ジブリアニメでどれが1番好きかっていうのは、海外で出くわした日本人と当たり障りなく打ち解けるのに最適な話題だ。
僕は死ぬまでに油田を掘り当ててスタジオジブリを買収し「風の谷のナウシカ」全編アニメ化を実現するつもりでいるんだけど、初対面でそんなことを語ったら完全に変人扱いである。まぁ遅かれ早かれ僕の変人ぶりはバレてしまうのだけれどね(=^・・^;=)
だからジブリアニメで何が1番好きかと聞かれた時は「魔女の宅急便」と答える。
当然原作の物語も全部読んだんだけど、魔女宅に関してはアニメの方がすっきりまとまっていて好きだ。特に魔女の掟に従って故郷を後にし、知らない街たどり着く冒頭に惹かれる。旅に出る高揚感、そして「時計塔のある大きな街」という漠然とした印象で住む街を決めてしまうあたり、同じように漠然とした印象でシンガポールに定住した僕はとても共感するんだ。
ところが無職になってから改めて見返すと、魔女の宅急便にはフリーランサーに必要な指南がギッシリ詰まっていて驚く。
あ、うん。
34歳の無職男は平日昼間から引きこもって魔女宅を見ているのさ。この世は意外と平和だろう(=^・・^=)♬
魔女宅はフリーランスの成長物語である。特に「飛べる」というスキルを少し捻って「空飛ぶ宅急便」というサービスを生み出すところがスゴい。プログラマーが「仕事ください」と待っていても平凡で目立たないけど、面白いコンセプトのWebサービスを立ち上げてそっちでお客さんを掴むようなものだ。しかもこれは「1つの街に魔女は1人」というオキテも手伝って、誰にも真似できない仕事でもある。強い。
そして値段を決める。情に流されて無料で仕事を引き受けてしまうこともあれば、荷物をかさ増しして料金をちょっと多くもらったり。守ってくれる会社は存在しないのでトラブルには自力で対処する。そしてスランプ…。
34歳になるまでもう何十回観たんだか知れないけど、魔女宅にはその度に発見と驚きがある。やっぱ不朽の名作だ。
ギャンブルはダメ!
私、フリーランサーのキキです。こっちは無職のししもん。
ガオ~(=^・・^=)♬
今後どうやって生計を立てていこうか。そろそろ真剣に不安になってきた。僕はメンタルの浮き沈みが激しいので深夜孤独に酒を飲んでいる時など、ふとした瞬間にまるで高層ビルのフチに立っているかように背筋がゾッとすることがある。
生計を立てないといけない。でも働く気力がなさ過ぎる。
でもだからといって安易に株とか為替に手を出すのはダメだ。7年前にFXをやっていた僕にはわかる。当時はアベノミクスという国策で為替相場を是正すると謳っていたんだ。だからド素人でも何も考えずに退職金をロングでブン回せば1年くらい旅の資金を稼ぐ事ができた。
ところが今はそんなわかりやすい相場の方向性は見えない。だから今このタイミングで専門知識がないまま相場に手を出すことは単純にギャンブルである。
発達障害、特に睡眠障害がある人にとってギャンブルは「猛毒」になる。
24時間絶え間なく変化する大量の市況を追いかけ情報を吟味する。その1つ1つが何十万円もの損益に影響するんだ。これはもう過集中を誘発しない方がおかしい。そして24時間大きな判断に迫られ続ける。1クリックで資産が半減したりするんだ。メンタルの消耗は計り知れない。
大きな判断と情報の洪水。
FXを始めると健康な人でさえ気が高ぶって不眠症になるというのに、もとから夜眠れず朝起きられない僕などイチコロである。ギャンブルはダメ!ゼッタイ!
手を動かし続ける
フリーランスで生計を立てている人に出会うとワクワクする。
インド・チェンナイで同じホステルに泊まっていたメンヘラ女子FeeBeeもその1人。オーストラリア人の彼女は流浪の会計士。大手企業の経理や会計は監査法人やコンサルファームが担う。でも中小企業だって決算を出す必要があり、オーストラリアにはそういう小規模な案件を扱うクラウドソーシングサービスがあるのだそう。例えば「今日は3時間仕事をしよう」と決めたら、ちょうどよいボリュームの案件を検索して受注する。足りない資料があったりするとクライアントに連絡を取らなきゃならず、そうするとインドと時差があって大変といっていただけど基本的にその日の仕事はその日に完結するという。
彼女の話を聴いて当時の僕はワクワクしたものだ。
世界にはこんな自由な働き方があるのか。
それでミーハーな僕は米国公認会計士USCPAのカジュアルな教科書を買ってみたりしたけど、早々に挫折。っていうか向いていない。締切が決まっていて厳格な法令に従いしかも1ドルの計算ミスも許されないなんて。ゴミクソいい加減な僕に務まる気がしない。1ドルとか誤差じゃんね。誰が気にすんの…。
ギャンブルもダメ。会計士もダメ。それでやっぱ僕はエンジニア稼業に落ち着く。
なんと言っても資格も元手もなくても出来る。しかもミスしても発覚してから直せばいい。そもそも完璧なプログラムって存在しない。JRの自動改札機でさえバグを引いてダウンしたんだ。僕みたいなヘッポコが作ったヘボサービスが壊れないほうがおかしいではないか。
とりあえずそう開き直って今日も手を動かす。
まずはもっと上手に空を飛べるようになって、僕も空飛ぶ宅配便みたいな魅力的なサービスを生み出すんだ。