと睨まれる地獄。
そう、床屋だ。
よくある解決策として「ガムを噛む」というのがある。
ところがシンガポールでチューインガムは違法なんだなコレが。ガムが違法ってやばいよね。こういう法律作るから明るい北朝鮮とか言われちゃうんだ。
ちなみにシンガポールでガムが違法なのは、MRTと呼ばれる地下鉄システムが運行開始した30年前に、ドアの隙間にチューインガムを放り込んで故障させて遊ぶのが流行ったらしい。当時のシンガポール人の民度がヤバい。
そして血税を投入してせっかく外国から導入した公共交通機関をぶっ壊されて、国父リークアンユー首相は激おこ。彼の鶴の一声によりチューインガムが違法になったと言うわけ。いろいろヤバい。
まぁ、チューインガムが違法の国なんて、世界広しといえどシンガポールぐらいだろう。
でも簡単にチューインガムが手に入るとしても、常日頃クチャクチャと人の前でガムを噛んでいるのはあまり喜ばしいマナーでは無い。まして人との距離が近い床屋さんでくちゃくちゃしているのはかなり印象が良くない。
刃物を使う床屋で印象が良くないのはまずい。耳を削ぎ落とされるかもしれないし、スイカみたいな剃り込みを入れられるかもしれない。
なので社会性を考えると、チューインガムは多動抑えるソリューションにはなり得ない。
疲れ果ててから床屋へGO
そんなわけで僕がやっている工夫は、完膚なきまでに疲れ果ててから床屋に行くと言う単純なものだ。もう動けないほど肉体的に疲れていると、たとえ床屋といえど座れるだけありがたいと言う感覚になる。
僕がやっているお手軽に完膚無きまでに疲れられる方法は次の3つ。
ダンベルブンブン
適度に重めのダンベルを両手に持って、ストレスが赴くままにブンブン振り回す。周りに死んだら困る人がいないことをよく確認してから実行することが大切。これで上半身の筋肉がプルプルするほど疲労する。
腹筋ローラー
日本でも流行ってドンキホーテで投げ売りされている腹筋ローラー。
これがすごい。最初は膝立ちしてコロコロしているわけだけど、1年以上続けたら膝立ちでは物足りなくなって、普通に立って前にスライドできるようになった。こんなふうに成長感じられるのも良い。
あと腹筋は体幹を構成する大切な筋肉なので、腹筋がつくと、他の強度の強いエクササイズに手を出せるようになって楽しい。
スクワット
テニスを始めてスクワットをするようになった。テニスで1番大切なのはボールの飛んでくる方向見極めて、打ち返しやすい場所にあらかじめ移動しておくことだ。
でももう三十路過ぎなので脚力が衰えすぎて、走るのがダルいので代わりに何とか腕を伸ばして玉を拾おうとしてしまう。筋肉のなさが上達を妨げていたのだ。
スクワットをしてからコートをそこまで疲れることなく走り回れるようになって、それまでだったら諦めていたような玉まで拾えるようになった。
なおスクワットは膝を痛めやすいので正しいフォームを守る必要がある。具体的には膝がつま先より前に出てはいけない。詳しくはYouTubeなのにプロの解説があるので参考にされたし。
そんなわけで
ここに挙げたような筋トレメニューをババっとこなしてから床屋に行くと、びっくりするぐらい落ち着いて最後まで散髪を受けることができる。
むしろ座らせていただいてありがとうございますって感じ。
ADHDの多動はエネルギーを使って動いている。だからあらかじめ筋トレになってエネルギーを枯渇させておけば、それ以上動くことが難しくなる。
しかも筋トレならば、有意義なエネルギーの使い方だ。筋肉がついたり体力がついて、体感できるレベルの成果が出るのも良い。
多動によってじっと座ってられないなら、直前に運動して疲れ果てておく工夫はいかがでしょうか。