オランダ移住をフリーランスビザで目指す日本人の安定した仕事について考える

海外移住に求められる職業形態は国によってめっちゃ異なる。

僕が6年住んだシンガポールと、移住して2年目に突入したオランダが良い例なので対比してみよう。

シンガポールは高スペックのサラリーマンにとって移住しやすい国だ。僕がシンガポールに移住した2012年は低スペックのサラリーマンも「おこぼれ」にあずかることができたのだけど、今では東大とか出てないと厳しいらしい。早慶がFラン扱いである。

どんだけだよ(=^・・^;=)

一方で、フリーランスとしてシンガポールに移住するのは難しい、というか無理だと思う。まずビザ取得に際してシンガポール人を雇用する必要があり、資本金も高く積み上げる必要がある。だから本格的に起業するか、シンガポールに移住してメディアを賑わせる有名人くらいには社会的に成功する必要がある。

無理ゲーだ(=^・・^;=)

まぁコロナ後のシンガポールが特に厳しいのは事実だけど、そもそもフリーランスとして移住できる国は少ない。独力で海外移住を目指すなら、当地で求められるスキルを調べて、その中から自分に務まる求人に応募し、現地採用として赴くのが、世界中の大多数の国で一番現実的な移住の可能性なのだ。

ところが我ら日本人にとって、この例外に当たるのがオランダである。

日蘭通商航海条約という奇跡の抜け穴によって、フリーランスとして簡単に移住できる道が開かれた。一方、サラリーマンとしてオランダに移住する道は、依然としてヨーロッパ現地採用の高い高いハードルを維持したまま。

結果的に今のオランダでは、サラリーマンよりもフリーランスの方が移住しやすいという、世界的に珍しい謎の逆転現象が起きているのである。

この記事では、フリーランスビザを取得してオランダ移住を成功させ、永住権なども視野に入れつつ安定した生活基盤を長期的に築きたい場合、肝心要の仕事をどうするべきかについて考えます。

なお、想定しているのは僕と同じ境遇の人、つまり30代の扶養家族無しで健康な人です。

従ってオランダ人との結婚ビザや、日本人フリーランスと紐づいた扶養ビザで自分自身は無収入のまま移住するケース(専業主婦/夫)、そして駐在員や現地採用としてオランダに派遣される方法は、この記事では扱わないです。あしからず。

オランダ在住日本人向けサービスは成立困難

もっぱらフリーランスビザと呼ばれている日蘭通商航海条約に基づくビザは、オランダ語では個人事業主ビザである。だからビザを申請する前にオランダ各地に所在する商工会議所に開業届を出し、個人事業主として法人格を取得しなくてはいけない。

さて、何を生業にしようか、って話である(=^・・^;=)

ここでネックになるのが何と言ってもオランダ語。オランダ人を相手に商売するなら、当然オランダ語の能力が必要だ。

よくオランダ人は英語に達者という話があり、それは完全に正しい。でもオランダの国語は当然オランダ語であり、新参者の移民でない限りオランダ語オンリーで生活している。

オランダでオランダ人相手に日本人が英語のみでサービスするのは、日本で日本人相手にアメリカ人が英語オンリーで対応するのと同じくらい不利だと思う。まぁ実は、オランダ人をターゲットにした英語オンリーの客商売というのはチラホラ存在するのだけど、よっぽど魅力的で特別なサービスなのだろう。

というか、そもそも僕を含む多くの日本人にとって、英語でさえビジネスで使うとなるとかなりハードルが高い。たとえば僕は、読み書きは得意でも聴く話すが苦手という、日本人に典型的な受験英語パターン。完全にオンラインで仕事しているから成立しているけど、英語で接客するような仕事だったら初日で廃業だ。

このような言語の壁に阻まれた時、道は2つある。

1つは現地のオランダ人を雇って自分は裏方にまわり、代わりに接客してもらう方法だ。たとえば日本食のレストランを開業する場合に、オランダ人のアルバイトを雇うケースがある。ところが人件費がかかるし、店舗なども借りなくてはならない。っていうか、これはもはや本格的な起業であり、フリーランスの範疇を超える。

