望むようにいかない時もまた次に期待出来るかがカギ

国境の長いトンネルを抜けると雪国であつた。

ま、教養がないから川端康成とか読んだことないんですけども(=^・・^;=) それでもこの有名なフレーズのせいで、冬に太平洋側である群馬から日本海側の新潟へ向かう電車に乗るときは、トンネルから出る瞬間の車窓が気になって仕方ない。

34年の人生でもはや雪とか見飽きたし、むしろ今からスキーしにいくわけで嫌ってほど雪景色に埋まるんだけど、なんていうか、視界が劇的に変化する体験に人は快楽を覚えるんじゃないかな。

例えば公園で外来種である野良ハトを見ても鬱陶しさしか感じないのに、手品師のハンカチから白いハトが出てくると視線を鷲掴みにされる。もちろん子供の頃は純粋に驚きどういう仕掛けなのかワクワクしながら考えたものだけど、大人になると冷めたもので「あぁこれは何か出るな。バラかな?ハトかな?」みたいに一歩引いたところの傍観者になってしまう。だけど、そんな詰まらない大人でも手品師の手元からいちおう視線を離せないのは、状況が急激に変わる瞬間を見て快楽系の脳内物質を出したいのではないだろうか。

ところがですよ。現実ってのは退屈なもんで、国境の長いトンネルを抜けてもぜんぜん雪国じゃないんだなこれが。

山がちな群馬新潟の県境は新幹線でも在来線でも長いトンネルだらけで、どれが清水トンネルなのかよくわからないんだよね。次こそは銀世界と信じて暗いトンネルの壁を凝視するんだけど、いざトンネルを抜けるとドラッグストアの悪趣味な看板が目に飛び込んでくる。見慣れた根腐れ田舎の幹線道路じゃん(=^・・^#=) そんで2回めくらいで飽きて本など読み始めちゃって、ふと気づけばいつの間にか車窓は真っ白。完全にショータイムを逃した格好になる。

僕の人生ってこういうパターンが多い。

ニセの山頂を何度も超える

僕は山登りがそれなりに好きなんだけど、登山道を歩いているときにも同じようなことが起こる。

山頂が常に見えているような登山道ってほとんどなく、多くはせいぜい数キロ先の様子が垣間見えるだけ。だからちょっと視界が開けた場所に差し掛かると、眼の前のピークが山頂なんじゃないか、あそこまで登ればゴールなんじゃないかと錯覚する。いや、錯覚したいんだよね。坂道を何時間も登るのはそれなりに大変で、酒瓶片手に登ってもやっぱり大変なんだ。だから早く達成感を味わいたく、気分はどうしても勇み足になる。

僕がそこら辺のなんでもないピークを山頂だと錯覚したいのは、いわばニセのゴールをニセとわかりながらでっち上げ、そこに辿り着く偽装した達成感を少しずつ積み上げながら登りたいから。

ところが「あれ山頂なんじゃね!?」とか連呼するヤツは、一緒に山に登る仲間にとって迷惑だ。しかも高校生から登山している僕と違って、感覚的に山慣れしていないと本気でもうすぐ山頂だと期待してしまうらしく、僕が友達と山に行くと高確率でホラ吹き野郎認定されてしまう。まぁあながち間違ってないけどね(=^・・^;=)

そんな感じに自分や仲間を騙し騙し登り続けると、そのうち山頂に着く。でもその頃には良い感じに酔っ払っているし、道中に山頂の喜びを偽装し過ぎたためか、いざ本当に喜べる状況になってもあまり心動かされない。下山後に思い出すのも、山頂の喜びじゃなく仲間と一緒に道中で交わした会話なんかばっかりだ。

望むようにいかない時もまた次に期待出来るか

海外生活、語学、プログラミング。会社勤めにうんざりしてフリーランスとして生計を立てている僕の「身を助けるスキル」は、どれも明確なゴールが無く、なおかつ習得に時間がかかるものばかりだ。

まぁ英語やプログラムが出来るかどうかってかなり恣意的なもので、中3の英検3級と社会人2年目で取ったTOEIC600点しか持っていない僕の英語力などたかが知れている。情報系の知識を証明する資格にしたって基本情報技術者と遠い昔に失効したLPIC2くらいのもん。

でもその知識をおカネに変えているのは事実。

その際に大切なのは「大きなゴール」を目指さないことだと確信している。例えばゼロからプログラミングを身に着けようとしたとき、Webアプリの公開を目標にすると、登るべき山が高すぎて僕なら達成できない。でも時、Webアプリを作るのに必要な技術をHTML/CSS/Ruby,PHP,Python/データベース/サーバの知識に細かく分割して、それぞれを目指すべきゴールに偽装して取り組む。

ぶっちゃけ小さいゴールさえ思い通りにいかないことが多いんだけど、そんな時は小さなゴールをさらに小さく分けて、眼の前の1つを達成することが本当のゴールであるかのように思い込む。小さい小さい達成感の積み重ね。例えその達成感が「本当のゴール」に程遠くとも、手を動かし続ける。

望むような結果が出ない時も、また次に期待出来るか。これが継続して徐々にでも確実に結果を出すためのカギだと信じている。