聴覚過敏な僕の音楽デバイスとイヤホン遍歴(Bluetoothヘッドホン・カスタムIEM編)

発達障害の脳は雑音と必要な音を取捨選択してくれず、ザワザワしたところで無駄に疲れる。これを聴覚過敏というだけど、別に耳が良いわけじゃないんだ。

ADHDに多い聴覚過敏と視覚過敏について

だから僕がイヤホンにこだわるのは、音質というよりは遮音性のため。遮音性の高いイヤホンを装着して静かに波の音でも流せば、電車や人混みでも疲れずにサバイバルできる。

僕にとってのイヤホンは、普通に日常生活を営むための必須アイテムだ。

前回の記事では僕のイヤホン遍歴を幼少期から発達障害を自覚するところまで語った。

聴覚過敏な僕の音楽デバイスとイヤホン遍歴(有線編)

今日はその完結編。

20年間100万円以上つぎ込んだイヤホン探しの旅で、ついに見つけた大満足の最終形態もご紹介するよっ(=^・・^=) ※長文になったため詳細は別記事に先送りしました…

Parrot Zik 初代

時は流れて僕は鬱を克服し、めでたくシンガポールで社会復帰を果たした。とはいえ最初の仕事はシンガポール人友人経営するホステルの管理人。時給は当時のレートで400円だった。

シンガポールの法律には最低賃金が定められていない。住み込みだったので家賃はかからないものの、さすがに時給400円でオーディオ道楽はできない。それに静かにビール飲みながらできる仕事だったので、とくにイヤホンの必要性も感じなかった。

その後、紆余曲折を経てシンガポールで正社員に返り咲くことができた。給料もこれでやっと日本で社畜やっていた時の水準に戻った。

ある程度お金に余裕が出てくると、僕のイヤホン欲も復活した。

電車通勤が必要になったこともあり、シンガポールで最初に手に入れたのがParrot Zikの初代。※下の画像はVer.3

当時なぜかシンガポールではヘッドホンが流行っていて、電車などにのっているとカッコいいデザインのモデルをたくさん目にした。そこで僕も流行りの乗ってみようとおもったのだ。

Parrot ZikはBluetooth接続のノイズキャンセリング機能付きヘッドホンだ。まずデザインがカッコイイのと、iPhone 4Sとペアリングしてアプリからイコライザーをいじくれるのが楽しかった。

ノイズキャンセリングを有効にした場合の遮音性は、ヘッドホンとしてはまずまず。ただサーーーっていうノイズキャンセリング特有の雑音がするので、無音状態で耳栓代わりに使うにはイマイチだった。

あと、赤道直下のシンガポールでオーバーヘッド型のヘッドホンは暑すぎる。事実、汗を吸ってクッション材の表皮がボロボロになってしまった。

とはいえ、僕はデザイン含め結構気に入っていて、2年弱使い込んだ。

Parrot Zik 2

そんな時、Parrot Zik 2が出たので即買い。

ただし、シンガポールでは青と黒の2色しか流通しておらず、取り寄せもできないとのこと。しょうがないので日本から欲しかったビビットなオレンジ色のモデルを個人輸入した。

シンガポールはなんちゃって先進国扱いなので、この手のガジェットは基本的に遅滞なく手に入る。堂々たるiPhoneの1次発売国だしね。ところが実はカラバリが少なかったり、ラインナップがごっそり削られてたり、地味な制限が存在することが多い。この辺が人口が少ない都市国家の限界なのかもしれない。

ところが苦労して手に入れたこのParrot Zik 2は、ファームウェアの不具合に当って僅か2ヶ月で壊れた。

Parrot Zik 2にはBluetooth機能を制限してノイズキャンセリング機能だけ有効にする機内モードというのがあった。要は節電モードだ。主に無音状態で耳栓として使っていた僕にはうってつけ。

ヘビーに使っていたのだけど、ある日突然機内モードから復帰出来なくなった。調べるとファームウェアの不具合らしい。しかも日本から個人輸入している関係で、返品交換するにもおカネと時間がかかる。音楽聴けないんじゃタダの暑苦しいイヤーマフじゃんか。。。

Parrot社のサポートもゴミで、愛想が尽きた。Parrot社の製品は二度と買わない。

カスタムIEMの沼にハマる

暑苦しいヘッドホンにウンザリした僕は、カスタムIEMという深い沼に手を出した。

IEMはイン・イヤー・モニターの略で、もともとはミュージシャンがライブで使うモニターだった。モニターっていうのは、まわりの楽器に流されないように、自分の音をリアルタイムで確認するやつ。ライブ映像でボーカルが片耳だけイヤホンしているのを見たことがあるでしょう。アレ。

つまりオーダーメイドだけあって遮音性は最高。ミュージシャン仕様なので当然音質も最高。その結果、値段10万超え。。。

IEMはまさに、イヤホンオタクが最期に辿り着く深い沼だ。

シンガポールブランドAAW

シンガポールドルで給料をもらっているので、海外から高い買い物をするときは為替レートと両替手数料が悩ましい。それで調べていたらなんとMade in SingaporeのカスタムIEMがあるらしい(=^・・^=)!

