シンガポール女子から学んだ外資企業に英語面接と英文履歴書でアピールする方向性

6年前にうつ病無職だった時、中国上海で毎日飲んだくれてたらシンガポール女子からビジネスに誘われて海外でのキャリアが始まった。

このうまい話にはちゃんと裏があって、ビザサポートなし、時給400円というしょうもない仕事だったんだけど…。

とは言え、彼女のお陰で今の僕があると断言できる。そして、彼女に後々感謝したのは、ビザと給料以外の採用プロセスはキッチリしていたことだ。

僕が管理人として雇われたホステルは、彼女のお父さんが経営する中小企業の子会社として登記されていた。だから人を雇う以上、ちゃんと英文履歴書「CV・Resume」が必要で、形式的に英語で面接もあった。

気が強いシンガポール女子が面接官だからね。そりゃアピールの良し悪しをズバズバ言われたよ(=^・・^;=)

でもこの時もらった彼女からのアドバイスは、その後シンガポールでちゃんとした米系企業に転職する際にとても役に立った。

今日は、日本の新卒就活と海外の外資企業では、面接と書類でアピールする方向性がぜんぜん違うという話を書く。

僕のシンガポール就活戦歴

僕はシンガポールでアメリカ系企業に絞って就活した。

順調に1社目から内定を頂けたものの、EPと呼ばれる就労ビザを監督官庁MOMにリジェクトされ涙を飲んだ。いくら企業に必要とされても、現地政府に拒否されたら一撃で振り出しに戻ってしまうのが海外就職のキツいところ。

シンガポールで海外就職が難化

それでも気を取り直して発給条件のユルいSPassというビザの仕事に応募したら、すんなり通って目出度く2社目でシンガポール就職に成功した。

僕は優秀な人材ではない。シンガポール政府が指定する名門大学卒じゃないし、日本での経歴もパッとしない。そこに付け焼き刃の英語を積み増しただけ。

それでも2社受けて2社とも内定を頂けたわけだ。

これは、ひとつに自分の専門と実力に見合った求人だけを選び、無理目な有名企業を乱れ打ちしなかったのが功奏した。でも一番効いたのは、辛口シンガポール女子のアドバイス通り、書類と面接でアピールすべき方向性を見誤らなかったことだ。

ちなみに彼女はロシア系原油投資会社でトレーダーをしているエリートだ。

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外資企業は空きポジションをすぐに埋める人材を雇う

シンガポールの米系企業に転職して驚いたのは、社員の入れ替わりがハンパない。僕は今4年目だけど、僕より古株は同じ職位だと4人だけ。入社当時30人以上いた先輩方は転職したりレイオフされてもういない。

あと、日本企業だと成績の良い社員が「ご褒美」として管理職に昇格するけど、その実、組織管理とプロジェクト管理はマネジメントの学位が必要な専門職だ。だから僕の職場では技術職から管理職へ昇格するケースは稀で、他社から評判の良い人をヘッドハンティングしたり、本社管理部門から派遣したりする。

そんなわけで平社員の採用で将来性はあまり重視されず、空きポジションを今すぐこなせる能力を厳しくチェックされる。

それを踏まえて外資の書類選考や面接でアピールすべきは次の2点。

  • 応募した企業のビジネスモデルと担当する業務内容を細かく理解している
  • 業務内容を明日から実行する能力と実績、関係した学位を持っている

外資企業はちゃんとした研修や引き継ぎが無い場合もあり「即戦力」が強く求められる。学んで成長する人じゃなく、すでに学んで成長した人が勝つのだ。

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日本企業は長期的に何でも卒なくこなすゼネラリストを雇う

一方、日本企業には「社員を育てる」という文化がある。なんの実績もない新卒を大量に雇い、さらに予算をつけて社内研修を施す。

それだけ社員に投資するのだから、将来昇進して長期的に会社に貢献できる人材かどうかが大切。日本企業がただの平社員を雇うのに「リーダーシップ」を求めるのはこのためだ。

とは言えこれにはもちろん裏があって、給料が安くて従順な新卒を利用しているフシがある。今時実際に定年まで会社に残る社員は少ない。だから無垢な若者をエグいくらい大量採用して、昇進する前に使い捨てにするブラック企業も…。特定派遣業や偽装請負メインの人貸し屋とかね。

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それでも、うつ病になったことを踏まえても、僕のようなボンクラ人材に最初の職歴を与えてくれた日本企業には感謝している。

シンガポールの若者を見ていると、社会に踏み出す最初の一歩にとても苦労するようだ。学生のうちから無給でインターンに励み「職歴」と「実績」を作る。学校での専攻も「ファイナンス」「マネジメント」「コンピュータ・サイエンス」など食える学問の人が多い。逆に「フランス文学」「天文学」みたいなロマンチック専攻の人には出会ったことがない。

大学で学びたいことを学んで、バックパック背負って世界を巡り、それでいて卒業後すんなり就職できちゃうのは日本の学生の特権と思う。

シンガポールは受験戦争も熾烈だし、僕がもしシンガポール人だったらニートになっただろう。ちなみに僕のニー友が言うには、若いのに納税額が著しく低いと政府が自宅にやってきて就労状況を調査されるらしいよ。恐ろしいね(=^・・^;;=)

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新卒マインドでシンガポール就職は危険

日本企業と外資企業では求めている人材像が違う。だから日本の新卒就活のマインドでシンガポール就活に挑戦するのは危険だ。

特に「ヤル気アピール」「体育会系アピール」「伸びしろアピール」は、それが業績に結びつく根拠を示し難いので逆効果と考えられる。

外資は将来性を重視せず、すぐに現場の穴を埋めてくれる人材を探している。労働者が日本ほど保護されていないので、現場で使えなかったら即解雇すれば綺麗さっぱり。

「この分野に詳しくてポジションに付いたらすぐ業務をこなせます。なぜならこの学位を持っていて、こんな職場でこんな業績を作ってきたからです。」

例えばこんな風に即戦力アピールとその根拠を示せれば、日本企業よりむしろすんなり内定が出ることも。すんなりクビにもなる裏返しなんだけどね…。

雇用市場の流動性が高いと簡単にクビになるけど労働者にとって良いことの方が多い

応援してます

僕は日本で人生行き詰ってかなりヤバいところまで堕ちた。

このブログ「無職は恥だが癖になる」は、イブ夜に夜勤で深夜のオフィスを夢も希望もなくグルグルしていた9年前の僕に向けて、状況打開のヒントを書いている。

記事内でリンク貼った内容も、同じように苦しんでいる人は海外に活路を見出すとラクになるかもしれないというメッセージ。

もちろん海外に出れば全員が幸せになるわけじゃない。

それでも日本の労働環境に苦しんでいる人がひとりでも良い人生を掴むよう願っています。