ラク職に堕ちると這い上がれない

今日だと思っていた会社都合退職イベントがなぜか発生せず、他社の追従をゆるさない圧倒的な無気力に包まれる弊社…。

社長、うちの部署廃止するってよ

とはいえ業務の殆どはすでにアウトソース先である中国に移っているだけに、特にやることもない。そこで昭和感の漂う懐ゲー「キャンディークラッシュ」に興じる同僚もいれば、職場のコピー機であからさまに履歴書を印刷して就活に精を出す人も。

僕の向かいの席に座っているタイ女子同僚氏もその1人だ。

「あんたシンガポールを出るの?」

あぁ、うん。しばらく旅しようかと。大陸横断鉄道でユーラシア大陸の端っこまで行こうかなって。

この人は以前話題にした心配性のタイ女子とは別の同僚なんだけど、タイキャラに脳内で日本語を喋らせるとなぜか二人称が「あんた」になっちゃう(=^・・^;=)

「なんで求人が沢山ある日本人が旅に出て、募集が全然ないタイ人が必死に就活してるのよ!」

そりゃ日本人エンジニアの求人は沢山あるわけで、それならちょっと遊んでから元気に戻ってきた方がいいじゃん(=^・・^=)♬

…とは言わない笑

でもタイ女子ちゃんは旦那がシンガポール人なんだし、永住権を申請すればいいじゃん。旦那の実家で暮らしてるんだし、永住権さえあればおカネや滞在ビザの心配なく焦らずゆっくり就活できるはず。

「もう2回申請して2回とも受理されなかったのよ怒!!」

あらら。今やシンガポール人と合法的に結婚しても永住権を貰えないんか…。

その後なんとなく離婚を匂わせててビビった。彼女の永住権取得について旦那が主体的に協力してくれないと。独りで申請書類を整えて、独りでリジェクト結果に沈む。彼女がシンガポールにいられるのはあと1ヶ月。二人で暮らし続けられるかの瀬戸際だというのに。

シンガポールの永住権を得る確実な方法は年収で「億り人」になることだと言われる。カネさえあればなんでも出来るんかい!やれやれだぜ!

あとはまぁこれは噂にすぎないけど、次に確実なのはシンガポール人と結婚して男の子を授かり、さらにその子と一緒に永住権申請することらしい。なぜかシンガポールの人口構成は女性の方が多く推移していて、徴兵制度を維持するために国民男子は重要と言われる。真実かはわからない。

そんな中バンコクの中心部に不動産を持っている彼女は、シンガポールで二等市民として生きるよりタイに戻った方がよっぽど裕福に生きられるのかもしれない。

ダルさのハードルが下がる

まぁそんなことはどうでもいいとして(=^・・^;=)

怠惰な僕が約5年も働けた某米系企業は、ただでさえ日本より労働環境がユルいシンガポールの中でも圧倒的にラクな職場だった。しかも僕などほとんどの業務をExcelマクロとPythonで自動化していたため、1日のタスクが始業前に終わっていることもあったほど。

この特技を持っていたのは僕だけだけど、同僚たちも多かれ少なかれラクをしていた。

「ちょっと求人見たけどココよりラクなのは無いと確信した」

アラフォー世代のシンガポール人男子同僚氏は、クビになった後は就活せずにGrabタクシーのドライバーになるらしい。GrabはUberを買収した白タク配車アプリの会社で、シンガポール政府系ファンドの息がかかっていると言われる。

「もう今より忙しい仕事とか無理。むしろもっと好きな時間に起きたいわ。朝起きるのダルい」

超わかる‪(=^- -^;=)‬

一度怠惰な生活を味わうと、もう二度と元の水準で頑張れなくなる。ネクタイとスーツは嫌!満員電車は嫌!残業・休出は嫌!スケボーで通勤したい!とワガママ満載が実現すると、今度は朝起きて出社するのすら嫌になっちゃっうんだ。

言っちゃえば労働そのものに向いていない。怠惰な本性に鞭打って真人間を演じてきたけど、ムチが甘くなると一撃で怠け者に逆戻りってわけさ。

しょうがないよね(=^・・^=)♬

体調不良に繊細になる

日本で深夜残業してたとき、オフィスで日付をまたぐと心臓がシンシンと痛くなったものだ。今まさに寿命が縮んでいるのをリアルタイムに感じる。

でも最近は夜明け前に家を出ただけで、同じように心肺機能に負担がかかっているのがわかる。流石に痛みはないけど、実際にApple Watchで計測してみると心拍数が普段の10%増し。

いつも身体に負担をかけないように暮らしていると、体調不良に対する感度が上がるんだよね。仕事に合わせて生活すると健康が確実に犠牲になってる。こんなの本末顛倒だ。

シンガポールでラク職に恵まれた結果、こんな怠惰な僕は特別でも何でもなくて世界中に同志がたくさんいることがわかった。この会社で働けてよかった。

このままユルく生きようと思う。