瞑想でフラッシュバックが増えたのでデジタルデトックスとジョギングで治す

オランダの新規コロナ感染者は毎日6000人以上。日本と比較すると多いように感じるけど、気温が上がってバケーションリーズンも近づき、なんだか規制緩和ありきの政府決定が続いているように感じる。

どうやらワクチン接種が完了すれば、今年は条件付きで海外旅行も解禁されそう。まぁ渡航先の国がオランダの民を受け入れてくれるのかは、まったく別の話なのだけど…。

僕はというと、移住2年目にも関わらずオランダ国内を全然見てまわるチャンスがなく、いまだに「おっかなびっくり外国に住んでいる」というイメージのまま。オランダに飽きているオランダ人はバケーションで海外に行きたいだろうけど、僕は逆に人が減ったオランダの都市を巡ったら楽しいのではないか。

そこで必要になってくるのが運転免許である。

オランダは欧州諸国のなかでも鉄道網が良く整備されていて、運行システムも日本と近く感覚的に利用しやすい。でも地方都市の公共交通機関は日本と同様にショボいので、現地の足としてレンタカーが必要になる。

JRみどりの窓口では新幹線とレンタカーと宿がセット販売されているけど、結局この三点セットが一番効率的なのである。

フラッシュバック

オランダと日本はともにジュネーブ条約に加盟している。だから日本の免許を更新するときに警察署で国際免許証を買っておけば、割と簡単にオランダでも運転できるようになる。

でも当然ながら「実際に運転できる能力」は別の話。

一番ヤバいのは右側通行なんだよね。日本もシンガポールも左側通行だったから、今でもとっさに左に避けてしまうことがある。

さらにオランダの道路システムは複雑で、車道と歩道に、路面電車と自転車道が加わる。つまり信号機が4種類あるわけで、こりゃー現地の教習所に通った方が良いよなーと思っている。

そして僕の場合、車の運転で注意しなきゃいけないのが「フラッシュバック」である。

嫌な記憶にまとわりつかれた時の対処法

PTSDとかじゃないのに、僕は子供のころからフラッシュバック持ち。

昔の記憶が何の脈絡もなく蘇ってきて「今」の意識を乗っ取る。こうした記憶は主に「恥ずかしい」「失敗した」「他人を傷つけた」時のもので、思わず「うっ…」と身体がこわばる。

そして、あたかも記憶の世界に引きずり込まれたように、一瞬だけど感覚すべてを支配されてしまう。

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これが運転中に起こると危険なのだ。

しかも最近、このフラッシュバックがさらに悪化している。まず回数が増えているし、記憶の映像がだんだん鮮明になってきた。

この蘇ってくる記憶は、今までは紙芝居みたいな感じで、動画というよりは情景ごとの連続写真だった。最近これが明らかに動画になって、さらに記憶によっては音まで聞こえるようになってきた。フラッシュバックが落ち着いた時に「そうそう、この人ってこういう声だったわー!」などと懐かしく感じたり。

家族構成や住んでいる家から推定するに、フラッシュバックで蘇ってくる記憶で最も古いのは3歳未満。

自分の視野が異常に低くて、身体が幼児であることを伺い知れる。リアルにコナン。さらに床から立ち上がる際に「躊躇する」感覚もある。こんな情報が35年も脳に保存されてたんだな~と我ながら感心することも。

僕の生活は数年ごとに劇的に変化するので、3年前とは住む国も、仕事も、人間関係も、まったく違う。だからフラッシュバックが悪化した原因というか、記憶が鮮明化している要因を特定するのは難しい。

でもなんとなく、瞑想が影響してるんじゃなかろうか。

瞑想ってこれであってるのだろうか

シンガポールでヴィッパサナ瞑想の講習会に参加して来た

教師あり機械学習

ディープラーニングとか機械学習が流行っていると思っていたら、あっという間に当たり前の日常になってしまった。

こうした「AI」技術に興味を持って自分でも作ってみようと思ったら、まず登竜門になるのが「手書き文字認識」である。手書きしたアルファベットの画像を読み込ませると、それを認識して活字で打ち出してくれるプログラムを書くのだ。

これをゼロから作る本が局所的に大流行したこともあり、たとえワクチンを作れなくても日本人の知的水準は捨てたもんじゃないと思う。

僕もこの本を買って写経したんだけど、要するに「機械学習」とは、サンプルをたくさん解析することで適切なパラメーターを自動で設定する仕組み、と言える。

この仕組みは人工知能と呼ばれるように、人間が物事を認知する仕組みと似ている。たくさん練習すると、その分野に必要な脳の神経回路が整い、もっと上手にできるようになるわけだ。

そう考えると、フラッシュバックが発生する以上、僕の脳みそには「フラッシュバック回路」が整ってしまっている。そしてこの神経回路を毎日何度も発動させることで、フラッシュバックがさらに発生しやすいように回路を強化しているのではないか。

