大麻マリファナは発達障害的な不眠症や衝動性に効果があるか2年間人体実験した

※この記事には日本人の大麻の使用や日本のマリファナ解禁を促す意図はありません

ドイツやタイなど世界では大麻(マリファナ)の解禁が進められているのに、日本では逆に大麻使用罪の制定が検討されていて、世界各国の動きに逆行している感がある。

まぁ、昔の僕であればこの状況から「日本はダメ」論に持っていくのだろうけど、酒やタバコのレベルで大麻が日常的なオランダで暮らして3年目になる今となって、ようやく僕ももう少し深く考えられるようになった。

要するに、酒とタバコだけで既に問題が起きまくってるのに、効精神作用がある嗜好品の3つ目としてわざわざ解禁するほどに、大麻には有益な効果があるか、ということだ。ここを吟味せずに安易に大麻解禁すると、酒とタバコがもたらす健康上、社会上の問題を、さらに大きくするだけではないか。

しかも、そうした健康上、社会上の効果や問題だって、多岐にわたる。僕の素人知識を前提に、そのすべてを考慮した意見を述べることは不可能だし、書いたところで説得力を持たない。

ただそれでも。

日本とシンガポールの合計10年間のサラリーマン生活で発達障害的な不眠と衝動に散々困った僕が、必要に応じて大麻を定期的に2年以上接種した結果、既存の困りごとが具体的にどのように変化したか。それによる有益な効果は、健康上、社会上の弊害を上回っているのか。こうした一次情報であれば、日本語でネットに撒いておく価値がある程度あると思う。

発達障害と大麻というクソニッチな情報だけど、あくまで僕個人の体験記として参考にしていただければ幸いです(=^・・^=)♬

オランダの大麻事情

大麻解禁の話題で頻繁に引用されるオランダなのだけど、実はオランダでも大麻は違法だ(!)。EUの薬物排除に対する取り組みとオランダ国内の実情を両立させるための大人の事情感が強いのだけど、要するに「処罰しないけど悪いことだってのは忘れないでね」といった感じ。

実際は、病院に行けば必要に応じて医療用大麻を処方してもらえるのはもちろん、嗜好品としての大麻も民間療法的なノリで人々の普通の暮らしに溶け込んでいる。女性が生理痛を軽減させるために大麻を喫煙したり、ストレスで眠れない夜に大麻入りキャンディーを食べて寝る人も普通にたくさんいる。

化学薬品であるピルや、大麻より毒性が強い(とされている)アルコールに寝酒として頼るよりも、自然の植物そのまんまである大麻の方が健康上の負担が少ないに違いない、という漢方薬みたいな発想である。

オランダで大麻が文化として浸透しているのを実感した僕の体験として、子供連れも参加する料理持ち寄りのクリスマスパーティーでの出来事がある。

ご近所のイタリア人カップル宅で開催されたのだけど、ママ特製の大麻ケーキ(スペースケーキ:宇宙みたいな浮遊感を味わえるというニュアンス)がドデデーンと登場し、子どもに向かって「あんた達、これに触ったら速攻でおウチに連れて帰りますからね!!」といった感じ。

子供の教育上、マジで大丈夫なの(=^・・^;=)?

と僕が突っ込むと、「オランダで成長していく以上、どこかでマリファナを体験することになるし、もっとヤバい薬物についても距離感を身につけないといけない。そういう現実を子供の目から覆い隠すのはナンセンスだよ」という、非常に実際的な意見が返ってきた。

大麻で酔う感覚と副作用

こんな感じで、オランダの日常生活に溶け込んでいる大麻なのだけど、そもそも大部分の読者はそもそもモノを見たことも、摂取したこともない「はず」である。だからまぁ、大麻で酔っぱらうとは如何なる体験なのかを言語化してみる。

ひと言でいうならば「脳みそにだけ効く酒」という感じか。

マリファナで酩酊する感覚は、アルコールのそれと結構似ていると僕は感じる。ネガティブな思考ループが断たれ、わけもなく楽しくリラックスした気分になれる。さらに摂取すると意識がもうろうとしたり、眠くなるところも同じだ。

でも、アルコールの場合は顔が赤くなったり、心臓がドキドキしたり、飲みすぎると吐き気がしたり、身体への影響とセットで酩酊がやってくる。それに対して嗜好品の大麻を適量摂取すると、その効果は主に脳だけに現れる。過剰摂取しなければ。

顔は赤くならないし、心臓もバクバクしないし、過剰摂取しない限り吐き気も(僕の場合は)しない。ただAppleWatchの心拍計で安静時心拍数を計測したところ5~10%くらい心拍数が上がっていた。だから軽く2倍以上も脈が速くなるアルコール程ではないにせよ、完全に身体症状が出ないという説明には僕は懐疑的である。スペースケーキみたいな大麻入り食品を食べると翌日下痢をすると訴える友人もいる。

あと、身体的な副作用もある程度あって、ほぼ全員が体験するのが粘膜の乾燥である。唾液や涙が正常に出なくなり、口や目が異様に乾く。のどが渇くと表現しているサイトも多いけど、実際は水を飲みたいというより、ろれつが回らないほど舌がパサパサで口の中を潤したい感じ。

目の乾燥は重症ドライアイと同じで、目薬を差さないとまぶたが張り付いて瞬きできないほどカラカラになる。

同様に有名な副作用が、食欲増進である。マンチ(Munch 英語)とか言われる状態で、とにかく腹が減って仕方ない。ポテチとかジャンクフードを酔った勢いで食べ過ぎないように、僕はブドウやミカンみたいな、そのまま食べられる果物をつまみに用意しておく。前述のように口が乾燥するので、ジューシーな果物は大麻で酔ってるときに本当に美味しく感じる。

