目出度く9連休をゲットした僕は、昨日からタイのバンコクでバケーション中(=^ェ^=)
とは言え、僕は予定を決めて時間を気にしながら行動するのが嫌いだ。休みの日くらい、時間を気にせず適当な時間に起きて、行き当たりバッタリいい加減なことをしたい。
今日は実際に1日気の向くままバンコクを彷徨い歩いた。読者の皆様にもこの気楽な自由をお裾分けすべく、長文になっちゃったけど一風変わったバンコク旅行記にしてみた。
どうか最後までお付き合い頂ければ幸いです。
社会から降りている時間
シンガポールとタイの間には1時間の時差がある。自然と少し早めに起きた。
バンコクには朝だけ営業している屋台が路上にたくさんある。ホテルの最寄駅へテクテク歩いていたらちょうど目についたので、なにやら洒落乙屋台でカプチーノのを注文してみた。
よく見ると、この「朝だけドリンクスタンド」は美容室の副業だった。面白い。
程なく出てきたカプチーノは糖質制限が聞いて笑うくらい甘いけど、やっぱりバンコクで飲むなら甘いコーヒーじゃないと様にならない気がする。しかも、たった150円なのにちゃんと泡だてたミルクが乗っかって何気に本格的。さらに結露してビショビショになることを見越して、紙ナプキンで包んだ状態で渡される。
こういう心遣いが朝から嬉しい。
プミポン前国王の火葬の儀を来週に控え、バンコクの街は黒い服に身を包んだ人達が多い。そこはタイなので普通の格好の人もたくさんいるのだけど、通勤時間帯にこうして歩いていると、ホワイトカラーのサラリーマン稼業の人の方ほど、しっかりお通夜仕様のファッションをしている。ちょっと社会的圧力を感じるよね。
さて、屋台の激甘コーヒーも美味しかったけど、やっぱ朝はブラック珈琲でシャッキリしたい。そこで目についたスタバに吸い込まれた。
Tallサイズのドリップ珈琲が350円くらい。やっぱスタバは全世界共通価格なのか。メニューは英語で書かれていた。タイ語はほとんどそのままアルファベットに置き換えられるから、メニューをタイ語で書くことも可能だと思うんだけど、英語がそれなりに通じる国際都市バンコクでは英語の方が洒落乙なのかもしれない。
窓ガラスがハマっていないオンボロ路線バスで、月曜日のオフィスへ気だるく人々が運ばれていく。それを眺めながらテラス席でゆったりと珈琲を飲む。
その瞬間、ふと今の自分が「社会から降りている」感じがして、胸がスッと軽くなった。
バンコクの通勤電車、BTSスクンビット線
よし。カフェインがキマってきたし、今日のお散歩を開始しよう。
スカイトレインと呼ばれる高架の電車に乗って、新市街の中心、チットロム駅に行く。スカイトレインとこBTSは、シンガポールのMRTと同じ第三軌条方式を採用している。パンタグラフはなく、線路脇に設置されている第三のレールから電力を取って走る。
車内には広告用のディスプレイが設置され、前国王を偲ぶプログラムが放送されていた。このBTSのディスプレイ、なんと音声アリだ。ディスプレイの両脇にご丁寧にステレオでスピーカが埋め込まれている。
僕みたく発達障害の聴覚過敏持ちだとこの電車はツラい。
幸いなことに、日本と同じくバンコクでも車内で喋るのはマナー違反らしい。だから基本的にガヤガヤはしていないんだけど、広告音声と次に駅のアナウンスがごっちゃになってキツい。だからカスタムIMEで音声を完全シャットアウトして、なんとかチットロム駅に到着。15分くらい。
ここから今日のお散歩の始まり始まり。
駅からスクンビット通りの高架下を西へズンズン進む。なんだか東京郊外の外環自動車道の高架下に雰囲気が似ている。
スクンビット通りはタイの国道1号線といった感じで、首都バンコクを横断し、歓楽街とビーチで有名なチョンブリ県パタヤまで、延々と続く。
Central worldというデカいショッピングモールが前方に見えたら、路を渡らずに右に曲がって、バンコクの中心部を北上する。
10分くらい歩くと橋に差し掛かる。左手には見慣れたISETANデパート。
この橋の袂からここからボートバスに乗り、運河Bangkok canalを下ってバックパッカーの聖地、カオサンロードを目指そう。
バンコクの裏街道Bangkok canalのボートバス
橋の袂から薄暗く急峻な、ちょっと怪しい階段を降りていく。すると、バンコクの裏街道である運河Bangkok canalのボートバス乗り場がある。これがちょっと分かりにくいんだけど、まぁなんとかなる。バンコクだもの。
