シンガポールで就職活動するダラリーマンが渡航前に知っておくべきお役立ちノウハウ

もはや6年前、僕はウツで日本の会社を辞めて世界を放浪していた。そしたらシンガポール人のホステルオーナーと仲良くなって、ビジネスに誘ってもらったんだ。

とはいえビザのスポンサーはできないというので、今時レアなワーホリビザを自力で取得し、彼女のホステルでアルバイトを始めたのが、僕がシンガポールに定住したキッカケ。

でもそのワーホリビザは有効期間が6ヶ月しかなく、その後はもうシンガポールで働くことができない。悩んだ末、成長著しいインドに挑戦したんだけど、お腹が耐えられなかったのに加えてインド人気質が嫌いすぎた。

そこで僅か1ヶ月で牛糞ワンダーランドに別れを告げ、清潔なシンガポールに舞い戻ってきた。でも物価の高いこの国で、仕事をせずにサバイバルすることはできない。

仕方ない。止むに止まれぬ真面目に就職活動を始めたのが5年前。

ここまで書いてて、我ながら人生行き当たりばったりすぎるな(=^・・^;=)

でもまぁその結果、無事に内定と就労ビザを取得して、今はシリコンバレー発のIT企業でエンジニアとして働いているんだけど、最近また転職など考え始めた。

そこで今日は、いろいろ調べた最新事情と自分の海外就活体験を元に、これからシンガポールで働きたいなら知っておいて損はない情報を僕が知る限り全部まとめる。

いつものお約束条項

まずはじめに、いつものお約束条項をば。

この手のトピックには老害が湧く。未来ある若い人達に、出来る限りの情報を出すのが目的なので、老害のコメントは不要。その旨是非よろしく。

まったり働きたいダラリーマン向け

この記事ならびにこのブログは、ゆったり生きたいダラリーマン向け。ガッツリ稼いで成功を目指すキャリア志向の方々は読者として想定していない。

海外就職というとまだまだオハイソ(死語)なキラキラワードのようだけど、ダラリーマンにも海外で働くメリットはある。星付きホテルのルーフトップバーよりも、ヤシの木陰で缶ビールが落ち着くような人は、是非最後までお付き合いください。

日本企業はダメ、ゼッタイ

海外に進出している日本企業、日系企業で働きたい人も読者として想定していない。

昨今、日本企業に就職して命を落とす人が後を絶たない。僕もかけがいのない友人を日本企業に殺された。まさに日本企業はわが祖国の汚点。世界中で悪名高き「KAROSHI」を根絶するためにも、日本企業で働いちゃダメ、ゼッタイ。

さらに、シンガポールに進出している日本企業に関しては、不穏なウワサが耐えない。ある日系企業は、シンガポール政府が外国人労働者に定めた最低給与をごまかすため、組織ぐるみで給料を高めに出し、キックバックさせているというのだ。

完全なる違法行為。もし発覚した場合は労働者も処罰の対象になり、収監された場合はパスポートに傷がつき様々な国で入国拒否されるリスクを追う。

もう一度言う。日本企業で働いちゃダメ、ゼッタイ。

渡航前にできること

さて、前置きが長くなりましたが、海外就活で実際に現地に赴く前に、日本で出来ることがたくさんある。この作業を海外に行ってから始めると、純粋に時間と滞在費がモッタイナイ。

日本でできることは日本で済ませておくと良い。

英会話

海外で働くなら、国を問わず英語が出来ないと厳しい。逆に現地語はさして重要でない。

僕の周りには中国語が流暢なのにシンガポールで内定が出なかった人、韓国語が流暢なのに韓国で内定が出なかった人がいる。

2人とも専門スキルがある人なので、ネックは英語力だったようだ。

日本人の求人を出しているのは大抵大きな国際企業なので、いろんな国籍の人が一緒に働いている。

だから社内公用語は英語。現地語が話せればローカルとより深く意思疎通できるけど、外国人の上司や同僚とのコミュニケーションに難があるのでは困る。

英語力の強化には単語帳と高校の文法の参考書を使って座学するのと、Skype英会話がお勧め。詳細な英語マスター法については別の記事にまとめてあるよ(=^・・^=)!

