ブロガーのHayleyさんとお会いして世界のジェンダーについて考えた

先週はブロガーのHayleyさんとお茶した。お茶である。彼女はもともと酒を飲まないし、アル中の僕は断酒3ヶ月目。初対面の女性とアルコール抜きでお食事する日が来るとは。実に感慨深い。

Hayleyさんは東京の外資企業で専門職として働きながら、ジェンダー日本での働き方について書いている。

性別や男女がそれぞれ担う社会的役割について語る時、どうしても自分の側の肩を持ち、異性の存在を軽んじる「ポジショントーク」になりがちだ。でも彼女は女性の視点を持ちながらも社会全体を俯瞰して、そこから冷静に自分の意見を紡ぎ出して行動を起こすことができる。

例えば、いざパートナーが体調を崩した時に、無理せず仕事を辞めることを後押し出来る。これは普段から自分のキャリアをしっかり考えているからだ。そして真の男女平等を実現するためには、女性だけじゃなく男性の負担も軽減すべきと主張する。

ジェンダープレッシャーやジェンダーロールからの解放って、女性だけじゃなくて男性が背負っているものを解放することと同時にやらないと実現しない

日本社会には余裕がない。みんな体力のギリギリのところで厳しい日常に必死で耐えている。ネットでは男性至上主義者と女性至上主義者がドンパチやっている。誰しも自分の方が頑張っていると思いたい。

そんな中、自分と違う異性の生き方を肯定して、応援するというのはすごいことだ。

男女平等ってなんだろう。彼女と話していたら、旅で拾い集めたジェンダーにまつわる記憶が次々と蘇ってきた。

ノルウェー男子の憂鬱

幸福度ランキングで毎年上位を独占する北欧諸国。人権意識が高く、男女平等が徹底されている印象がある。社会全体で子育てするという意識のもと、育児負担も男女平等と聞く。

きっと夢のような暮らしをしているんだろう思いきや、世界最悪に近い自殺率を誇る日本でも、北欧出身者にチラホラ出会う。思えば、タイのバンコクやインドネシアのバリ島なんかにもヨーロッパから来た白人がやたらいるし、その中には北欧諸国から来た人たちもいた。観光客としてはもちろん、日本でいえば渋谷でケバブ売ってるような「Youはなんのビザで日本へ?」的謎の白人である。

世界有数の幸福な社会を捨てて、わざわざ混沌のアジアに移住する理由はなんだろう。この1年間アジア各国を転々とするうち、北欧諸国が主張する「幸福」の実態について疑問は膨らんでいった。

そんな折、東京のサウナでノルウェー男子に出会った。25歳。大阪女子と交際中という日本語が上手な金髪男子である。これはサウナ外交を展開するしかない。

Youは何しに日本へ(=^・・^=)?

「アメリカやヨーロッパはあちこち行ったけど、今までアジアは全然知らなかったからね。それで日本に来たんだ。大阪の学校をこの3月に卒業するから、今は全国を旅してる。春になったら日本で就職してみようと思っている。」

日本で働くの?天国から地獄に志願するようなもんだよ、それ(=^・・^;=)

「まぁノルウェーはマクドナルドでも時給2500円くらいだからね。子育て環境も整ってるし、彼女と結婚したらいずれ国に帰るかもしれない。でもノルウェーにも大変なことはあるから、日本が地獄とは思わない」

そうなの?例えばどんな(=^・・^=)?

「男どうしの見栄の張り合いとか」

彼曰く、ノルウェー社会では生きるには「男らしさ」が必須らしい。たとえばジムに通ってムキムキになり男性的なチカラ強さを見せつけることが、女性へのアピールはもちろん男社会でヒエラルキーを維持する上でも重要なんだとか。

たしかにノルウェー男子って巨大でムキムキな印象がある。北欧の男性というのは遺伝子的に何もしなくても筋肉がつきやすいのかと思ってたけど、実はジムで涙ぐましい「追い込み」をしているらしい。そういえば男性が短いスニーカーソックスを履いたり、かわいいトートバッグを持っていると、欧州白人社会では同性愛者だと思われると聞いたこともある。

サウナの彼は、なんかメガネとリュックを装備したら秋葉原が似合いそうな、おとなしいけど好きなことを語りだしたら止まらないタイプ。男性全員に「勇ましい男性像」を要求する社会的圧力があるなら、これはとても大変ことだろう。

