世界中に広がる中国語文化圏の威力と魅力

「シンガポールのお土産は何がほしいか」

もうすぐ旅行で日本にやってくるシンガポール男子テニス仲間氏がチャットできいてきた。彼はシンガポールでIT系のスキルを生業にしているんだけど、会社勤めがダルくてもう嫌だという話で盛り上がれるほど僕と似た価値観の持ち主。だから「かったるい」「社畜」「ダルい」という便利な日本語を教えたんだけど、そしたら目出度く「ダルい」が口癖になった愛すべきキャラである。

正直このネット通販の時代にお土産ってオワコンじゃんね。シンガポールにはドン・キホーテが進出しているから日本の物品はほとんど手に入るし、逆にAmazonが無双張ってる日本で今どき手に入らないものなんて…。

あるじゃん(=^・・^;=)

フッ素入りのリステリンだ。別にシンガポール土産ってわけじゃないけど、薬事法が邪魔して日本で売ってるリステリンにはフッ素が配合されていないらしい。でもね、海外版リステリンの「最強ムラサキ」の威力はすごい。歯磨きしたあとにおクチをくちゅくちゅしてから寝ると、翌朝口のネバネバ感が一撃で消し飛ぶ。シンガポールでは当たり前だったあの爽快感が懐かしい。

「君もやっぱり医薬品がほしいのか。シンガポールの同僚からも日本の薬を買ってくるように言われているんだけど…。コレはなに?」

それで彼から送られてきたのは「龍角散ダイレクト」という、いわゆる「神薬」のパッケージ画像であった。

中華系〇〇人

神薬っていうのは、中国のSNSに投稿された「日本に行くなら買ってくるべき医薬品」のリストだ。いくつか流儀があるものの、どれも10数銘柄の日本の市販薬が列挙されている。

まぁ熱さまシートとか効果が微妙そうなのが入っているし、液体葛根湯が入っていないのは僕的に片手落ちな気もしないでもない(=^・・^;=) それでもとにかく中国でこの神薬にノミネートされたらば、インバウンド需要の恩恵をガッツリ受けられ日本の製薬会社はガッポガッポらしい。なにせせっかくカタカナで奇をてらったマツモトキヨシが、わざわざ松本清(ションベンチン)と書かれた旗を掲げるほどだ。

働き盛りに働いていない喜び

僕が興味深かったのは、神薬である龍角散を土産に依頼してきた同僚氏はシンガポール人であること。

中華系〇〇人。国籍やアイデンティティこそ完全に現地化しているものの、国境を超えて中華系住民のネットワークを築いていて親戚が海外に住んでいるなんて普通に聞くレベル。ウィキペディアによるとその数は2012年のデータで世界中に5000万人。ネイティブ並みに中国語を理解して、神薬しかり中国のネット情報をリアルタイムで享受している人も多い。

それだからか東南アジアでは元々住んでいた現地民族を差し置いて、ビジネスで成功しているのはほとんど中華系なんて国もある。例えばフィリピンの財閥やタイの財界では中華系が実権を握っている。シンガポールの成功を僅か1代で築いた国父リー・クアンユー氏も客家系の華人だ。

なんだかんだ日本の生活習慣と近い

海外に6年以上住んだ僕だけど、中華系〇〇人のコミュニティにユルく混ざって暮らすのがとても心地よい。

もちろん、人種や風習の違いを乗り越えてどこでも誰とでも馴染めるのが「真の国際人」に違いない。でも。まず肌や髪の色みたいな見た目が近いっていうのは、日本で暮らしていた時には考えもしなかったほどデカい要素だ。むしろ言葉が通じるよりも心の平穏に重要かもしれないと思うほど。

例えば中華系住民があまり住んでいないインドネシアの田舎町に行ったりすると、一撃で心が警戒モードになる。これは異国で犯罪に遭いたくないという身の危険のみならず、宗教や風習があまりにも違うコミュニティで適切な振る舞いから外れないかという不安が強い。例えば僕は酒飲みだけど、インドネシアで昼間からビール片手に散歩するのは不適切なんじゃないか(日本でも不適切である)、女性と会話する時に保つべき距離感はこれでいいのか(良くない)、モスクから祈りの合図であるアザーンが放送されているのにビール飲んでちゃダメなんじゃないか…(ダメ)。みたいな。

そこいくと、中華系のコミュニティではどこの国でも日本の基準が役に立つ。酒飲みの迷惑度、女性との距離感、年寄りとの接し方、公共の場所であるべき立ち振る舞い。

他にも白人キリスト教先進国で一般的なカップル文化が希薄だし、仏教と道教とキリスト教が混然一体となっているような宗教の自由もある。そして何より現地風の中華料理が面白いんだよね。例えばシンガポールなら肉骨茶(バクテー)とか福建麺(ホッケンミー)みたいな現地化してる中華料理を食べると、その地に移り住んで脈々と暮らしを守ってきた人たちの生き様が見えるような気がする。

あと、多くの国の中華系コミュニティはフリーライドを許してくれるような包容力がある。

海外在住日本人のコミュニティって、新参者としてなんか貢献しないと中に入れてくれないところがある。でも中華系〇〇人のコミュニティは構成員の境界線が曖昧で「お前誰!?」系の人が平然と混じってたりする。だから僕みたいなのがたまに顔を出してもむしろ気付いてもらえないみたいな。もちろん現地の女性と結婚して正式な構成員となったなら、それはもう大変らしい。でも僕はそのつもりはないので、これからどこの国に行っても中華街のそばに「寄生」して暮らそうと目論んでいるのである。

世界中に中華街があるのに日本人街がどこにもない理由

中華系○○人のコミュニティで外国人として暮らしたい

要するに何が言いたいかというと、中華系シンガポール友人の滞在中に中国語を伸ばそうと勉強していたんだけど全然進まねぇ(=^・・^#=) 勉強に戻る(=^・・^#=)