AAWというそのブランド、シンガポールの六本木的な、クラーキーの一等地にショールームを構えていた。※現在閉鎖、後述

札束握りしめさっそく突撃。

カスタムIEMは一人一人耳型をとり完全に耳にフィットするようにオーダーメイドしてくれる。これが遮音性の秘密だ。その模様は下記の記事にまとめたのでご参照あれ。


さて、問題の出来栄えなのだが、難アリだった。

音質もいいし、作りもしっかりしていて悪くない。問題はMMCXのコネクタである。

カスタムIEMはケーブルを簡単に交換できる。コネクタにはMMCXと2PINという二種類あるのだけど、MMCXの方が最近は主流になっている。

なので漏れなく僕もMMCXでオーダーしたのだが、これが緩くて付属のケーブルでさえちゃんとくっつかない。早速文句を言ったんだけど「仕様です」の一点張り。

この時点でザ・シンガポールの対応。

しょうがないので1年くらい使っていたんだけど、突然ポロリとケーブルが外れるので何度も地面に落っことし、ついに外装が割れてしまった。

これにはブチキレて電話で苦情をまくしたて、無料で最初から作り直させた。無理やり押せば押し通せちゃうところもシンガポール。。。

ただし、作り直させても品質は変わらず、受け取ったその場でポロリとケーブルが外れた。

挙句の果てには「あなたの耳の形が特殊」などと言い出す始末。

AAWもうダメ。シンガポールのダメなところを結集したようなAAWはクソ。AAWは二度と買わない。

これは僕が運悪くババを引いたわけじゃなく、全体的に技術レベルが低すぎたのだろう。この間AAWは順調に凋落し、クラーキーのブティックショップも閉鎖になった。現在(2017)AAWはシンガポール島の西の外れの倉庫街でひっそりと営業している。

Westone ES50

とはいえ、音質と遮音性に関してはAAWも最高だった。

人間たるもの一度味わってしまった良い体験をそうそう忘れられるものではない。

すでに僕はカスタムIEM沼にどっぷりと沈み込んでしまった。

そんな折、Westoneというアメリカの会社からカスタムIEMをBluetooth化するケーブルが発売された。これにリケーブルすればMMCXに対応しているカスタムIEMを、すべて無線化できるという(=^・・^=)!

でもAAWで8万円をドブに捨てた直後だ。MMCXのリケーブルについては恐怖心がある。

そこで、いっそのことカスタムIEMもWestoneで作り直すことにした。本体もケーブルもWestone製なら、絶対に上手く接続出来るはず。消費者が強いアメリカの会社だ。そこら辺の対応はちゃんとしていると信じるに足る。

しかもWestoneの代理店はシンガポールのオーチャードにあるという。シンガポール国内で耳型を採取して、米国で手作りしてくれるならラクだし安心だ。

そんなわけでバランスド・アーマチュア5機搭載のWestone ES50というモデルを奮発して購入した。お値段10万円程度。日本だと代理店がぼってるらしく、あと数万円高くなる。

この模様はあまりにも濃いので別の記事にまとめることにする。

Westone ES50 + Bluetooth化 + Apple Watch

そして、ついに。

ここに僕の最強オーディオ環境が完成した。

現在はWestone ES50を、同じくWestone MMCX Bluetooth Cableでリケーブルし、Apple Watch 2とペアリングして使っている。

お値段総額20万円超。。。。

ではあるが!半年以上この構成で使っていてほぼ不満がない。そしてまだ一度も壊していない。これこそ日々の雑音から聴覚過敏持ちを守り、なおかつADHDが雑に扱っても壊れずに耐える、最強のポータブルオーディオ環境と確信している。

あ、実を言うとスケボー乗ってる時に引っ掛けてヒヤッとしたので、刺繍糸を巻きつけてケーブルの補強を行っている。あとBluetooth 4の仕様により、音量調節に一点の文句がある。

だめだ、これも語るとあまりにも長くなる。もう4000字に到達してしまうので、これについても別記事で語ることにする。

オーディオ沼は広大だわ。。。