うつ病社畜がSkype英会話を使って6ヶ月・3万円で英語を身につけた方法

英文履歴書とネイティブチェック

CV(シーヴィー)やResume(レジュメ)と呼ばれる英文履歴書。

日本企業は未だに効率の悪い手書き履歴書を強制している。そんな有害な日本企業に近づいてはいけない。冗談抜きに、そういう不効率に起因する長時間労働で殺される。

シンガポールをはじめ殆どの国では逆で、読みやすいフォーマットにそって書かれたワープロ書きじゃないと書類で落とされる。

ワープロって死語か。。。

日本で就活したことがある日本人に、この英文履歴書のフォーマットは厄介だ。文房具屋で売っている予め枠が印刷された履歴書に、ちんたら手書きしていた悪習が祟る。

そもそもこっちの文房具屋にいっても定形の履歴書は売ってない。自分でWordの「新規作成」から書き始めるわけだけど、実は細かく体裁や言い回しが決まっている。

例えば、日常会話につかう普通の動詞の代わりに、Action Verb(活動動詞)と呼ばれる「熱意が伝わる言葉」を使う必要がある。他にも言い回しや構成やフォントに細かいルールがあるので、ネットで検索して良さげなフォーマットをパクってくるのがお勧め。たくさんあるよ。

あと、Microsoft Wordで書くのが良い。これは人に査読してもらったり、人材紹介会社に提出する時に、WordやPDF形式を指定されることが多いからだ。WordからPDFは簡単に書き出せる。

さらに、意味が通じる英語と、信頼される英語は別物。ここはネイティブ話者のチカラを借りるのが賢明。

FacebookやInstagramで1人くらい外国人のお友達がいるでしょう。そういう人に頼み込んで、完成した英文履歴書を添削してもらおう。できれば学生じゃなく、ちゃんとした会社にお勤めの方が良い。

これをネイティブ・チェックという。

東南アジア諸国にも、英語が苦手な日本人からすればペラペラに見える人もいる。でも、実は結構彼らの英語力にはばらつきがあるので、僕の意見としては米英加豪の英語ネイティブに頼むのが良いと思う。残念ながらこの世は白人英語圏の英語で廻っている。

これで狙っている業界向けの英文履歴書の青写真は書ける。でも実際に応募する企業によって英文履歴書をそれぞれ微調整する必要があるので、その度にしつこくネイティブチェックに付き合ってくれるお友達を見つけておくと安心だ。

魅力的な求人票を見て、その企業に合わせて履歴書を最適化する方法については、あまりに濃すぎるので別の記事にまとめる。

その他にも英文業務経歴書、日本人指定の求人に応募するなら日本語の履歴書も必要になる。

これらもネットで検索すれば雛型や書き方が詳しく書いてるサイトが見つかるだろう。僕の場合、和文履歴書はResumeを単純に日本語にしただけの書類を用意したけど、日本謹製の文房具屋履歴書フォーマットをスキャンしたものを全く別に用意している人もいた。

外資企業であっても日本人部署に応募する場合、実は採用担当者は面倒くさいので和文履歴書しかちゃんと読んでなかったりする。だから日本マーケット関連の求人を狙う場合は、英文履歴書と同じくらい情熱をもって作り込もう。

リファレンス・レター

これ。

このリファレンス・レターが用意できないことによって、海外就活で苦労する日本人がたくさんいる。

いわゆる紹介状ってやつ。

前職の上司や先輩社員に頼んで、自分の働きぶりを評価する文書にサインしてもらうんだけど、実はサインだけじゃなくてメアドと電話番号を記載しなければいけない。

そして実際に電話がかかる(=^・・^=)!

