先進国に生まれても生産性が低い人間は蹴り出される

うつ病って治らないのかな。

週5でちゃんと働けるようになって6年も経つのに、今だにたまにすごい波が来る。毎日少しずつ鬱の要素が脳に溜まっていて、それがある日突然ドバッと堰を切って溢れる感じ。揺り戻しっていうヤツかな。

今朝は比較的よく眠れてシャッキリ目覚めたんだけど、でも何かがおかしい。

なんというか脳のスペックが低い。洗濯物を取り込もうとして部屋を出たのに、なぜか冷えたビールを片手に戻ってきた。それでもう一度洗濯物取りに行こうとするんだけど、なぜか今度は朝ご飯を準備して戻ってきた。 まるで部屋を出た瞬間に記憶喪失になるようだ。

おかしいな(=^・・^;=)

それで冷えたビールを飲みつつ朝ご飯を食べてブログを書き始めたんだけど、全然文章が出てこない。何か書きたいことがあったにもかかわらず、それが深い霧の奥に隠れていつの間にか見えなくなってしまった。

あぁこれはウツが来るな。

そうこうしてるうちに予想通り気分がズシンと沈んだ。何もポジティブなことが考えられない。体が重くてうまく動かない。食欲がなくビールさえも飲みたくない。

普段は元気に暮らせるように回復したけど、やっぱりうつ病って完治しないのではないかと疑っている。

そんな鬱が戻ってきた時は、ひたすら寝るのはが有効な対処法だ。僕の場合は強い酒を飲むと一撃で寝てしまうので便利。そんなわけでウォッカをあおってさっきまで爆睡してた。

デパスのような即効性のある精神安定剤に頼りたくもなるけど、うつの原因となる脳のモヤモヤは確実に脳内に溜まっている。だからデパスでそれが暴れないように押さえつけたところで、脳内の原因が消えるわけではないんだ。

だから僕の場合は安易に薬に頼るのではなく、無理矢理にでもひたすら寝て脳に再起動をかける。そうすることで根本的にスッキリ状態に戻ることができる。

先進国に住み続けられない

僕の所属する部署は今度から中国にアウトソースされ、来週にも同僚共々解雇される予定だ。

それで最初のうちは職を失う不安や、シンガポールの友人達と離れ離れなる寂しさに凹んだんだけど。発表から2週間以上経った今ある程度論理建てて考えて、なんというか僕の人生の根本的な問題について気づいてしまった。

生産性が低いと先進国に住み続けることができないのだ。

たとえ先進国で生まれ育った人間であっても。

先進国には最低時給というものがあり、それを下回る職業は労働市場から排除されている。そしてそんな仕事は途上国からやってきた移民が担うことになる。今後は人工知能とロボットに置き換えられるかもしれない。

だからグダグダとリラックスして出来るような生産性の低い仕事は先進国から次々に消えていく。

途上国に生きる覚悟

今回僕がレイオフされるのもその流れ。

シンガポールの労働市場はある程度の条件を満たした様々な国籍の労働者を、よりどりみどり簡単に集めることができるのが強みだ。でもその一方で就労ビザを取得するための最低賃金がとても高額。

これまでは高い給料を払っても多国籍な労働市場のメリットの方が受け入れられてきたけれど、毎年のように上がる就労ビザの条件によってこの状況が2012年以降大きく変わった。

最初は接客業やコールセンターのような「マニュアル職」が就労ビザの条件を満たせず近隣諸国特にタイや中国などに移っていった。要は足切りのバーが毎年どんどん高くなり、飛び越えられない人がシンガポールから切り捨てられて行くイメージ。

それでついに僕の番が来たと言うわけだ。

デフレが続く日本で育った人しては、生産性が低くても仕事があるだけマシじゃないかと思っちゃう。ところがシンガポール政府の考え方は違うようだ。おそらくシンガポールは生産性の高い選ばれしビジネスだけが集まる「エリート国家」になる。ブラック企業の温床になるような生産性の低い仕事や労働者は、どちらももう必要ないんだ。

しかも困ったことにこれはシンガポールだけではなく、先進国すべてに当てはまる時代の流れと言える。今みたいにグダグダとユルく働きたいなら、いつかは先進国から追い出され「途上国堕ち」する運命。

別に僕は途上国でも全然生きていけるし、むしろ途上国の雰囲気の方が好きだ。

でもあえて途上国を選んだのと、先進国から蹴り出されて途上国に移住するのは意味が変わってくる。

海外生活では良いこともあるけれど、文化や生活環境の違いにより困ったこともワンサカ起こる。だからそういうネガティブな気持ちを笑って乗り越えていくために、あえて自分でこの場所を選んだという自信と覚悟がとても大切。

よし、しゃーないな。

レイオフされたら退職金でしばらく途上国を旅して「この国で働きたい」というモチベーションを育てようと思う。キチンとした仕事をミスなく責任を持ってこなすよりも、そんな新しい環境に馴染む方が僕にとっては幸せなのだ。