外国で働くとその国を一度は嫌いになり永住権を欲しがるのは底辺

シンガポールから日本に帰国してこの方、外国人実習生など単純労働者受け入れを巡る議論をネットで追いかけている。んだけど…何ていうか全体的に超今更じゃね?

東京郊外の僕の実家は大規模な工場が多い地域にある。その寂れっぷりは桐野夏生のサスペンス小説に登場したくらい。そんなんだからか、街中や路線バスでベトナム語が耳に入ってくる機会が帰国する度に増えているし、巨大なショッピングモールに行けばフィリピン人とおぼしきオバちゃんが英語設定のセルフレジでお会計していたり。深夜のコンビニや牛丼屋のみならず、既に彼ら外国人は日本の労働力の一翼を担い、もう普通の市民として各地域で暮らしている。

とはいえ国策として今後もっと外国人を増やすなら、風習や考え方が違う彼ら外国人と旧態然の日本人社会の摩擦が今以上に増えるのは必至。

それはゴミの分別を維持できないみたいな割合どうでもいい問題のみならず、教育水準の低い肉体労働者が人口当たりで増えることによって治安が悪化するという切実な懸念もある。実際。つい最近まで外国人犯罪といえば中国人と韓国人だったのに、いつの間にか外国人実習生の主力を担うベトナム人による犯罪が摘発件数で上位を占めるようになった。

さらにそもそも日本みたいな没落経済大国に、いまさら世界から優秀で勤勉な労働者が来てくれるのかという悲観的かつ本質的な不安も避けられない。シンガポール、ドバイ、カナダで働いた方が、英語が通じるうえに給料も労働環境も良い。これが日の丸ナショナリズムを抜きにした客観的事実だから困ったもんだ。それにも関わらず。日本政府は奴隷を欲する根腐れ政財界におもねり、外国から低賃金労働者を無し崩し的に受け入れようとしている。これは日本人保守勢の価値観と根本的に相対するがゆえ、ネットの議論は日々過激になるばかり…。

僕はもう7年くらい日本社会に税金と労働力を提供していないから「立派」な日本人とは言えないだろう。でもそれでも自分自身が外国で外国人労働者として働いた立場から、今日はちょっとズレた視点で日本の外国人労働者受け入れについて語る。

外国で働くとその国を一度は嫌いになる

外国人が日本で働くことによって、日本(人)の印象が悪くなるリスク。これは外国人労働者を受け入れるに当たりもっと真剣に議論されるべきだ。

なんてったって日本産まれ日本育ちの日本人である僕でさえ、根腐れ日本企業で働いたら一撃で国から出ていくレベルに印象が悪くなったからね。労働者を文字通り死ぬまで追い詰める日本の労働環境は百害あって一利なし。そんな地獄で「奴隷慣れ」していない外国人を働かせたら、そりゃ世界に「日本憎し」な人が増えるのは必然。

でも、たとえ政府が喧伝するような日本人以上の待遇で外国人用の労働環境を整えたところで、祖国を離れて仕事をすれば残念ながらそれがどこの国であれ一度はその国を嫌いになるもんなんだよね(=^・・^;=)

例えば外国人の働きやすさでアジア、いや世界随一であろうシンガポールでさえ、あれやこれや文句を垂れる現地在住の外国人は多い。何を隠そう僕自身がそのひとりだったのだ。しかもそれは日本人のみならず、各国の言論コミュニティを覗いても批判的な傾向にある。

なぜなのか。

まず言えるのが、優秀さや仕事のデキに関わらず、そもそも海外生活に向いていない人ってのが一定数いることだ。海外駐在員に抜擢されたり国際企業で現地採用されるほどの能力がある人材でさえ、祖国を離れて何年も楽しく暮らせるとは限らない。それはもう生理的に受け付けないってやつ。例えば「シンガポールの日本食は高くて低レベル」みたいなことを事あるごとに言う人が典型的。それなら現地の美味いもんを探しに行けよ、って感じだ。

