人生詰む前に大型書店に行って選択肢を増やす

この世に生を受けた瞬間に僕はジャニーズ・ジュニアになれる可能性が無くなったし、オフィス勤務に挫折した時点で薄汚いタバコ部屋に住み着くヤニーズ・シニアにすらなれそうにない。小学生ならサッカー選手になって日本代表とか言うだけでチヤホヤされるのに、それからたった6年しか経っていないのに高校生でそれを言える人はごく一部に限られる。

歳を重ねるごとに、人生の可能性ってヤツは狭まっていくんだ。

だからこそ専門とすべき能力を選びそこを集中して伸ばしていくわけだけど、するとその選択した分野で行き詰まった時にマジで路頭に迷う。学校を卒業して社会人にまでなると、せいぜいもう同じような業界業種で転職するくらいしか現実的な選択肢がない。ってかむしろそれすら危ういからヒトは少々不本意でも企業にしがみつき、立派な現状維持のプロになるのだ。

知識の先に職業が見える

日本の大型書店は居心が地良すぎてヤバい。

もはや神社やピラミッドも目じゃないパワースポットだね。自分のポンコツな脳みそが何を悩もうと、この世の困りごとの全ては大型書店に回答があると信じている。世界の偉人たちが圧倒的高みからご丁寧に文章にしてくださっており、そんな御高説を読めば僕ごときの悩みなどサラッとマルっと解決するのである。

紙の本のチカラ。大型書店でメンタルを回復する。

本屋の店員さんが良い感じに放っておいてくれるなか、色とりどりの背表紙に囲まれて興味が赴くままに店内を徘徊。手を伸ばすだけで内容を読むことが出来る。僕は住所不定の迷子だから普段買うのは電子書籍ばかりなんだけど、やっぱり紙の本にはデジタルに代えがたい魅力がある。

紙の本が魅力的は、まず同じジャンルの本を一度に俯瞰できるところだ。デザインや厚さからだいたいの難易度を比較できるし、例えばCentOSでWebサーバを運用する技術書を探していたのに、自分の用途ならAWSのS3というサービスを使えば実現したいことがもっと低リスクで楽チンに達成できることがわかったりする。それはサーバ運用の書棚の隣に、クラウド仮想化の棚を置いてくれているからだ。

こんな風に、書棚作りから担当さんの意図や知性を感じるのもワクワクする。

さらに書店のそんな徒然なる知識の向こう側に、その業界で食える職業が見えるのも良い。例えばCentOSの運用本を探しに来たのに、書棚の上の端っこに掘り出し物を見つけてパフォーマンス・エンジニアという職業を今日初めて知った。これはサーバやネットワーク、その上で動くミドルウェアやソフトウェアのパフォーマンス(動作速度)を最適化したり、遅いシステムの改善策を見つける専門職だそうだ。Kusanagiという爆速WordPress専用ミドルウェアはどのように実現されているのか興味があったとこもあり、ついついお高く分厚い本をまたまた衝動買いしてしまった。

これは大型書店の欠点かもしれない(=^・・^;=)

技術的にブロガーを支援する「ししもん工房」を立ち上げるぞ!

年齢とともに目減りする可能性を積み増す

将来就きたい職業として教師をあげる子供が多いのは、子供が日常的に深く接する職業だからだ。この世には多種多様な職業があり人生の可能性は広大にも関わらず、それを知らなければ、手持ちの僅かな選択肢の中でマシなものを選ぶ「消去法の人生」を余儀なくされる。

大人になってもそれは同じこと。

この世にはいろんな仕事があり、10年くらいの短いスパンで古い作業が消え、代わりに新しい仕組みが生まれている。めざましく進化しているのはIT業界だけでなく、最近僕がフリーランスでやっている技術翻訳にしてもネットがあればどこででも出来ような仕事は親世代は選択できなかった。技術翻訳にしろパフォーマンスエンジニアにしろ、もちろん入門書を読んですぐ就けるほど甘くはない。しかももし就けたとしても続けられるかどうかもまた別の話。

だとしても。まずはそういう職業があることを知って、それでおカネをもらうのに必要な知識を積み上げ始めなければ。だから視野を広げる労力を惜しむなら、新卒時にどんな職業を選んだとしても現状維持のプロに収束して終わりだ。

多くの業界の専門知識をまずは俯瞰的に眺めて、その存在を知る。興味のアンテナが反応したらもう少し詳細を見てみる。難しい専門書の中にも、自分の理解の仕方にピッタリ合うものが見つかるかもしれない。

年齢とともに目減りする可能性を積み増すのに、大型書店ほど適した場所はない。

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