転職を繰り返す海外就職組の強みと仕事が続かない理由

現地採用として働く人には行動力がある。むしろ行動力があるから単身で海外に飛び出してしまうのかもしれない。

彼らは決断が早い。僕みたくウジウジ考えてビール飲んで決断を先延ばしにするようなタイプは海外現地採用組では少数派。思い立ったら即行動。知り合いに久しぶりに会おうと思ったら別の国に再移住していたり。

その結果、海外の現地採用で働く人たちは転職回数が多くなりがちだ。

まぁ僕自身も日本で5年、シンガポールで5年働き、その間にバックパッカーホステルの管理人だった半年間挟まっている。そして今はフリーランスだから、人生で3回転職したことになる。世間一般的にはこれでも多い方だろう。何しろトヨタが終身雇用は難しいと発表しただけでニュースになるのが日本なのだ。

でも7年も海外で暮らしている人の中では、転職3回はこれでも少ない方になる。

今日は、頻繁に国境を越えて転職していく現地採用者について書く。

「都落ち」現地採用

一様に海外就職組と言っても、そこにも歴然とした格差がある。一方は誰でも知っている国際企業で地位のある仕事をし、現地社員というよりは世界を股にかけて働いているエリート。

一般的に海外就職と聞いて想像するのはこちらかもしれない。

もう一方は、日本でやっていたパッとしない仕事を、そのまま海外でやっているだけの人。僕もこっち側だったし、人数にしてもこっちの方がずっと多いハズだ。

コスト削減のため、コールセンターや一部の事務作業が日本国内から物価の安い新興国にアウトソーシングされている。それにシンガポールやタイのバンコクのように数万人の日本人が住む大都会では、日本語がネイティブで日本の商習慣や常識を知っていることが強みになりうる。日本企業の現地法人をターゲットにした営業職や、駐在員や現地の裕福層が利用する小売りやサロンみたいなサービス業だ。

当然、同じ職種でも日本より給料が下がるケースがままある。それでも海外で頑張っていこうという人には、僕みたいに日本で上手く働けなかった人も少なからず含まれる。

今日語るのは主にこういう人たち。いわば日本というステージから降りた、または蹴り出された、「都落ち」の現地採用者である。

要はなんで日本で上手く働けず、海外でも1つの仕事に習熟せずジョブホッピングを繰り返すのかってことだ。

これは自戒を込めた考察である。

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シンガポールで就職活動するダラリーマンが現地で知っておくべきお役立ちノウハウ

最高じゃないと一撃で最低になる

「最近仕事どうよ?」

海外に出ても、日本人同士で久しぶりに集まるとこんな社交辞令からスタートする。そして当然、愚痴大会になる。ところがそこで、楽しそうに仕事を語る奴がいる。

笑顔の彼は、転職したばかりなのだ。

経験豊富で頼れる上司、国際色豊かな同僚たち。積めるであろう経験とスキル。そういうのを聞いていると僕は懐かしい気分になる。自分にもこういう時期があったなと。

ところが半年後。

べた褒めしていた上司は無能でパワハラまみれの極悪人になり、生き甲斐のように語っていた仕事は頭痛の種になる。休日はもっぱら転職サイトの巡礼だ。

人間関係を時間をかけて成熟させていくことができない

でも話を聴くと、そこまでヒドい状況とも言い難い。どこもそんなもんだと言うのは残酷だけど、そもそも給料をもらってする以上、仕事とは多かれ少なかれツラいのである。そして上司や同僚だって、神の気まぐれで作られた不完全な我が種族のひとりである。

どうにも仕事が長続きしない人は、最高だと判断する基準がユルく、また最悪だと簡単に絶望する傾向があると思う。グレーの状況に対して、真っ白じゃないなら黒としてしまうフシがある。

最高から一撃で最低に感じてしまうこの激しい落差が、ジョブホッパーが転職を繰り返す原因だと僕は感じる。

生産性が低い日本企業がバタバタ潰れてるけど、効率重視の外資企業も良いことばかりじゃなかった話

独自のやり方にこだわる

海外で日本人を雇う日本企業の中には、平然と人権を蹂躙してくる正真正銘のブラック企業もあるらしい。あと仕事内容は悪くなくても給料が低すぎて現地で最低限の生活すら出来ないケースも。でも背水の陣で日本を飛び出してきた後ろめたさから、プライドが傷つくのが嫌で理不尽な環境で人生をすり減らす。

もしそんな状況に追い込まれたら、なんとかして抜け出さないといけない。

でも。海外の就職先を真っ白だと根拠なく期待しすぎて、思い描いていたのと違うとすぐ黒としてしまうのは労働者側にも問題がある。

その問題のひとつに、僕は自分流の仕事に強くこだわる傾向を感じる。

確かに新興国の人たちは日本人の基準からしたらのんびりしているというか、不効率で怠惰に感じることもある。でもそこは彼らの国であり、彼ら独自の流儀で廻っている。そこに日の丸でラッピングした我流を持ち込めば、快く思われないのは自明。

中間管理職たる上司にしても、国際色豊かな部下を束ね、日本や他の先進国の管理部門と折り合いをつけるのはかなり大変なハズだ。効率や理想だけでは回らない仕事もある。

そうなると、微妙なバランスで成り立っている会社の流儀に従えない現地採用者はお荷物になる。

僕も事務作業をマクロで自動化することに執着しすぎたり、不効率な社内手続きや事務作業を勝手に端折って迷惑をかけたこともある。

独自の価値観でしか働けない人は、たとえ業績が良くてもチームプレイには向かないのである。

職場で決められた作法に従えず居場所を失い転職を繰り返す

溢れ出る情熱と行動力

それでも転職を繰り返「せる」ということは、なんだかんだ言って能力が高く、魅力的な人材なのかもしれない。

なにしろ海外転職って大変だ。会社選び、現地に飛んでの面接。それを英語や現地語で突破するのである。晴れて採用されたら国際引っ越し。別言語の別の国で働いて、別の通貨でお給料をもらうことになる。

聞いただけで疲れるし、実際にやってみて疲れた。

国境を越えて転職を繰り返すことが出来るのは、それだけ情熱と行動力を持ち合わせている証明だ。

でも仕事を長続きさせるには、そのエネルギーを転職活動に集中投下してはいけない。情熱を採用後にも長く残しておかないといけない。そのためには海外生活や外国企業での仕事に対して過度に期待しないことが大切だ。

この世に完璧な会社は存在しない。上司が例えば白人になっても上司は上司だし、外国資本でも仕事は仕事なのだ。

海外に過度な期待をせず、真性のブラック企業を避ければ、海外就職は魅力的なキャリアになると僕は確信している。

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