次に言えるのは、ホワイト企業であってもカネを貰ってやっている以上、労働には多かれ少なかれ苦痛を伴うってこと。そんな風に仕事で溜まったストレスは、勝手が違う現地社会や言葉がわからない他民族に向かう。例えばシンガポールで働いている日本人の中には現地の人の仕事ぶりや立ち振舞いをあからさまに見下す人もいる。それが井の中の蛙、島国根性にも関わらず…。

問題なのは産まれながらにして海外慣れしている人はいないってことだ。

だから僕も含め外国人労働者が慣れない国で慣れない仕事を始めると、大抵の人は現地社会や現地人を大した根拠もなく嫌う時期を経る。シンガポールに住み始めたばかりの人がアレコレ文句を言っているのを聞くと「あぁ君はまだそのレベルか笑」といった感じ。

僕はこれをイヤイヤ期と呼んでいる(=^・・^=)♬

でも現地の習慣に馴染み、言葉を覚え友達を作り、仕事のストレスを現地で上手く発散させられるようになると、祖国と無駄に比較したりせず移住国を客観的に受け入れられるようになる。たぶん愛着が湧いてくるんだろうな。まぁいろいろあるけど楽しいな、みたいに。

ところが残念なことに外国人労働者の多くは、このイヤイヤ期の山を乗り超える前に国を去っちゃうんだこれが。

出身国の底辺ほど異国に永住したがる

米国に赴任した日本企業のエリート駐在員は、任期が終わったり事業が一段落すると日本に飛んで帰る。アメリカで永住権取得の条件を満たしているにも関わらず、アメリカの国際大企業を目指して転職活動をする気などサラサラないっぽい。これは特に中華系移民からしたら謎らしく彼らが一目散に帰国する理由を聞かれたことがある。「せっかくグリーンカードのチャンスなのに勿体無い!」と。

僕が思うに、日本人で海外に出ている人というのは今でもまだまだ比較的上流層なのだ。僕みたいにグダグダな例外はあれど、ほとんどの在外日本人はちゃんとした学位をもち専門職として現地で働いている。これには日本人に対して単純労働者ビザを発給する国が少ないってのもある。例えばシンガポールではWork Permitと呼ばれる肉体労働者ビザを日本国籍者が取得することはできない。もっとも最近はキャバ嬢に限り日本人にもWork Permitが解禁されたという噂もあるけど…。

まぁそんなことはどうでもいいとして。

海外で必要とされるスキルと実績がある人はそれを武器にしてどこの国にでも行ける。しかも祖国である日本だって腐っても鯛、世界の中でも安全で物価は安くエリートになれば給料だって悪くない。だからアメリカと言えどわざわざ異国に骨を埋める理由も無かろう。

逆に言えば縁もゆかりも無い外国に遮二無二永住したがるのは、治安や経済がグソグソみたいな祖国に住めない事情があり、なおかつ他の国に気軽に行く能力もない底辺ということになる。例えば移民の国シンガポールでは単純労働ビザであるWork Permitで働いている人は現地人との結婚にさえ政府の許可が必要だ。いかなる手段をつかっても肉体労働者は必要がなくなったら出ていってもらうという強い意志を感じる。大きな声で言うべきでないことかもしれないけど、これは国益を守るのに非常に重要な政策だ。

そういう意味で低スキル移民に対しても条件を満たせば家族の帯同まで認めようという日本の移民政策は狂気の沙汰である。

このままでは日本にやってきた高機能人材はイヤイヤ期を乗り越えることなく嫌悪感を抱いたまま出国し、永住権を欲しがるのは祖国に住めない理由を抱えしかも他国にいく能力もない底辺とさらにその一族郎党、みたいなクソみたいな話になる。これでは長期的に見て日本は国力を落とす。日本政府にさえ塩対応される経済没落国フランスみたいに。

とりあえず日本政府はししもんを移民政策顧問に起用すべきだと思うね。連絡待ってるよ(=^・・^=)♪