日本の搾取構造から脱出せよ

ホステルで時給400円のバイトをしていた頃からのお友達と会った。

彼は以前このブログでネタにした自己肯定感に悩むと中国人男子くんだ。中国四川省の神童としてチヤホヤされて育った彼は、自己肯定感を満たすために他人の称賛に強く依存している。それで大人になっても特別であろうともがき苦しみのた打ち回るうちに、何故か内なる女性性に目覚めて性転換ホルモン注射を始めるというブッ飛んだヤツなんだけど…。

最終的にメンがヘラって中国に帰っちゃったのが4年くらい前。その彼(彼女)が、巡り巡ってまたシンガポールに帰ってきた。しかもシレッと男に戻って、なんと奥さんを連れてのご帰還である。

どういうこと!?

あまりの超展開に僕はついていけない(=^・・^;=)

カネとコネ

まぁいいや。

彼のぶっ飛んだ人生譚はまた別の記事に書くことにする。でもそもそも世界が羨む中国経済を捨ててまで、どうしてわざわざシンガポールで働くのか。彼の地元四川省成都は内陸都市随一の景気を享受しているはずでは…。

「コネがないと良い職業につけない。それが中国さ。」

彼の認知の歪みは相当なものなので、中国社会の就職戦線についてそのまま鵜呑みにしていいのかはわからない。でも彼曰く、地元でも大企業には有力者に繋がるものが優先的に採用されるし、上海や北京みたいな他の経済都市に移住しようにもコネがないとできない。そのため賄賂が蔓延っている。例えば大学の先輩などは有効なコネになりうるけど、彼のように海外の大学を卒業していると例えそれがアジアトップのシンガポール国立大学でも叶わない。だからコネとカネがない彼のような庶民は「学」があっても理不尽に耐えないといけないという。

でもそんな不利な状況でも彼は善戦した。

まずOレベル試験というシンガポールなど英国系教育システムを採用している国の高校卒業試験の教材をシンガポールから輸入して、中国のメルカリみたいなフリマアプリで売りさばいた。中国は国内の受験戦争が苛烈を極めており、もはや英国やシンガポールの大学を受験した方がむしろ簡単なレベルにあるらしい。さらにジュニアカレッジ時代にオールAで卒業した自分の経歴を生かし、教材の購入者を対象に直接家庭教師の売り込みをしたのだ。

その結果、試験前には寝る暇もないほどの忙しさで月収は50万円を超えたという。

まぁ簡単に言えばその勢いのまま自分の暗黒面を理解してくれる女性と婚姻を結んだんだけど、結果的に中国の理不尽に耐えられずに再度国を捨てることにしたらしい。自分より遥かにデキが悪い連中がラクしてトクする腐った社会。そんな中国でもうコレ以上理不尽に耐えられない。経済規模が小さい国であっても、実力で評価されるシンガポールの方がよっぽど恵まれた国だと。

これが中国の真実かはわからないけど、彼はそう言ってシンガポールに戻ってきた。

タコ壺日本を脱出せよ

前置きが長くなったけど彼の人生譚は別記事に譲る。

今日書きたいのはこれじゃない。

ますます肥え太る既得権層と、彼らに搾り取られる貧困層。その格差は広がるばかり。こんな理不尽な社会構造はフィリピンやインドネシアなんかでも同じで、そんな国の庶民は優秀な人から当然のように海外出ていく。その流れ着く先がシンガポールだったりするので、僕の友人にもそんな「国内格差難民」が何人もいる。

例えば僕のKindle著書にも登場するフィリピン人男子くんは、自分の国をタコ壺に例える。タコは狭くて暗い場所が好きなので居心地が良いタコ壺に自分から入り込む。でも一度タコ壺に入ると例え外にご馳走が見えてももう出ていく事ができない。同じタコ壺に住んでいる「仲間」に足を絡め取られ、奥に引きずり込まれてしまうから。

フィリピン人男子くんは「中の下」くらいの家庭で育ったので自分で貯金して国を出ることができた。以降ずっとシンガポールでITエンジニアをしているし、ビザが許す限り祖国には帰らないという。

足枷が付いた状態では泳げない。若いうちに自国の搾取構造から逃れることが、成功する以前に自由への切符なのだ。

日本でも文部科学省の局長「佐野太」が汚職で逮捕された。なんでも賄賂を払ってデキの悪い息子を東京医科大学医学部に突っ込もうとしたらしい。医者といえば人間の命を預かるエリートだ。ところが日本でも医師免許はもはや公平な試験ではなく、親の地位によって与えられていることが明るみに出たわけだ。佐野太の息子が賄賂で合格した結果、玉突きで不合格となった学生の努力はまさに文部科学省の局長によって搾取されたことになる。

日本も近い将来中国やフィリピンやインドネシアと同じような状況になっていく。

いかに若い段階で日本の搾取構造から逃れるか。すでに新卒も転職も採用戦線ではGoogleなど外資企業が人気を博し、専門知識+英語+学歴の「3高」の学生は新卒から海外の外資企業でキャリアをスタートさせる状況にある。初任給が何倍も違うのだから当たり前のことだ。

幼稚園から日本脱出を目指して子供を教育する時代がもうそこまで来ている。