縮みゆく日本を脱出して努力が報われる環境を多民族国家に探しに行こう

オランダに移住したのに、ぜんぜんオランダ情報を書いてなくてすんません(=^・・^;=)

昨年の2月に入国してすぐにコロナのロックダウンが始まり、というのは言い訳だけど、家にずっと引きこもってるんだな。自分探しの果てに外こもりという、バックパッカーの典型的な末路である笑

外こもりというのは、滞在ビザの条件がゆるい(ゆるかった)タイやフィリピンなんかで、特に何もせずに安宿でゴロゴロし、金がなくなると日本に「出稼ぎ」しに帰るというライフスタイルのことだ。僕がバックパッカーしていた10年くらい前は、新興国の安宿に行けばそういう日本の若者がたくさんいたものだ。

今はコロナで大変だろうなぁ。客も、宿も。

日本で上手くいかない発達障害傾向がありそうな人に、そんな退廃的な暮らしを身をもって勧めていた時期もある。なのに今や、そもそも外こもりを実践する環境自体がコロナで崩壊してしまった。国際線の飛行機を手軽には利用できないし、海外宿の営業状況も現地に行ってみないと実態は掴みにくい。そして何より、生活費を得るための海外就職案件が縮小してしまった。

なんだけど。それでもやっぱり僕は、日本で仕事が上手くいかないなら、海外で暮らし、外資企業で働くのが得策だと考えている。

もちろん、このご時世、簡単な道ではない。けど、どうせ努力するなら、まず最初に努力が実りやすい環境を選ぶことが重要だ。

というのも。

ニュースや統計的なデータを見るにつけ、日本の人口や経済規模が今後も一貫して小さくなっていくのは確実。すると椅子取りゲームというか、縮みゆくパイの奪い合い。そういう後ろ向きな過当競争から、今後ますます逃げられなくなるだろう。

当然、どんな悪条件でも競争に勝てればオールオッケーだ。でも今でも人生が上手くいっていないなら、今後も条件が悪化し続けるだろう日本の環境で、そのまま戦い続けるのは得策ではない。

なにしろ頑張っても上手くいかないなら、次の2つの間違いを犯している可能性が大きい。

  • 環境に我慢することを努力と履き違えている
  • 報われない環境で報われない努力している

今日は、頑張ってるつもりなのに人生上手くいかないなら、努力が報われる環境を広い世界に探しに行って、そこで求められる努力をすれば良い、という話である。

我慢は努力じゃない

資格試験に挑戦するというのは、わかりやすい努力の方向性だと思う。Skype英会話を頑張ってTOEICとかね。

でも営業職なのに基本情報技術者試験に挑戦したり、逆にIT職なのに司法書士とか米国公認会計士の参考書をカバンに忍ばせている人がいる。

10年前の僕だ(=^・・^;=)

要は「この資格が取れたら転職してやる」などと自分の可能性を信じるために、心のお守りとして努力しているのだ。でも所詮はお守りだから、その資格を採用条件にしている求人が実際にどの程度あるのかみたいな、具体的なリサーチはしていない。今の環境があまりにも不本意すぎて、なにか前進している気にならないと今日一日を耐えられなかったんだよね。

今を我慢するための努力。残念ながら、これは報われない努力である。

本来結果を出すためには、具体的な努力を始める前に、その努力が報われる環境に先に狙いを定めるべきだ。なぜなら、努力が報われる環境で、実際にどんな努力が必要とされるのかは、その場所を先に決めておかないと特定できないからだ。

役立つ場所がわからないのに、努力をしても意味がない。

誰からも必要とされない努力を、不本意な環境で自尊心を守るためにやっているなら、それはせいぜい趣味である。趣味ならば楽しいハズだけど、最初の急激な成長曲線を超えてしまうと資格の勉強などあとは苦しいだけだ。

どうせ頑張るなら、その努力が報われる環境を、まず最初に見つけに行こう。

報われる環境が増える条件

じゃあ、どこを探すのか。努力が報われる環境を日本国内で見つけるんじゃダメなのか。

もちろん、見つかるなら日本を出る必要なんて無いよ。

でも、発達障害的な傾向を持っていると自覚していて、それが日本で上手くいかない原因の1つだと感じるなら、努力が報われる場所を見つけやすいのは、次の条件を満たす海外だろう。10年に及ぶ自分探しの末に、僕はそう確信した。

  • 人口が増えている
  • 多様な人種がいる
  • 先進国の大都市

それぞれ詳しく見ていきましょうぞ(=^・・^=)♬

人口が増えている

僕が6年間住んだシンガポールは、2013年あたりに転機を迎えた。

世界中の裕福層が買い占めて不動産価格が高騰し、さらに外国人労働者が地元民の雇用を奪っているということで、国民の怒りがデモという形で爆発したのだ。これ以降、段階的に外国人の居住者を減らす政策に舵を切り、シンガポールは日本と同じ低成長の成熟国家に移行していった。

シンガポール国籍を持つ人は順調に増え続けているものの、シンガポール人の出生率は1.1程度に過ぎない。1.4の日本よりも少子化が急激に進んでいる。つまりシンガポールの人口増加の実態は、外国人に国籍を与えることで埋め合わせている割合がとても大きい。