なにしろオランダ生活をエンジョイしたいだけなのだ。当然仕事は真面目にやるけど、固定費はできるだけ下げて開業リスクを減らしたい。

そうなると、第2の選択肢、オランダ在住日本人をターゲットにして日本語で起業という道を進むことになる。

日本語メインで英語ちょびっとという、現地在住日本人に特化したサービスが多数成立している国として、シンガポールがある。

シンガポールには、東京23区ほどの狭い国土に約3万人も日本人が住んでいる。しかもシンガポールの北側と西側はあまり開発されていないので、日本人が主に暮らしているのは南部のごく狭いエリア。さらに、この3万人という人数は、現地の日本大使館に在留届を提出した人数を根拠にしている。だから僕みたく在留届の存在をパスポートを更新するまで知らなかったモグリも含めると、実際の日本人居住者数は最盛期で8万人に達したという記事を見たことがある。

さらにさらに。シンガポールの就労ビザ取得条件をクリアしている時点で、僕みたいな底辺現地採用であっても年収400万円くらいはあるハズ。エリート駐在員ともなれば1000万円超えは当たり前だ。

つまり日本に住む日本人の平均を超える購買力を持った人たちが、山手線の内側の、そのまた半分くらいの狭い面積に、数万人という規模で固まって住んでいるのである。

異国の地で日本人をターゲットにした商売が成り立つというのは、こういう極端なシチュエーションなのだ。

一方でオランダの状況を見ると、なかなか厳しい。

オランダ在住日本人は外務省による2017年のデータでわずか約9000人。今は日本経済の衰退とコロナに伴って7000人くらいまで、さらに減ったんじゃないかと言われているけど、根拠となるデータは見つからない。

いずれにしてもオランダ在住日本人というのは公式で1万人にも満たないうえ、それが九州ほどの大きな国土に散らばっている。アムステルダム、デンハーグ、アムステルフェンなど日本人が多いと言われる都市はいくつかあれど、コロナで観光客すらいなくなった今、こうした街を歩いていても「あ、日本人だ!」となること自体が少なくなってしまった。ロックダウンで外出できない事情もあるだろうけど。

もう1つの悪材料は、ブログなどの情報露出量から考えるに、オランダ在住日本人のうち無視できない割合が、オランダ人と結婚した奥様なのである。

つまり日本食や日本食材を求めることはあれど、オランダでの暮らしに言語的/知識的な困難はあまり抱えていないんじゃないか。困ればオランダ人の家族を頼るだろうし、オランダのサービスを難なく利用できるハズ。

そんなわけで、オランダ在住の日本人に特化した日本語サービスというのは、極端に需要が少ないと考えられる。

実際、オランダ移住サポートという先輩が後輩を助ける的なビジネスを始める人をネット上でチラホラ見つけるけど、手続きサポートの力量が不足しているというクレームが調べる過程で散見された。だから僕もこうしたサポートを利用したけど、その際は良い口コミが積み上っている老舗を選んだ。

わずかに存在する日本人向けサービスさえも、レッドオーシャンの過当競争になっている感が否めない。

毎月30万円稼ごう

オランダで暮らすには毎月いくら稼ぐ必要があるか。

まぁ・・・このネタはシンガポールの時にも書いたけど、Twitterとかでたたかれる。俺はもっと安く暮らしているぞとか、逆に「貯金せず老後は帰国して生活保護か?無責任だ!」みたいな。まぁそういうアホを視界に入れない能力は、ネットでなんか書いていくうえで必須スキルである(=^・・^#=)

というわけで、ぶっちゃけ毎月15万円くらいあれば、非文化的で、あまり健康でもない、最低限の暮らしをオランダで営めると僕は思う。

オランダの生活費で大きな割合を占めるのが家賃で、光熱費も含めると月15万円くらいは居住費だけで必要になるのが普通と思う。というのも個人事業主の「事務所」として登録できる住所には法的な縛りがあり、家賃の安さだけで家を選べないのである。この法律は頻繁に変更されるっぽいので、移住サポートなどを利用する際はこの辺の最新ルールをちゃんと把握している業者かどうかを入念に確かめた方がいい。

でも中には、シェアハウスでシャワートイレ共同なのに開業登録に住所を使える穴場物件も存在するらしく、住宅難のオランダにあって運よくこうした物件を押さえられたなら、居住費を10万円未満に下げられるかもしれない。そして残り5万円から強制加入の健康保険と税金を払い、完全自炊、買い物禁止、遊びにも出かけずに暮らす。

これが月15万円のオランダ最安生活である。

楽しいかな?これ(=^・・^;=)

せっかくオランダに移住しても、毎月お金の心配ばかりしていたら楽しめないだろう。人生にはある程度余裕が必要だ。僕がシンガポールに移住したのは20代だったからノリと勢いでなんとかなったけど、あっという間に40歳が視野に入る年齢になってしまった。それこそ老後の懐事情や、保険の適用範囲なんかが気になるお年頃。今後も長期的にオランダで暮らすなら、さすがに老後の蓄えを積み上げていく必要があるだろう。

そして何より、周囲のオランダ人よりも圧倒的に貧乏という状況は、長期的にメンタルを相当蝕んでくる。

なんといってもオランダは世界で5番目に裕福な国で、オランダ人の平均所得は為替レートによるけど年収で600万円もある。

ひょえー(=^・・^=)!