このリファレンスレターは採用の最終チェックに使われる。書類選考と度重なる面接を突破して「よし、雇おうか」となった時に、身辺調査として前職の人間に、面接で喋ったことに嘘がないか確認を取るのだ。

ヤバいでしょう。

海外の面接では盛りに盛って話せばいいと思っている無知な人が青くなる瞬間だ。

この確認は英語の電話で行われる。メールなら自分でこっそり返信するとかチートも思いつくけど、電話だと雰囲気が伝わるからそうはいかない。

ところで、日本企業の管理職に、英語で人事の話ができる人がどれだけいるだろう。しかも、辞めた社員の転職の世話にこれを引き受けてくれる人なんて、日本企業には殆どいないんじゃないか。

嗚呼、日本企業は辞めた後も人生を不幸にしてくる。最悪だ。ダメ、ゼッタイ!

幸いなことに僕にはバイトしていたホステルのオーナーがいたからよかった。めっちゃ盛りに盛って良いことを申告してくれたようだ。

自分の業種に強いエージェントを見つける

いよいよ、日本国内で出来ることも終盤になってきた。

シンガポールで職探しをするなら人材紹介エージェントを利用するのが一般的だ。人を雇いたい企業はエージェントに求人を出す。するとエージェントは企業に代わって必要な人を探してくれるわけだ。

ありがたいことに、エージェントに払う紹介手数料は企業側が払ってくれる。だから求職者側には一切お金を請求されない。デメリットがないので、現地にコネがないなら何社かエージェントに登録しておこう。

それには少なくとも次の書類が必要だ。

英文履歴書、英文業務経歴書、リファレンス・レター、日本人指定の求人に応募するなら和文履歴書。その他にも、パスポート、最終学歴の卒業証明書・成績証明書、持ってる資格の合格証明、これらの書類を全部スキャンしてjpegかpngかPDFで用意しておこう。

卒業した学校の学務に問い合わせると、英文で卒業証明書・成績証明書を発行してくれるはずだ。たまにうっかり日本語で書類を用意しちゃって、渡航してから詰む人がいる。要注意だ。

ちなみに英米欧企業の求人を探すにしても、やっぱり日本人指定の求人は日系のエージェントに集まってくる。だから日系のエージェントにも1社は登録しておくといい。

アジア太平洋地域のビジネスハブであるシンガポールには、様々な国のエージェントがたくさんある。入りたい会社や希望の職種に強いエージェントを探そう。

エージェントに面談の約束を取る

エージェントだって慈善活動じゃない。企業からお金を取って人を紹介している以上、変な人を紹介することは出来ない。

だから登録するときに書類だけじゃなく、面接が必要なエージェントが多い。

エージェントの面接でよく聞かれることは、今までの職歴やこれから希望する職種、なんでシンガポールで働きたいのか、みたいなオーソドックスなやつだ。これらの質問はほぼ必ず聞かれるので、英語でスラスラ言える様にしておくと安心だ。

日系のエージェントでは普通に日本人が日本語で対応してくれてビックリした。それでもなんらかの形で英語力はチェックされると思った方がいい。

この面接はあらかじめアポを取る必要があるんだけど、これは日本から渡航した翌日とか、あまり日程が無駄にならないように設定しよう。シンガポールはただ生きてるだけでお金がかかるので。。。

現地でのノウハウ編に続くっ!

ここまでが渡航前に日本で出来る準備。

兎にも角にも、英語力と履歴書のデキが一番大切。書類が通らないとシンガポールに飛んでも何も始まらない。だからネイティブ・チェックも含め、日本にいるうちに入念に作り込む必要がある。

逆にちゃんと時間をかけて上手に自分をアピールできる履歴書ができれば、現地で確実に手答えを感じる。

僕はシンガポールで再就職しようと決意した時にニートだったから好きなだけ時間が使えた。だけど大学の学務とか昼間しかやってないし、働きながらだと書類を用意するのは正直結構大変だと思う。

英語の勉強と並行して、計画的に少しずつ書類を集めていこう。

それでは今日はここまで。続きは「現地でのノウハウ編」をご覧ください!

シンガポールで就職活動するダラリーマンが現地で知っておくべきお役立ちノウハウ