8年ぶりに強迫神経症になって遺伝病なのかもって思った話

そりゃタダ飯タダ宿タダ犬なのだから、日本帰国中は実家にお世話になる事が多い。でももう定年した老夫婦と老犬に世話になるマトモな目的をでっち上げるなら、今回も両親との関係を結び直す作業中ってわけだ。

別の人間として親との関係を結び直す

人間も犬も歳をとるとあまり遠くに出かけなくなるっぽく、実家は毎日いつも誰かしらが家にいるような状態である。ところが珍しく両親とも朝早くから出かけたらしく、僕が10時頃ようやく起きたときにはリビングで愛犬さまがやる気なさげに尻尾を振っているだけだった。

「おはようワン U^ェ^U」

遅ようございます(=^・・^=)♬ でもですね。あの。実は僕もこれから出掛ける予定がございまして。人間界は最近なにかと物騒でね、不動産屋が爆発したりね。君は犬だから関係ないと思うかもしれないけど、なにせ老いぼれちゃってドジだしさ、すっ転んで怪我とかするかもしれないよ。つきましては僕が留守の間だけケージの中に入りませんか(=^・・^;=)?

「嫌だワン U^ェ^U」

そ、そうか(=^・・^;=) ですよね。わかるよ。僕が犬だったらやっぱ自由は確保しておきたいし、あわよくば台所の生ゴミとか漁って昨日晩飯のときに捨てられてた豚肉の脂身とか食べたいもんね。しょうがない。

それで熱烈にお見送りしてくれるワン様を玄関に出しっ放しにして、不安な気持ち残したまま自転車を漕ぎ始めたんだけど…。

気になります!

母親が火の元をしっかりしてったか気になります!ストーブがちゃんとOFFになってるか気になります!風呂場の戸締りが気になります!あのドジワンがすっ転んで怪我してないか気になります!

というわけで回れ右して家に飛んで帰ると、戻ってくる自転車の音を察知したのかドジワンがお見送りのままの態勢で「早かったワンね U^ェ^U」ってな感じでふたたび熱烈に出迎えてくれた。そんで火の元と戸締りをチェックして周り、後でまた不安にかられた時のために火が消えている様、鍵がかかっている様をスマホで写真に撮っておいた。

これでよし!

…あとはコイツである。あの…君。君は自分を立派な番犬だと思っているだろうけど、パッと見もう老犬だしさ、すっ転んで怪我したり、その前足でうっかりファブリーズを120本ぶちまけちゃって、親父が40年も働いて建てたこの実家が爆発しないか僕はとても心配なんだ。良かったら今すぐケージに入って頂き、しばらく昼寝でもするような人生も悪くないじゃないかと思いましてね。

「嫌だワン U^ェ^U」

で、ですよね(=^> <^;=)

強迫神経症は遺伝なのかも

時は30年ほど遡り、当時ししもんは齢4歳の幼ライオンであった。

その朝、僕はいつもと違う味噌汁の匂いで目を覚ました。僕に弟が産まれるため、母は病院。父は仕事。それで婆ちゃんが僕の世話をしてくれるため、田舎からやってきているのだ。

僕はこのお婆ちゃんに上手く馴染めずにいた。田舎に遊びに行った時は優しく接してくれたのに、今回は母親の代役に気張っているのか不必要に厳しく僕に接しているようだった。それで僕はまた怒られるのが嫌で目が覚めてもしばらく寝てるフリをしていたんだけど、でもそろそろ起きないと「にこにこぷん」が始まってしまう。それにさっさと朝飯を食べてしまわないと、またテレビ禁止命令を下されてはたまらない。

その日の朝食は今では珍しくなってしまった大粒の納豆だったと思う。でも偏食がいまよりもっと酷かった僕は、お婆ちゃんが刻んだネギの切り方が母親と違って、どうしてもその納豆を食べることが出来なかった。ネギって刻み方によって匂いと辛さがすごい変わる。僕は変なところで「いつもと同じ」じゃないと融通が効かないことがあり、その朝もお婆ちゃんと喧嘩して結局にこにこぷんを見ることが出来なかった。

僕の朝の「いつもと同じ」はもう1つあった。にこにこぷんを見て、そして近所の公園でブランコに乗るのだ。必ず右側のブランコ。お婆ちゃんも母からそれは聞いていただろうし、幼児相手に叱りすぎたと感じたのかもしれない。僕を連れて公園に行くことはあっさりと許可が出た。

ところが問題はそこからである。

とにかくいつまで経っても家を出られない。ガスの元栓、戸締まり、水道の蛇口。これを何回も何回も確認し、水道に関しては蛇口がぶっ壊れるんじゃないかってくらいのチカラで締めていた。そしてようやく玄関を出たと思ったら、戻ってまたドアの鍵を確認して、ちゃんと閉まっているのにまた家に入って最初から確認をやり直す。ガスの元栓、戸締まり、水道の蛇口。

それで僕はもう1人で公園に行くと主張したんだけど、お婆ちゃんはそれも半狂乱で禁止する。徒歩1分の距離なのに。子供ながらにこのお婆ちゃんは普通じゃないと感じた。

仕事が忙しくあまり家にいなかった父だけど彼にも同じような確認癖があって、母がいない時に外出する際は同じようにガスの元栓、戸締まり、水道の蛇口を何度もチェックすることがある。

そして僕。

強迫神経症(強迫性障害)ってのは遺伝するものなのか。

強迫神経症を出さない生活をする

こんな風に厄介な強迫神経症なんだけど、デパスを飲めばあら不思議。本当に笑っちゃうくらいの即効性をもって一撃で収まる。だから鬱病になって通院を始めたら強迫神経症がまず最初に良くなった。

戸締まり・火の元が心配でしょうがない段階で仕事を辞めるべきだった

でもそれ以来、東京でもシンガポールでも合計8年くらいシェアハウスに住んできた。旅行中はホステルやカプセルホテル。赤の他人であっても家に誰かいて、もし不測の事態が起こっても通報くらいはしてくれるだろう。そんな風に思える場所では僕の場合、強迫神経症が起きないからだ。まぁシェアハウスやホステルが好きなのはもっとポジティブな理由が大きいけどね。

とにかく賃貸を借りて一人暮らしをしないことで、僕は根本的に強迫神経症を克服したと思っていた。むしろ確認脅迫持ちなことを忘れていたくらいだ。でも今回、お犬様を置いて実家を留守にすることで、治ったもんだと思ってた強迫神経症が実はぜんぜん治ってなかったことが判明してしまった。ただ症状が出なかっただけだったんだな。これはもう遺伝子的な僕の基質として一生付き合っていく問題かもしれない。

それでも僕の場合、症状を抑える方法を確立しているので大丈夫。さっさとフリーランス稼業を軌道に乗せて、また海外で借りぐらしのししもってぃをやるぞ(=^・・^=)♬