興味の幅が狭い発達障害を強みに変える

プロスポーツ、テレビ、映画、芸能、政治…。

僕は「大衆」を敵だと思っているので、大衆が好きそうな話題を振られると強い不快感を覚える。

この手の話題は僕も同等の知識と情熱を持っていることを前提にされることが多い。その身勝手さに腹が立つのだ。

例えば「オレは阪神ファンだから~」などと言ってくる人は、暗に僕がどこの野球チームのファンか探っている。まさか野球の知識が全く無いとは想定していないので、そこで僕が「阪神って大阪のアレ?」とか返すと勝手に怒り始める。

「お前ってあの映画に出てた脇役俳優に似てるよな、アノすぐ撃たれちゃったヤツwww」みたいなネタ振りは、もはや何を意図した会話なのか理解できずフリーズする。そして気まずい沈黙をつくってしまう。

人間は知識と興味がない分野には、なんの感想も抱かないのだ。

火星の地質でケイ素の割合が0.1‰増加したらしいぜwww

などと突然振られてもほとんどの人は話題にのれないし、なんて返したらいいか困惑するはず。

僕にはこれと同じことが日常生活で頻繁に起こる。そして更に悪いことに、僕の興味の幅は恐ろしく狭いのだ。

不活性な脳を守っている!?

この不快感は、疲れた時に要らぬ話を振られるとイラッとするのと似ている。フラフラで今すぐベッドに倒れ込みたいのに、芸能人が不倫したニュースにコメントを求められたら不快になるだろう。

疲労した脳がさらなるストレスに対して自己防衛を発動している。

限界だー!これ以上酷使しないでくれー!って感じ。

僕の脳は常にボンヤリと半覚醒状態。特に炭水化物を食べた翌日は脳に異物を詰められたような酷いブレインフォグに苛まれるし、連続6時間寝られなかった日は起きてるんだか寝てるんだかわからないゾンビと化す。

そんなんだから脳は毎日常に自己防衛モード。

1日生き延びるのに精一杯だから、入ってくる情報を必要最低限にシャットアウトする必要がある。

どうでもいい大衆の話題にイチイチ脳のリソースを使っていたら、本当に必要な社会的役割や人間関係に支障をきたす。

例えば僕は空気を読むことが「自動的に」出来ない。

語気の強さに注意を払い、表情の変化をめっちゃ読み取る。それをもとに足りない頭をフル回転させて相手の発言の意図を理解しようと頑張る。

こういう「真人間のフリ」は脳のリソースを大量に消費する。

もうこれだけでどっぷり疲れるので、敵である大衆のどうでもいい話題になど付き合う余裕は無いのだ。

のめり込むチカラ

発達障害・自閉症スペクトラムの当事者は、興味の対象が限定的で偏っていると言われる。僕の大衆文化嫌悪がこれに該当するのか定かではないけど、モノは考えよう。

この特性は無駄な情報に惑わされることなく「情熱」に全てのエネルギーを集中投下できる強みでもある。

興味を持ったのになんだかんだ理由をつけて全然手を付けない人は多い。

ギターを買ったのに練習しない、Skype英会話に入会して満足している、技術書の積読…。

こういう人は興味の幅が広いので、テレビを見たり友達と出かけたり、スマホゲームやSNSと戯れているうちに脳のリソースを使い切ってしまうんだ。

ところが興味の対象がすごく狭い僕は、ハマるとのめり込んで情熱が持続する。無駄な興味が少ない分、一度楽しいと思ったら徹底的に取り組む。

例えばここ1年くらいブログとテニスのことしか考えていない。

毎日2000字程度の記事を投稿するのは、改めて冷静に考えると狂気の沙汰だ。いわば原稿用紙5枚の反省文を毎日書かされているようなもん。

いや、いままでの人生で実際に反省文や始末書はたくさん書いてきた。それにしても反省文がライフワークになっちゃうとは思わなかったぜ(=^・・^;=)

専門家だけが求められる時代

コンピュータのパターン認識能力が向上した結果、ルーチンワークで成り立つ仕事は今後10年で人間のモノではなくなる。

それは医療や銀行みたいなエリート職も例外ではない。

21世紀の中盤で残っているのは、自分で考えて新たなルーチンを生み出せる人。そのためには継続的な努力で何かの専門家である必要がある。

まぁブロガーが生き残れるかは別にして、発達障害の特性である興味の偏りと「のめり込むチカラ」はむしろこれからの時代は有利に働くと確信している。

何でも卒なくこなせるゼネラリストの役割は終わったのだ。これからは徹底的に特化した専門家が活躍する、スペシャリストの時代。

我らに追い風が吹いている(=^・・^=)!