この状況で外国人を減らす政策を取れば、まさに縮みゆくパイの奪い合い、日本と同じ実りの少ない過当競争が始まる。

逆に成長している国の人口は増える。

仕事を求めてやってくる僕みたいな外国人も増え、すると家、食べ物、サービスが必要だから仕事も増える。こういう人口が増えている場所には、努力が報われるチャンスがたくさんある。パイ全体が大きくなっているのだから当然だ。

そして、なにより過当競争が発生していない国はギスギスしてなくて暮らしやすい。店員にキレるおっさんとか、煽り運転とか、他人と比較して愚痴ばかり言ってる人とか、みんな縮みゆくパイに取り残されて余裕がないのである。

人口が一貫して増加していることは、僕が再移住先にオランダを選んだ理由の1つだ。

多様な人種がいる

実は多くの国で、発達障害という概念は一般的でない。血液型で性格が決まるという概念が日本以外で通じないのと同じくらい、マジでみんな発達障害とか知らないし、説明しても「だから何?」って感じである。

というのも、日本で能力のデコボコが問題になるのは、民族的に日本人が均質だからだ。多民族国家では、宗教の縛りとか、人種的な特性とか、個性の範疇を超えるデコボコが大きすぎて、平均と比べて特定の能力が少々劣っているだけでは注目もされない。

ようは明確に社会のルールが決まっていて、それに従ってれば怒られない。

監視カメラ大国のシンガポールが典型的だし、オランダに限って言えばルールさえ守らない人がたくさんいて、それでも怒られている気配はない(=^・・^;=) いわんや、ルールを守ってる僕が多少挙動不審なことをしても、道端の石ころ程度の扱いで放っておいてくれる。

こういうルールベースの社会はとっても単純明解だから、人間力とか、コミュニケーション能力とか、客観的に測定できない価値観を発明して人材を評価する意味がない。

求人要項に「ヒューマン スキル」とか書いた日には、Redditでネタにされるだけで良い人材は集まらないのである。

今いる環境で勝手に定義された「普通」に自分を合わせるのが大変なら、普通なんて定義できない多民族国家に移住するために、その努力を使った方が幸福になれると僕は思う。

先進国の大都市

ここまで、人口が増加している多民族国家が住みやすいぞ、と書いてきた。

ところが人口が増加している多民族国家であっても、本当に人口が増えていて、多様な民族が住んでいるのは、都市部に限られる場合が多い。

オランダでも地方のシャレオツ住宅街には、今でもオランダ系オランダ人が昔ながらの暮らしを守っている。きっとそこにはカルバン派プロテスタントに根差した伝統とか、良識とか、明確に言語化されない「普通」が重んじられているんじゃないかと想像する。

僕が第二の都市ロッテルダム郊外に家を決めたのは、ご近所に移民が多そうで「普通」がユルいと期待したからだ。その目論見は見事に当たり、どうやらこの一帯はポーランド人が中心の移民街らしい。近所にイスラム教のモスクもあるし、下階には元パレスチナ難民という異色の経歴を持つおっちゃん(僕と同じ世代)が住んでいる。

逆にカオスすぎて多少面倒くさい面はあるけれど、最低限のルールさえ守ってれば誰も気にせず放っておいてくれるのが心地よい。少なくとも、町内会費とかいって使途不明金を徴収しにきて、断ると1時間も玄関をノックし続ける川崎の爺はロッテルダムにはいない。ありゃあ、村上春樹1Q84のモデルなんじゃないかと思ったね(=^・・^;=)

ただし、多民族国家であっても、ちゃんとルールベースで社会が回っているのは先進国だけかもしれない。

僕は1つの国に長く沈没するタイプのバックパッカーだったから、あまり多くの国は知らないけど、やっぱり途上国や新興国と呼ばれる場所では、たとえ首都であっても人と人との信頼関係の方が、明文化されたルールより優先される傾向がある。

賃貸借契約書よりも大家の機嫌のほうが重要、みたいなね。

従って空気を読むスキルを求められない環境を目指すなら、多民族国家で先進国の大都市に新天地を探すのが合理的である。

努力を始める前にリサーチする

ここまで僕が10年かけて見つけた結論を書いてきた。

つまり足で稼いだ情報ではあるけれど、僕が大きくコケずに10年も海外を歩いて来られたのは、行動に移す前に納得するまで徹底して下調べしているおかげだ。

自分が不利な状況でも過当競争に勝てる優秀な人材ではないと思うなら、何度も言うけど、努力を始める前に、それが報われる場所の報われる努力なのかを注意深く確認すべきだ。そうしないと簡単にコケる。海外でコケるとカネと労力が日本の比じゃなくかかるし、大きくコケたらもう立ち上がれなくなるかもしれない。

貯金の切れ目が挑戦の終わりである。

それでも今はインターネットで本当に多くを把握できるし、現地の専門家に必要な調査を直接依頼することだってできる。努力が報われる場所に狙いを定めて、そこで具体的に求められる努力を把握すること。実はこれこそが、まず最初に必要な努力だったりする。

きちんと下調べが出来たら、縮みゆく日本を脱出して、多民族国家に努力が報われる環境を探しに行こう。