バンコクの街は、新市街と旧市街にくっきり分かれている。新市街にはBTSのような電車が巡っているので移動が楽なんだけど、カオサンロードや王宮がある旧市街には電車がなく、基本バスや船での移動になる。
まぁ初乗り100円のタクシーに乗ればどこでも行けるんだけどね。でも僕はタクシーの全てが嫌いなんで、出来るだけタクシー移動は避ける。
運河のボートバスはもっと市民の足だと思ってたんだけど、実際はかなり観光化しちゃってた。ISETANに近い乗り場から、終点であるカオサンロードまで片道約350円。往復券や乗り降り自由のフリーパスを勧められたけど、タイ人を見習ってやんわり断った。バンコクに来るたびに、タイ人っぽい柔らかさを見習って、もっと上手に生きたいと思う。
ちょうど空っぽでやって来たボートの乗客は、結局僕だけだった。運転手のオッチャンと、車掌のオバちゃん。オバちゃんはこの後デートでもあるのかってくらい、乗船中ずっとメイクに精を出していた。揺れる船内で上手くツケマがキマらないらしく、僕までまどろっこしくなったほどだ。
全長10mほどのボートは、午前中のまだ柔らかい日差しの下をゆっくり進む。対向のボートには結構イキってぶっ飛ばしてるのもいたけど、僕専属の運ちゃんはマイペースな人らしく、ピンク色の飲み物を片手にかったるそうに舵をとる。
運河はまるで大都市バンコクの裏街道だ。
両側は昔ながらの住宅地で、バンコクの旧市街に住む人々の暮らしが営まれている。でもそれは壁越しで、運河からは見えない。クラクションや、トゥクトゥクがエンジンを吹かす喧騒は聞こえるのに、その姿を運河から垣間見ることは出来ない。
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まるで透明な薄膜1枚隔てて、この世と隔絶された並行世界に紛れ込んでしまったかのようだ。
運河にかかる橋を行くバイクタクシー、水際で遊ぶ子供達、足早なオレンジ色の僧侶、運河の枝分かれで一瞬見える街並み。それだけがかろうじて異世界に許された現世との接点。
それらを通り過ぎると、また薄膜が降りて運河は現世と隔離される。
柔らかい日差しの下をゆっくり進むボートで、僕は束の間の非日常を満喫した。
30分くらいで終点のカオサンロードに近いボート駅に到着。あっという間だった。ボケーっとしてたので終点に気付かず、ツケマがついにキマったらしいオバちゃんに急かされて下船。
ここから西に10分くらい歩くとバックパッカーの聖地、カオサンロードに出られる。
カオサンロード
バックパッカーの聖地と呼ばれるバンコク・カオサンロード。ここに来るのは5年ぶりだ。
登竜門と呼ばれるインドに2回も行ったし、僕もまぁそれなりなバックパッカーなはずだ。でもこのナイトクラブみたいな通りに愛着を覚えたことは一度もない。だから夜は誘われない限りカオサンには近づかない。
でも今はまだ午前中。まるで早朝の歌舞伎町のような、喧騒が過ぎ去った気だるい空気に包まれていた。この辺りで一休みしたいのだけど。
そういう時は、カオサンから北に1本入ったランバットリ横丁という細い通りが丁度いい。ここは夜の街っていう印象以外に、キチンと昼の顔も持っている。午前中からゆっくりとビールを飲んで、トランプなんかで遊んでるマイペースな白人が多いエリアだ。
僕も便乗してシンハビールを注文。すっかり長居した。
この記事をここまで書き上げると、いつの間にか太陽は南中してお昼の時間。赤道直下のシンガポールだと、この時間太陽は真上にあり影は出来ない。タイはちゃんと北半球の国なんだと1人納得。
そう言えばお腹が空いた。
これからチャオプラヤ川まで西に歩く予定なんだけど、その前に腹ごしらえが必要だ。
肩が凝ったのでマッサージに誘ってくるおネエちゃんの誘惑に負けそうになるけど、観光地のマッサージは技術的に微妙なことが多く、値段も高い。しかもここはカオサンだし「スペシャルサービス」を執拗に勧められるかもしれない。めんどくさい。
そんな感じで適当な牛肉麺屋を発見。ここらでブランチとしよう。
メニューの最初にあった牛肉スープ麺350円を注文。普通に美味い。すると、お向かいのテーブルにクソ旨そうなタイ風サラダ350円が運ばれてきた。ミディアム・レアの厚切りの牛肉にレタス・パクチー・トマトが盛られ、ライムジュースと青唐辛子の激辛ソースがぶっかかったやつだ。思わず同じ物を注文。
