今週に入ってから目に見えて僕に廻ってくる仕事が減った。レイオフされるXデーが近いことを感じる。
それにしても、こんな直前になっても引継ぎの指示が来ない。全部の企業がそうかは知らないけど、きちんとした引継ぎやマニュアルが無いのは米系企業の特徴らしい。
思い返せば僕が入社したときもそうだった。
とりあえずいきなり実践投入。それでとにかく各所に迷惑をかけながら個人的にナレッジを積み上げていく感じ。とは言えまぁ、それでも1週間くらいは前任者にいろいろ質問できる環境にあったんだ。
あれから約5年。
僕は非常階段に避難して無断で昼寝するくらいには怠惰な社員だけど、怠惰だからこそ仕事効率化とプログラムによる作業自動化を積極的にやってきた。その結果、今やこうした自動化ツールなしに僕の仕事量を定時で終えるのは不可能だ。
もし手作業で全部やろうと思ったら1日30時間くらい必要かも(=^・・^;=)
引継ぎしたいけど出来ない
ExcelとWordのマクロを駆使して業務改善(手抜き)するのが得意なんだけど、新卒で入った会社で先輩が三ヶ月手作業でやってたのを1日に落とし込んだら「先輩のメンツを潰した、3人月の工数が客先からもらえなくなる」と上司に怒られたのを、日本の生産性について読むたび思い出す。
— ししもん@シンガポール (@shishimong) January 7, 2017
以前こんな内容をTwitterに書いたら2chに貼られてしまい「勝手にマクロで効率化すると異動の際に後任に引き継げなくなる」「無責任だ」という否定的なコメントがついた。
その時は、今どきマクロも書けない無能に合わせて仕事するから日本の生産性は低いままなんだ!とこの記事で毒ついたんだけど…。
でも恥ずかしながら僕のプログラミングコードは汚い。コメント文なんてろくすっぽ書かず、僕だけしかわらないような変態的なロジックも使っている。16重ループとかあるし(=^・・^;=)
だから流石にちょっと今回は僕が作った自動化ツールの使い方や、入力データが変更された場合の対処法を後任者に教える必要があると思うんだけど…。
社員性悪説
米系企業というのは社員性悪説で運営されている。
レイオフ当日は社員システムにログインできなくなることで「解雇された」と知ることになる。その後しばらくして人事部の死神がやってきて、パッケージとかアローワンスとか呼ばれる会社都合退職の手当金について説明する。それで死神が差し出す解雇通知書にサインした瞬間にサッパリ綺麗にバイバイキン。
つまり解雇状態で会社の資産に一切触らせないのだ。
結局、退職条件に不満があっても大企業相手に議論の余地は無く、解雇通知にサインを拒んだところで結局解雇とその条件は覆らない。だから報復として社内ファイルサーバに滅びの呪文「# rm -rf /」を打ったり、物理的に資産を盗むような人も実際にいると聞く。
そのようなリスクを考慮して、解雇すると決めた時点で会社からは「敵」として扱われてしまう。
ここまで信用されないのは悲しいけど、ちょっとかっこよく言えばスポーツ選手みたいな感じかな。他のチームに移籍する選手は、スパイするかもしれないのでもうチームの施設に入れない。逆に移籍する選手からしたら今日のホームは明日から敵になるわけで、後輩選手に技や敵チームの情報を教える義理もない。
つまり米系企業に引継ぎの概念はないのだ。
そういう意味で退職金は「身代金」なんだよね。実際に自分の口座に振り込まれるまでには何週間かかかる。その間に会社の資産を毀損したことがバレたら、解雇通知書の文言に従って訴えられるだろうし退職金もパーになる。
少なくとも今後1年くらい僕の貧乏生活を支える大切なおカネ。ここで「ぜひとも引継ぎがしたい」みたいなスパイ行為と取られかねない主張をして、ミスミス取り逃すのは死活問題。
後任者には1日30時間以上無意味にエクセルをポチポチしてもらう。
しーらんぺったんごーりらー(=^・・^=)♬