「1年以上の徴兵制もあるしね。これは女性も義務。いちおう良心的兵役拒否が出来るんだけど、僕の周りで軍隊に行かないヤツなんていなかったな」

軍隊での経験や人脈はその後のキャリアで有利に働くことが多く、さらに兵役中は悪くない給付金を貰えるらしい。それに、もしノルウェーが男性的な勇ましさを見せつけあう社会なら、祖国を防衛する義務を拒否するデメリットは計り知れないだろう。

そういえば高校卒業前に「性の祭典」RUSSがあるのってノルウェーだったか。あれは陰キャラには地獄みたいな文化だし、ハロウィンに渋谷へ繰り出すようなリア充連中でさえ、無理なヤツは無理なんじゃないか。

ああ…。

彼の話を聴いてて僕は思った。幸福度ランキングで常に上位に君臨する北欧諸国だけど、もしかすると「自分は不幸」と申告することは、彼らにとって人生に白旗を揚げるような、自尊心を痛めつけるような、敗北宣言に等しいのではないか。

そんなリア充であることを強制する社会で、言葉にできない敗北を味わって生きてきた陰キャラにとって、男性向けコスメが盛況な21世紀の日本は、北欧のステレオタイプな男性像から「降りる」のに最適なのかもしれない。

シンガポールの男女平等

男女平等な社会ときくと、僕はシンガポールでの暮らしを思い出す。

男性にのみ徴兵制があるし、歴代首相はみんな男性が占めている。それでも僕は、シンガポール社会こそが欧米の白人先進国なんかよりずっと男女平等だと感じる。

例えば。

金持ってそうな薄汚いおっさんが若い美女を連れて街を闊歩する姿は、世界中どこでも見られる爆発必至の憎たらしい光景である。これは当然、億万長者の人口密度が世界有数であるシンガポールとて同じだ。

ところがシンガポールには、この逆パターンのカップルがたくさんいるのである。

宇宙のどの種族の基準に照らしてもイケてない歳のいった女性が、年下のイケメン(本当にイケメン)を連れて高級車に乗っているような光景だ。まぁやっぱ彼らも爆発した方が良いだろうけど、これはシンガポール独特だと思った。

すなわち、古今東西、容姿や年齢や「男性をたてる立ち振舞い」で評価されがちな女性だけど、シンガポール社会では努力や実力でこの不条理をひっくり返すことが可能なんだと思う。薄汚いおっさんでも金持ちなら美女と付き合えるように、女性も高学歴と高収入を勝ち取れば、外見だけでは評価されないのだ。

まぁ逆に言えば共働きが当たり前の社会だけに、美女というだけでは玉の輿に乗りにくい厳しさもある。それに不細工かつ学歴もカネもない男女の地獄はシンガポールでも変わらない。

けど、男女の処遇を入れ替えても不都合が生じないことを男女平等とするならば、僕はシンガポール社会こそがそれだと思う。

男女の分断は支配階級に有利なのか

男性像と女性像が多様化し、そもそも男性と女性の境界が希薄になった昨今。場合によっては男性として生まれて女性として死ぬような人も一般的になりつつある。

それなのに、男女間の軋轢は高まる一方と感じる。紅組と白組の境界があいまいになってピンクのグラデーションが形成されるのではなく、赤、白、ピンクの小さな殻の中から、外側のすべてと戦う様相。

男女で争う意味はなんだろう。

これに対するHayleyさんの見方が超おもしろい。

彼女曰く、男女の社会的役割を固定化して、いがみ合わせることで、ストレス社会のガス抜きにしているというのだ。つまり、社会にあえて敵を作りだして民衆同士を争わせ、政治家や資本家など支配階層に不満の矛先がいかないように機能していると。

なんという陰謀論www

…でも、確かに。

これだけ人手不足が叫ばれても、日本政府が少子化対策、そして非婚化の根本原因である剛直したジェンダーロールの改善に本腰を入れる気配はない。その結果として年々下がり続ける出生率を補完しているのは、ベトナムやネパールからの移民である。

つまり日本を牛耳る権力者に必要なのは、彼らの懐を潤す安い奴隷階級であって、それが「日本人」である必要はないのだ。従って、徐々に外国人に置き換えていく労働者階級の日本人は、不毛な同族嫌悪に明け暮れさせ、政府や経営者に楯突く視点を奪う。

うーむ。ありえる。

というわけで、Hayleyさんとこんな話を5時間くらいしてめっちゃ楽しかった。なにやら頑張る人を応援するサロンを計画中らしいので、今後もHayleyさんのNoteTwitterInstagramを要チェック。彼女からみた僕の姿はここで読むことができます

ぜひ(=^・・^=)♬