理想を手に入れるために現実を捨てる覚悟があるか

インドネシア・バリ島の文化は独特で、長く滞在すると「え、コレってそういう意味だったの!?」という発見がたくさんある。噛めば噛むほど味があるというか。

最初のうちは根腐れ白人観光客におもねって伝統文化を切り売りしているような印象だった。でも一歩奥に入れば、そこには観光地と関係なく昔ながらの暮らしをしている人達の、静かで厳格な生活圏が広がっていた。

あとやっぱ、生粋のバリ人と出稼ぎに来たその他インドネシア人を、見た目や立ち振舞いからなんとなく区別できるようになってきたのがデカい。

これはシンガポールでも同じ。最初のうちは中華系シンガポール人と観光客や移民一世の中国人を上手く見分けられず、声デカい上に割り込んでくるしコイツらなんなんね(=^・・^#=) っとか思ったもんだ。

でも1年もすると華僑の言葉である華語と、各種大陸中国語を聞き分けるようになる。その頃には中華系シンガポール人と移民中国人の双方に友達だってできて、それで初めて僕はそれぞれが全然違う人達であることを理解した。多様性に満ちたシンガポール生活が真に面白くなってきたのもこの頃だった。

まぁそんなことはどうでもいいとして。

興味深いバリ文化のひとつに、同じ名前の人がやたら多いってのがある。例えば「コマンさん」に至っては今回の滞在で3人知り合った。もうガムランボールを投げればコマンに当たる勢い。人混みで「おい!コマン!」って言えば面白い写真が撮れるに違いない。

このコマンという名前。意味は「三郎」らしい。

日本人は男性にだけ太郎・次郎・三郎という産まれた順序の名前がある。でもバリ人は女性にも太子・次子・三子みたいな名前があって、このコマンは三女にもそのまま使えるとのこと。面白い(=^・・^=)♬

それにしても。

三男三女がこんだけたくさんいるって一体どんだけ子沢山なんだ(=^・・^;=) 人口2億6000万。パワフルな新興国として注目されるインドネシアのエネルギーを感じる。

仕事辞めさせ屋

僕が知り合ったコマン1号は、ホステルのルーフトップバーで働く二十歳の青年である。すんません、今日もまたホステルの話なんだ…。

外こもりなもんでね‪(=^- -^=)‬zzZZ

彼はバリ産まれバリ育ちの純粋なバリ人。朝から晩まで厨房にいるわりに、一体何の仕事を担当しているのかわからない。

なんかインドネシアをはじめ東南アジアって、給料がクソ安いからか差し迫った労働力不足じゃなくてもとりあえず人を雇っとくみたいなノリがある。客より店員の方がずっと多い状況でどうやって経営してるんだと不安になるけど、それでも成り立つほど彼らの給料は本当に安い。

コマン1号も人の良い性格を活かしてBarの客の世話を焼くものの、昼間のBarにはアル中くらいしか客なんていない。だから彼はほとんどの時間を同僚と食っちゃべったり、スマホでハリウッド映画を見て過ごす。どうやら怪獣が暴れたり隕石が落ちてくるパニック物が好きなようだ。あまりにも毎日暇してるもんだから映画の趣味まで把握してしまった。あれはアレで良い仕事だと思う。

でも。

「ししもんさん、実は僕、今日でここの仕事辞めるんです」

仕事が煮詰まって2本目のビールを買いに行った折に、神妙そうな顔でコマンが話しかけてきた。そりゃ僕くらい長期滞在して、しかも一歩も外出しない客は珍しい。だからホステルの暇そうなヤツはだいたい友達(=^・・^=)♬

「ずっと考えてたんですけど、アメリカに行こう思って」

ほう(=^・・^=)

「前にししもんさんと話した通り、この仕事はラクだし、みんな良い人ばかり。英語も使えるし気に入ってます」

でも給料が安いと。

「ははは、そうですね笑 それもデカいです。でもやっぱまだ二十歳ですし、のんびり働くよりやりたい事があるなら必死に働きたいと」

なんでアメリカなの?インドネシア国籍はオーストラリアなら就労ビザ取りやすいって聞いたよ。

「兄がアメリカで働いてるんです。料理人です。僕も彼を頼って同じ店で働こうと思って」

アメリカにコネがあるんだ(=^・・^=)!君はコマンだから2人お兄さんがいるハズだよね笑

「そうです笑 その兄がアメリカで勤めている店を辞めたいんで、代わりに働かないかって言われてたんですけど。ようやく踏ん切りがつきました」

アメリカに移住して永住権を目指すの?