予想通りの激辛w これぞタイの洗礼。
調子に乗ってまたビールも頼んじゃって、また思いのほか長居した。そそくさとチャオプラヤー川のボート乗り場を目指す。
この道順がクソ分かりにくいんだけど、空間を捻じ曲げたんじゃないかってくらい細いお土産屋ばかりの商店街を抜けると、突如としてチャオプラヤの茶色い水面に出る。
とにかく北西に路地をわけ進めばいいんだけど、方向音痴な人ちょっと無理かもしれないレベル。
実際僕もうっかり迷って、ネコさんのくつろぐ素敵な裏路地に迷い込んだ。
さて、さっきのバンコク運河とうって変わって、チャオプラヤ川は雄大だ。
過去何万年にも渡って大地を削り、バンコクの広大な平野を作った悠久の流れ。そんなロマンチックな思いに耽る暇もなく、すぐにボートが来た。舟の種類のよって旗の色が違い、値段も違うらしいけど、まぁ所詮何十円かの違い。とりあえず来たボートに何も考えず飛び乗った。
チャオプラヤ川のボートバス
Phra Arthitから乗船。船賃は距離に関わらず180円くらい。
飛行機から見下ろすとバンコクは本当に真っ平らな街だ。坂らしい坂がない。それでもなぜかチャオプラヤ川の流れは速く、前日が豪雨だっただけに浮き草の塊が茶色い水面に多数漂っていた。
このボートは、ワットポーや寝ブッダみたいな、お決まり観光コンテンツだ。だから地元の人はまずおらず、タイ語が聞こえてもそれは地方から来た家族連れだったりする。国慶節が終わったばかりだから中国語はほとんど聞こえず、もっぱら白人が多かった。
シンガポール海峡ほどじゃないけど、チャオプラヤ川もかなり舟の往来が激しい。とくにトラックから拝借したような剥き出しのディーゼルエンジンを積んだ小舟がチョロチョロしている。それがなぜか雄大な寺院といい感じにマッチして、タイに来たんだなと思わせる。
タイは明るい北朝鮮もビックリなほど、国王陛下の肖像が街の至る所に掲揚されている。ちょうど君臨して1年になるワチラロンコン陛下も、立派にビルの一面に戴かれていた。タイの恒久的な平和と発展のために頑張って欲しい。
さて、ボケっとそんなことを考えてたら、あっという間にBTS線サパン・タクシン駅に接続しているSathorn centralに着いちゃった。このボートはここが執着。
下船すると、ちょうど桟橋の袂にめっちゃ苦戦してる釣りのおっちゃんがいた。釣りキチ三平ばりの格闘劇に、下船した人たちは呆気にとられて釣り糸の先に注目。物凄い水しぶきを上げて、特大のナマズが釣れた。思わず拍手が上がる。思いがけぬ一体感笑
チャオプラヤ川ヤバい。おっちゃん、ヤッタネ!
タイマッサージで〆よう
そんなわけでBTSスカイトレインに乗り換えて、新市街のSiam駅までワープ。
ここにはLINEのグッズショップがあるのだ。
タイは東南アジアで唯一、メッセージアプリとしてLINEが幅を利かせている国だ。まぁ言うて他には台湾くらいしかないんだけどね。いくらデータが抜かれて政府の監視下にあるとは言え、クソ使いにくいWhatsAppよりはマシだ。
今日はめっちゃ活動してもはや脚が棒のよう。ブログも書いたし肩も凝った。
バンコクではこういう繁華街の裏路地を入ったところにあるマッサージ屋にアタリが多い。地元のバンコク市民が通うような店だ。
それで適当にぶら歩きしていると、ちょうどいい感じのタイ人マダムがマッサージ店に吸い込まれていった。よし、今日はこの店にしよう。地元の女性に支持されているということは、もちろん性的サービスとは無縁で、技術も確かってことだ。
この目論見は大当たり。担当してくれた女性マッサージ師は、長年名門ワット・ポーで修行をした大ベテランだった。僕のバキバキに凝った腰と肩とかなり真剣に格闘してくれて、2時間コースのところ30分も何も言わずに延長してくれた。
施術後の身体の軽いこと!プロの仕事とはこういうことだ。タイはチップ文化じゃないけど、気持ちよくお礼を渡した。
実際はこの後アソックに移動して、舶来品のクラフト・ビールを楽しみ、本当の〆は日式ラーメンだったんだけど、濃すぎてあまりに長くなるので今日のバンコク水上お散歩レポはここまでっ!
最後までお付き合い頂きありがとうございました(=^ェ^=)