過集中を発動するために事実を都合よくねじ曲げる

ジャッジメンタルだと頻繁に指摘される。

Judgemental。要するに僕は思い込みが激しくて、見た目や印象で安易な決め付けをする傾向が強いっぽい。じゃあ、僕をジャッジメンタルって決め付けてるお前もジャッジメンタルなんじゃねーの?って思わなくもないけど、まぁ指摘されるまでもなく確かに僕は思い込みが激しい。

それは国籍・人種・性別みたいな属性で人間を判断してかかるような誰しもやりがちなところから、自分の能力や客観的なデータですら事実と違う内容を信じ込んでいたり、さらにそれを周りに吹聴することもある。でも当然嘘をついているつもりはなく、たとえ事実と異なっていたとしても「決め付けニセデータ」は僕の中では歴然とした「真実」として機能しているのだ。

いわば脳内ファンタジー。そんな僕の妄想に振り回される周りの人たちには申し訳ない限りである。

現実歪曲フィールド


スティーブ・ジョブズの伝記を読んでいたら、彼も似たような習性でひんしゅくを買っていたと書いてあってビッくらポン(=^・・^=)!

ジョブズのこの習性は黎明期のアップル社で「現実歪曲フィールド」と呼ばれており、元々はスタートレックに出てくる精神力だけで新しい世界を生み出す宇宙人から来ているらしい。本にかかれていた表現を要約すると次の4つ。

  • 歴史であれ会議の発言内容であれ、真実が何かを考えることなく断言する
  • 他人にも自分に対しても現実の認識を拒む
  • 目的のためならどんな事実でもねじ曲げる
  • 「ジョブズはよく嘘をつく」という意味よりも複雑

彼は現実歪曲フィールドで自分だけでなく他人の現状認識をも捻じ曲げ、例えば共同創業者ウォズニアックに不可能な納期を守らせたり、初代マッキントッシュの設計では非現実的な技術仕様を通したりしている。周りの人の現状認識をも思いのままに捻じ曲げることで、時に自分の意のままに人や組織を働かせることが出来たっぽい。

軽く洗脳じゃんね(=^・・^;=)

過集中の発動装置

まぁ僕くらいのヤツが事実と違う決め付けを勝手に思い込んだとしても、それは自分自身に不本意な現実を納得させるためだったり、せいぜい周りに無理筋の正当性を主張するくらいなものだ。でもそうやって脳内に中途半端なファンタジーをこしらえてまで安直な決めつけを行い、あたかも絶対無二の真実であるかのように思い込むのは、自分の頑張り調節弁をコントロールするためだったりする。

過集中に入るための助走って感じ。

僕は時間的状況的に追い詰められて焦らないと何事にも身が入らないから、情熱を持てないことをとりあえず努力するには擬似的にヤバい状況を作り出すしか無い。それには逆もあって、どう考えてもヤバい状況なのにどうしてもやりたくないことってある。夏休みの宿題とか仕事とかね。そういうのを放置するためには現状を捻じ曲げて「べつにヤバくないし!」って思い込む必要があるのだ。

そうやって僕は焦りや安心を脳内で捏造して自分の持てるエネルギーを振り分けたり調節しているんだけど、伝記を読む限りスティーブ・ジョブズは他人にも過集中を発動させる能力があったのかもしれない。実際、ウォズニアックは4晩徹夜させられているし、ジョブズのチームにはメンタルを崩す人もいたという。これって過集中そのものじゃんね。

そう、過集中って一時的に爆発的な成果を出すには便利な半面、持続可能じゃないのが大きな問題。実際にジョブズも程なく自分で創業したアップル社から干されている。この原因は現実歪曲フィールドだけじゃないにせよ、事実を都合よく捻じ曲げて自分勝手に決め付けてくる人と一緒になにかしたいと思う人は多くない。偉業を成し遂げたジョブズでさえ周りの人の評価は厳しい物が多いのに、僕が同じような振る舞いをしたら孤立してしまう。

過集中に依存せずそれなりの努力でそれなりな成果を出す方法を模索するのに、スティーブ・ジョブズの伝記は反面教師として良かった。