「少なくとも10年くらいアメリカで頑張ってお金貯めて、そしたらバリに戻って自分のレストランを始められたらと。それが目標です」

映画見てるだけじゃなくて人生についていろいろ考えてたんだね笑

「ここ1ヶ月、いろいろ話せて楽しかったです。またどこかでお会いましょう」

お、おう(=^・・^=)!

なんか。もしかして。僕と関わると猛烈に仕事を辞めたくなるのか??テニス仲間のシンガポール男子氏も「自分のゲームアプリをリリースするのに専念します(日本語)」とかいって仕事辞めちゃったし…。

っていうより「アル中のコイツでも大丈夫なら俺だって」ってな気分になるのかもしれない。無職は恥だが癖になる。この退廃的に無職のハードルを下げるオーラは日本人だけに通じると思ってたのに…。

ヤバいなぁ‪(=^- -^;=)‬

海外現地採用を実現する才能

コメントに返信するのが面倒くさくてTwitterもブログのコメント欄も消したにもかかわらず、僕はメンタルが豆腐製なので不安にかられてエゴサーチはたまにやってる。だって知らない間に炎上とかしてたら嫌じゃんね。まぁ炎上したところで日本のIPアドレスを遮断するくらいしか出来ないのだけども。

そしたらこの前、すごく嬉しいTweetを見つけた。

Twitterを止めてもう半年になるのに、今だにこうやって話題にしてくださる方々に感謝するばかり。ここ数日特に何もないのに気分が落ち気味だったので、なんか本当に嬉しかった。救われました。ありがとう(=^・・^=)♬

このブログの読者さんで、実際に海外移住しちゃった人は実は少なくないのかもしれない。

現地採用インタビューに度々登場してもらってるゆきのさんもそのひとり。彼女は今はなき「退職プータイム」というお下劣ブログを読んでマジにシンガポールに飛んできた実力派。ちなみに今はシンガポールから中国深センに再移住して日本語の先生だそうな。

そんな彼女がブログに書いているように、現地採用を目指す人はたくさんいる。

ところがイマイチ行動力がないというか、実際に語学を積み増し、求人要件を満たし、渡航して、内定を取るに至らない。僕もTwitterやブログのコメントでいろんな質問を受けたけど、こういう人が圧倒的に多かった。そのくらい自分で調べましょう、イチイチそんなこと心配してたら単身の海外生活で身が持ちませんよ、って感じ。

要は、

理想に挑戦するには、日常を捨てる覚悟が必要

ってことだ。これを理解せず海外移住に淡い夢を見ると、挑戦のために日常を犠牲にするタイミングで怖気づき、結局逃げ出してしまう。

不満しかないけど今日食うには困らない仕事、グダグダながら積んできたキャリア、ぜんぜん使ってない保険証、崩壊しそうな年金制度、勝手知ったる地元の仲間、行きつけの店、毎週楽しみにしているテレビ番組。

取るに足らないと思っていた平凡な日常が、いざ完全に捨て去る段になるとたまらなく愛おしくなる。不満ばかりだった毎日が、いかに自分を支え、安心感を与えてくれていたか気づく。

それをかなぐり捨ててまで新しい人生を手に入れたいのか。その覚悟は本物か。海外現地採用を実現する才能は、悪く言えば人・土地・組織への執着心の薄さなのかもしれない。

今海外に挑戦しないなら、もう一生挑戦しないだろう。

もし人生にそんなタイミングが訪れたなら、現実を捨てる覚悟をもって理想に挑戦すると良いだろう。

人や土地に愛着が薄いADHDの遺伝子は遊牧民に多く動乱を生き残る