英語の挨拶「Hey, how are you?」ってのが嫌い。
「やぁ、調子はどうだい?」これはたいてい朝の挨拶だ。
発達障害の人生は体調不良との戦い。まして朝イチから調子良い日なんて、1年のうち数える程しかない。
だから英語で暮らし始めた当初、毎朝イラッとしながら「眠い」「ダルい」「月曜日に絶望している、and you?」などと答えていた。
しかしこれではせっかく声をかけてくれた人を不快にしてしまう。それは僕の本意ではない。
でもね。グニャグニャの脳を抱えて起き上がり、過敏性大腸炎で電車を降りてトイレに駆け込み、冷や汗かきながら出社した直後に「I’m fine!」とは言えないんだよ。
僕は正直者なんでね(=^・・^=)
そこで編み出したのが「対人関係エネルギー」という概念。英語だと「interpersonal relationship energy = IRE」だ。
カッコイイだろう。
対人関係エネルギー
最近は「Hey, how are you?」っていう挨拶に「60%!」などと元気に答えている。
それで「何だそれは?」という話になる。
今すぐパーティに乱入して騒ぎたい気分が対人関係エネルギー100%。誰にも会わず1日お布団に溶けていたい日が0%。そんで、今日は面倒くさいけどちゃんと出社したから60%さ(=^・・^=)♬
「やべー、コイツまた変なこと言い出したぞ…」という心の声が聞こえてくるけど、シンガポールの人たちは大抵みんな優しいので苦笑いしてくれる。
でも、しばらくしてまた彼に会うと、浮かない顔で「今オレ、30%かも知れない…」などと言って来た。仕事でトラブったらしい。
不調こそ共有する意味がある
「YO!調子はどうだい?」「最高さ!!」「オレもだ!よっしゃ!」
暑苦しいことこの上ないけど、確かにみんな元気な時はこれでモチベーションが上がる。良い気分と一緒にエネルギーも共有するアメリカンなノリには意味があるんだろう。
でも、特にオオゴトじゃないけど、ただそっとしておいて欲しい日もある。にんげんだもの。
本当に周りの気遣いがほしいのは、そんな調子が悪い時だ。漠然と気分が落ち込んでる時でも「I’m great!」と答えないとノリが悪いと思われるのは地獄でしかない。
それ以来、対人関係エネルギー30%の彼は、How are you?の代わりに「今日は金曜だし70%?」などと挨拶してくれるようになった。
これは良い(=^・・^=)!
お互いのコンディションを数値化して共有しておけば、必要な配慮ができる。
ベストセラー「嫌われる勇気」で「全ての悩みは人間関係の悩み」と書かれているように、 僕は仕事そのものじゃなく職場や顧客との人間関係に辟易としている。
そんな時、対人関係エネルギーを共有しておけば、職場に僕をそっとしておいてくれる人が増える。そうすれば余計な人間関係にエネルギーを消耗すること無く、仕事そのものに精神資源を投入できるのだ。
調子悪い時は調子悪いと伝えよう
今の時代、誰しも人間関係に疲れているのに、それを大っぴらに口にできない雰囲気がある。もし「生きるのに疲れた」などと言おうものなら、本気で心配されてしまう。
そんなコミュニケーションが複雑な時代に人々の潤滑油となる概念「対人関係エネルギー」をもっと広めていきたい。