雇用市場の流動性が高いと簡単にクビになるけど労働者にとって良いことの方が多い

今日は職場でクリスマスパーティーが計画されていた。会社のクリパとかダルいことこの上ない。っていうか、信じる者しか救わないセコい宗教儀式に異教徒を強制参加させるとか、コンプライアンス的にどうなのよ。

マジで参加したくなかったので、タイ女子から教わった王国秘伝の黒魔術を使ったら、めでたく土壇場で中止になった。

でも中止になった理由が笑えない。

現場の長老と化していた実力者の韓国女性(推定体重0.1トン)が、突然解雇されてしまったのだ。

彼女こそがクリスマスパーティーの幹事。アメリカ企業というのは、レイオフされると二度と会社の施設に入れない。嫌がらせで会社の資産を持ち逃げしたり、ファイルサーバーを初期化したりする「報復」を避けるためだ。

それにしてもクリスチャンの彼女をクリスマス前に切るとか、あまりに血も涙もない。これじゃ旧正月前にシンガポール人を大量解雇して撤退した、悪名高き日系企業「楽天」とそう変わらないじゃないか。

いやはや。

お願い達成のために手段を選ばないタイの黒魔術、噂には聞いてたけど危険すぎる。

ご利用は計画的にヽ( ̄▽ ̄)ノ



労働者とタヌキ

彼女がレイオフされた一報を耳にしたとき、卒業後に某市役所の上級職員になった大学の同期を思い出した。

彼は市役所の環境課に配属されたんだけれど、ゴーヤのカーテンを推進したり、なにやらロハスな仕事をしている。僕も公務員受ければよかったかな…。

彼の担当で面白かったのが、市民の要請に応じて街に出没したタヌキをとっ捕まえる仕事。

モフモフアニマルを敬愛してやまない僕としては、とっ捕まえられたタヌキ氏の進路が心配だった。でも、野生動物は簡単に殺処分出来ないらしく、ひと安心。

じゃあ、どうするのかというと「隣の市に捨てにいく」らしいwww

ヤバい U・x・;U

つまり、A市で捕まったタヌキはB市に捨てられ、しばらくしてB市でまた捕まってA市に戻される。おいおい、税金の無駄遣いなんじゃないのかいw

タヌキにしても良い迷惑だ。

でも、これと同じことがシンガポールの労働者にも言える。

A社の景気が悪くなって解雇された労働者は、そのマーケットシェアを食って成長中の同業B社に転職する。しばらくしてB社の業績が悪化すると、経営破綻したA社が中核になるC社に引き抜かれる…。



専門性こそが拠り所

昨今、法人の短命化が止まらない。大企業と言えどグローバル化のスピードに一瞬で立ち遅れ、新興国にトドメを刺され、突然死する。

いち労働者として、もはや名刺の肩書きは意味をなさない。

今日の輝かしい雇い主は、明日の日経新聞で民事再生法適用申請を発表するかもしれない。セクハラや過労自殺に揺れる広告業界、メタボ社員がビール瓶で殴り合う公益法人、外国人社長が社員を暴行して逮捕されるタクシーみたいな規制産業だって例外じゃない。

じゃあ、超速で変化するこの世界で労働者がどうやって生き残るかと言えば、専門性以外にありえない。

僕は何が出来る人なのか。

自問自答を怠らず、足りない能力を補い続ける。他社の動向も見逃さず、チャンスと見ればスキルアップに見合ったポジションでポップ・ステップ・ジャンプ。

そんな「社内自営業」とも言える働き方こそ、企業ブランドに頼れない時代のサバイバル術だ。

雇用市場が流動的な社会が生きやすい

タヌキの話に戻る。

A社の業績が低下して、社内に嫌な噂が流れる。そんな没落A社に嫌気して、マーケットシェアを食って急成長中のB社に転職を試みるものの「年次がぁぁ」「出身大学がぁぁ」などと苦戦する。

これが雇用市場の流動性が低い社会。

雇用市場が剛直すると、Windows2000などと言われる年収2000万円の窓際無能老人がウジャウジャわく。自己研鑽しない無能な年寄りでも、実力主義じゃないので会社にしがみつけるのだ。

そんな競争力のない企業が生き残っている社会こそ、若手にとってリスク。いわば、A市にとっ捕まったタヌキが、B市に放たれることなく、そのままA市で殺処分されてしまうようなもの。

そのような社会では、本質的な努力をする社員より、Windows2000に媚びる社員の方が出世するのだ。だから専門性を磨き、会社組織に囚われない自己研鑽をする意欲が削がれる。

シンガポールの労働環境は総じて健全

ファッキン米系企業で突然レイオフされてしまったクリパ幹事だけど、心配してメールしてみるとなんだか晴れ晴れした様子。

やっぱり大企業のぬるま湯に浸かると、人は挑戦しなくなる。でも挑戦の火は心の底で燻り続ける。彼女はこのレイオフで、背中を押された気がしたと言う。

それもこれも、彼女の能力と努力を、具体的な金額で買ってくれるB社があるからだ。B社がある限り、A社に貢献した事実はたとえA社が無くなっても毀損しない。

会社にしがみつく必要がない。専門性さえあれば、A社だろうがB社だろうが、どこでも同じ給料が貰える。

労働市場が流動的な社会は、簡単にクビになるけど労働者にとって総じてメリットが多い。それはヤル気のある実力者であり続けさえれば、必ず生き残れる能力ベースの公平な社会だからだ。

 

  1. SK6 より:

    面白い記事ですね。雇用流動性の話は賛成、というか日本経済の多くの問題は雇用流動性を高めることで解決できると思っています。

    日本のIT業界には大きく「外資系メーカー」「システムインテグレーター(以下SIer)」があります。メーカーというのは、DellとかSymantecとかCiscoそういうところ。なぜメーカー=外資かというと、世間で使われているITのほとんどは米国企業が作ったものだからです。
    私は以前SIerで働いていたので、仕入先である外資メーカーの営業さんたちとよく会っていましたが面白いくらいすぐ辞めます。1〜2年経ったら「彼は辞めました。私が新しい担当です。ご挨拶に伺います」というのがすごく普通。じゃあ彼らの市場価値は何かというと、有力SIerとの人間関係(と営業する姿勢)と言い切って差し支えないと思います。
    市場が成熟してコンプライアンスに厳しい日本企業は、中国やASEANのように人間関係ベースでシステムを発注なんてできないけど、メーカーとSIerの間の代理店契約・協業程度ならわりと人間関係が口を挟む余地がある。そうして外資営業マンたちはこのIT業界を渡り歩いています。
    興味深かったのが、結構年配の人達も多かったんですね。日本だと40超えると転職厳しいと言われますけど、外資は別。売れなかったらクビにすればいいので、採用門戸は開かれている。パフォーマンス悪いとすぐクビにするから人が余ることはあまりない。なので私は最悪外資系メーカーなら50代になっても働くチャンスは貰える気がしてます。