要するに過去の記憶にアクセスしやすくなっているわけで、この原因として思い当たるのが瞑想である。

フラッシュバックが悪化した時期と、瞑想をある程度会得した時期は重なる。他にもいろんな要素が関わっているとしても、瞑想を実践すると過去の記憶が蘇るというのはよく聞く話。

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メンタルの安定に良かれと思って始めた瞑想なのに、フラッシュバックを悪化させるとは皮肉という他ない。でも一方で、睡眠の質や仕事中の集中力には、瞑想は明らかに良い効果を発揮している。

だからフラッシュバックが悪化した原因として瞑想が疑わしくても、ここでスッパリ止めてしまうのは違うと思う。

デジタルデトックスとジョギング

フラッシュバックで蘇る記憶は、パターンが決まっている。過去の記憶が無限に湧いてくるんじゃなく、本当に限られたいくつかの場面だけが、繰り返し何度も意識をジャックするわけ。

僕は24時間Apple Watchを腕に着けているので、メモアプリを入れてフラッシュバックした内容を記録することにした。これはラベリングと言われる方法で、自分の精神状態を客観視するのに有効だと言われている。

このラベリングの結果、頻繁にフラッシュバックする記憶は30種類程度しかないことが判明した。そのうち、毎日のように意識をジャックしてくる場面というのは、わずか10種類ほど。残りの20は「たまに」って感じだ。

この頻繫に攻撃してくる10種類の記憶をそれぞれ冷静に分析すると、「家族」「学校」「会社」「電車」とか、特定の情報がトリガーになっていることが判明した。

たとえば、幼稚園に通っていたころ、先生のひとりが交通事故で亡くなった記憶がある。スクーターに乗って帰宅する途中、トラックに跳ねられたのだ。幼稚園主催のお別れ会に参加した帰り道、車が農場のあたり(この記憶は臭いがする)を通過した時に「先生が死んだことを父親に内緒にしろ」と運転する母親から命令された。

まさに命令という口調だった。

日頃から不仲な両親だったけど、この時は特に危機的な状況だった。身近な人の「死」という幼稚園児としてはショッキングな出来事の直後に、家族がバラバラになる可能性が降りかかり、安定した拠り所がどこにもない不安と、自分の無力さに心が潰れる。

推定するに5歳くらいの記憶だ。

「幼稚園」「交通事故」「離婚」みたいなキーワードというか、そういう情報に触れたときに、この記憶が自動的に湧いてくる。つまり、「幼稚園」「交通事故」「離婚」という情報と、この記憶を結びつける神経回路が強固に作られてしまっている。

どうにかこの脳回路を遮断できないだろうか。

そう考えたとき、触れる情報量を減らすというのを最初に思い付いた。

要は「幼稚園」「交通事故」「離婚」を連想するような情報を、主にインターネットから無意識に仕入れている。芸能人が「離婚」したニュースや、長女が「幼稚園」に入学しました!みたいな投稿を見ると、無駄に例の記憶につながる脳回路が発動してしまうのである。

これではフラッシュバックを練習しているようなもんだ。

勉強を止めると成績が下がり、スポーツの練習を止めると下手くそになるように、脳回路を発動させる情報を減らせばフラッシュバックし難くなるのではないか。

そこでまず、雑多な情報を入れるのを止めた。

具体的には

  • SNSを止める
  • ニュースを見ない
  • 小説を読まない

ことにした。

結局、無駄な情報のほとんどはニュースとSNSである。ニュースとSNSから得られる情報は、完全に無くなっても本当にまったく困らない。

さらに僕はオーディオブックのファンだ。AudibleというAmazonが運営するサブスクに登録してApple Watchにデータを入れ、散歩しながら聞くのを日課にしている。

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主に聴いているのは日本語の小説や英語のファンタジー。ところが小説やファンタジーなど、登場人物の人間関係を描く内容はフラッシュバックの原因になる。そこで物語性のある本は捨てて、Audibleに意外と充実している科学とか哲学とかの難しい解説書を、お経のように聴くことにした。

その結果、Apple Watchのメモでラベリングしたところ、聴いている最中に発生するフラッシュバックが半分以下になった。

さらにその過程で気付いたのは、ジョギングしている最中はフラッシュバックが起きないということ。理論上、起きている時間ずっと走り続けていればフラッシュバックと無縁の暮らしを実現できる。

都合の良いことに、走りながらお経のように聴いていた脳科学の本によると、同じ動作を繰り返すリズム運動をすると、セロトニンという心の安定を司る脳内物質が放出されるらしい。

というわけで、散歩は止めてジョギングに切り替えることにした。まぁ体力が無くて半分くらいは歩いているけど…。

不要不急の情報を生活から排除して、朝晩2回30分ずつジョギングすることで、今のところフラッシュバックを軽減することに成功している。サンプル数1の独自研究ではあるけれど、何しろお金も道具も必要ないので、フラッシュバックに苦しんでいる同士諸君は試してみて損はないと思うよ(=^・・^=)♬