便座フェチなんでトイレに便座がある国が好き

シンガポールから路線バスで行けるお隣の国、マレーシア。残念ながらマレーシアで徒歩移動は危険だ。確かに治安も微妙なんだけど、それ以上に危ない落とし穴がある。

比喩ではなく、ガチの落とし穴。

道を歩いていると突然深い穴ぽこが空いていて、夜に酔っ払ってフラフラ歩いていると、冗談抜きに落っこちる。まんまマリオみたいに。

ある日ホステルで知り合ったドバイ人の男と飲みに行った帰り道、海外で何故か「SUKIYAKI」として有名な坂本九「上を向いて歩こう」を歌っていた。

で、ふと気がつくと彼がいない。ムスリムのくせに大酒飲むから、遂に神の怒りを買って消されたか!?と思ったら、足元の穴に落っこちていた。これが結構深くて、3メートルくらい。ヤバい。

彼はガチで上を向いて歩いていたっぽい。

この穴の正体は、フタが盗まれたマンホール。マレーシアに限らず、マンホールのフタが盗まれて、鉄屑として売られてしまう国は多い。貧しさと民度の低さ。マンホールのフタが盗まれていたら、そこは途上国だと思って行動するようにしている。

そんな経験があるものだから、マンハッタンのトイレに便座が無かった時には、誰かが盗んだんだと思った。

洋式トイレに便座がない国は多い

これは僕の持論なんだけど、胃腸が弱いと太れない。従って肥満が社会問題化している国の人たちは、胃腸が強くてお腹を壊しにくいんじゃないか。

実際、キリスト教白人国家は、公共の場所にトイレが少ない。

僕は過敏性大腸炎持ちなので、トイレがない場所で不安になると一撃で便意を催す。そんな状態で旅するなって自分でもたまに思う。

まぁそんなことはどうでもいいとして、マンハッタンのセントラルパークでベーグルを貪り食っていた僕は、いつものように便意を催しやっと見つけた公衆トイレに駆け込んだ。

するとウンコが引っ込むほどの異臭。

そこは、ホームレス爺のおウチだった。

車椅子用トイレなのか、少し広めの個室に爺が住み着いており、異臭はここから漂ってくる。よくこんな場所に住めるもんだ。でも冬のニューヨークの寒さは命を奪われるレベルなので、風雨を避けられるだけマシなのかもしれない。

そんなわけで「俺の家に何用だ!」とばかりに爺に睨まれ、何事かブツブツいっているけど、こっちだって緊急事態。あわてて爺の家とは一番離れた個室に駆け込んだ。

すると便座がついてない!隣の個室も、その隣も、全部便座がない。

超絶不潔なのはまぁ覚悟の上として、洋式トイレに便座がないんじゃどうすりゃいいんだ。

日本のトイレは陶器製だけど、海外には電車のトレイみたく金属製が多い。あのホームレス爺が便座を取り外して、鉄屑として売っぱらたんじゃなかろうか。

許せん…。ハドソン川に沈めてくれようか(=^・・^#=)

トイレに便座があると安心する

世界のトイレに便座がない理由。

それは1枚の注意書きで全てスッキリ解決した。

【便座にしゃがむな】

つまりこういうことだ。

トイレが汚いと便座に座るのが気持ち悪い。むしろ便座に触って持ち上げるのすら気持ち悪い。そこで、便座に土足で上って、和式便器のノリで用を足す人がいるのだ。

中には巨漢もいるだろう。彼らの体重に耐えかねた可哀想な便座は、虚しく砕け散り、こうして便座のない洋式トイレが出来上がる。

疑ってごめんよ、ホームレス爺。

それ以来、初めて訪れた国で公衆トイレに駆け込んで、そこに便座を確認すると幸せな気分になる便座フェチになってしまった。だって公衆トイレに便座があるということは、

  • 便座に座ろうと思えるくらいには清掃されている
  • 便座を壊すような自分勝手な人が少ない

ということだ。すなわち僕の中で、公衆トイレに便座があることは民度の高い先進国の最低条件。

日本国民の皆さまにおかれましては、国家の威信のため便座を大切にしましょう。