しかも実際に生活していて、この金額は妥当だと感じる。東南アジアにありがちな超絶な格差社会で、ごく一部の特権階級が平均を押し上げているのではなく、オランダでは真面目に働いている人は相応に豊かな暮らしを本当に営んでいそうなのである。客観的に国連のジニ係数を根拠にすると、オランダの格差は日本よりずっと小さい。

このような世界でも屈指の裕福なオランダ人たちに囲まれて、自分だけが圧倒的に貧乏だと、どう感じるだろうか。

友達が出来て、趣味の集まりや旅行に誘われても、お財布が心配で参加できない。チャンスに巡り合ってビジネスを拡大したくても、資金が足りず見送り…。

こういうことが重なると、メンタルが被る抑圧感はマジで計り知れない。

ぶっちゃけこれは、シンガポール時代に僕が日本人駐在員コミュニティに対して抱いていた劣等感の根本原因である。だからオランダに再移住を計画する際は、もう同じ惨めさを味わいたくないと強く思った。

月収30万円。

とりあえずフリーランスの月収が30万円を安定的に超えてから、僕はオランダ移住を目指して具体的な準備を始めた。非文化的な最低限の生活水準の、2倍である。つまり収入の半分は「豊かさ」「ゆとり」「将来」に投資できるわけで、これならなんとかなるだろうと。2倍が根拠になってるか不明だけど、そういう確信があった。

その後、コロナの蔓延が本格化したけど、幸運なことに(そして結構がんばってるぜw)今ではもっと稼げているし、オランダでお金にまつわる不安はとりあえず無い。

豊かさは住む場所で決まるといわれるけど、とても豊かなオランダに住む以上、相応の豊かさは備えておいた方がいい。

ネットでオランダと関係ない仕事を取る

というわけで、日本人だけをターゲットにせず、月収30万円を目指す。これがフリーランスビザで安定的なオランダ移住を実現するハードルだろうと書いてきた。

じゃあ、どんな仕事をすればいいのか。

実はお隣のドイツにも日本人が取れるフリーランスビザがある。んだけど、ドイツに関係した仕事や、在ドイツ企業から案件を取ることが必須らしく、1年限定ならビザ出ることもあるらしけど、結局はドイツ関連の取引実績を示せないと更新に失敗するらしい。このような事例はネット上に複数あったので、事実に近いと思う。

その一方、仕事の内容を精査されない(っぽい)ことが、オランダのフリーランスビザが最強である所以だ。

つまり法人口座に預けた60万円程度のデポジットを維持して、オランダの生活費を賄えさえすれば、免許が必要な規制産業以外はどんな方法で稼いでも良い。

ぶっちゃけ英語ができない人でも、インターネット上で日本に住む日本のお客さんだけをターゲットにしても良いのだ。なんのためにオランダに住んでいるのか疑惑はあれど、これはまさに最強 of 最強。

なぜって、日本にいながらノーリスクでオランダ移住の準備ができるのだ。

日本で個人事業主登録して、その法人名義でお客さんを獲得していく。この際は対面での営業を一切せず、すべてインターネットで仕事を完結させるようにする。ある程度英語ができる人は、この段階で日本にいながら海外からもお客さんを獲得できる。

そして実績が積み上がり、月収が30万円を超えた段階で、日本の個人事業主登録を廃業して、オランダに個人事業主法人を立ち上げる。あとは必要なお客さんに「オランダに移転しました」連絡をすれば完了である。もともとインターネットで完結しているわけで、お客さんと問題になるのは対応する時差くらいのものだった。

そんなわけで。

長々と書いてきましたが、まとめると、フリーランスビザで安定的にオランダ移住を実現する方法は、日本いるうちにインターネットで月収30万円稼げるようになり、その収入をそのまま引っ提げてオランダで開業することです。

ししもんは皆様のご武運を願っていますぜ(=^・・^=)♬