とはいえ、大麻の有効成分であるカンナビノイド(THC)の受容体は、脳など限られた臓器にしか存在しないということになっているので、原理的には脳の特定の部位など、限られた部分にしか効果を及ぼさない。

過剰摂取は恐ろしい

次に大麻を過剰摂取した時の経験を書いておこう。

酒の場合、飲みなれておらず、自分の限界量を把握していないと、あっという間に飲みすぎて急性アルコール中毒で死ぬこともある。大学サークルの新歓での事故が典型的だ。

でも大麻の場合は過剰摂取による死者は歴史上1人も出ていない、ということになっているのだけど、だからと言って勢いに任せて大麻を過剰摂取すると、気持ちよさからは程遠い状態に陥ることがある。

まず正常な知能(認知能力)が一時的に失われ、目的地に止まる電車に乗ったり地図や時計を読むことすら難しくなる。頭が悪すぎて迷子になったり、事件や事故に巻き込まれる危険性があるため、自宅かご近所宅でしか僕は大麻を接種しない。

さらに意識が朦朧とするほどに過剰摂取すると、視界が狭くなり、文庫本くらいの領域しか見えなくなる。その外側、つまり視野の大部分は黒い影になる。脳の機能が低下した結果、目から入ってくる動画データの処理が追いつていない感じだ。

酷いドライアイで目を開けていられないのも相まって、僕は移動が必要ない状態でしか大麻を接種しない。当然、大麻に酔った状態での車や自転車の運転は、オランダでも明確に違法で刑罰の対象である。

あと、スペースケーキみたいな大麻食品(エディブル)を過剰摂取すると胃腸の問題を引き起こす。僕の場合は食べ過ぎると吐き気を催すけど、翌日に下痢が止まらないという友人もいる。

そもそも、乾燥させた大麻草であるバッズや粘土状に加工したハシシュを喫煙する場合は5~10分くらいで効き始めるのだけど、大麻食品エディブルは腸から吸収されて脳に運ばれ効果を感じるまで30分から1時間もかかる。だから「効かねぇな。偽物つかまされたか?」とか思っているうちにうっかり食べ過ぎてしまい、大変なことになる(なった)。

ので、良い子のみんなは注意してほしい(=^・・^;=)

大麻の悪酔い: バットトリップ

以上が過剰摂取による身体的な悪影響なのだけど、大麻の取り過ぎにはメンタル面での弊害もある。

この大麻の「悪酔い」はバットトリップと呼ばれ、特に初めての大麻なのに摂取量が過剰だった時に起こりやすい。

ええ、僕も体験しましたとも…。

バットトリップに入ってしまうと、潜在意識に巣食っているネガティブな感情が際限なく意識の表層に上がってきて、悲しくなったり、不安になったり、自分なんて生きている価値がないような気分に苛まれる。しかも大麻に慣れていないものだから、これから症状がどうなっていくのか不安で仕方ない。さらに急性アルコール中毒と違い、大麻の過剰摂取には腸洗浄みたいな救急措置がない。

死んだり後遺症が残ることは絶対ないと言われても、この絶望はなかなかキツい体験だった。しかも大麻食品の食べ過ぎでバットトリップに入ってしまったので、抜ける(THCの血中濃度が下がる)まで丸1日かかった。翌日は酷いブレインフォグで呼吸する屍である。

なお、仲間と一緒に大麻を燻らせてバットトリップに陥ると、その場の全員が信用できなくなり、この世に自分の味方なんて誰一人いないような寂しさが襲ってくるので、初めての大麻は独りでほんの少量づつ試した方がいいと思う。

ここまで読むと、それなら酒の方がよっぽど良いじゃないかと感じると思う。

実はそのとおりである。

医療用大麻みたいな効果はアルコールには無いにしても、嗜好品としての「気持ちよさ」は僕の独断と偏見によると酒の方が数段優っている。実際、バットトリップを克服して自分の身体に合った適量を見つけ出しても、酒よりも気持ちよくなれず、僕はしばらく大麻を買う気にならなかったくらいだ。

大麻で酒を超える快楽を得るには、それなりな「練習」と知識が必要なのである。

嗜好品として大麻を最大限に楽しむ方法については別の機会に書く。ちなみにオランダでの末端価格は1回分で1000円くらいなので、コンビニでビールと肴を買うような気軽さで楽しめるよ。

発達障害と大麻

それではいよいよ、発達障害的な困りごとを大麻で改善できるのか、睡眠、不安、衝動性について書く。なお、これらは自分の適量を知り、その日の健康状態に合わせて接種した場合であり、うっかり過剰摂取した場合は害しかないので注意だ。

睡眠

僕は長年、睡眠に問題を抱えてきた。

特に翌日に大きな予定があると、それを意識しないように頑張っても一睡もできない夜もある。こういう不眠は運動会や定期試験など、子供のころから変わってないので、これはもう脳の休息を司る回路がぶっ壊れているんだろう。

発達障害的な症状に困っている人は、睡眠にも悩んでいることが多い。類は友を呼び、僕の周りには診断済みの人や、それっぽい人が多いのだけど、そんな僕の周りの彼らの場合、男性は不眠に、女性は過眠と睡眠リズムに困る傾向がある。

安心と休息を司る脳内ホルモン、セロトニンを介した神経回路の異常が発達障害だとする学説があり、そういう文献を読むとやはり睡眠の問題は発達障害とセットで発生するようだ。

そんな睡眠に課題を抱えた人は、手元に大麻があると安心できる。

寝るべき時間が近づいてきたのに「今夜は寝付けないだろうな」と確信したら、大麻入りキャンディーを適量食べるだけ。経口摂取は酔っぱらうのに30分くらい必要なのだけど、フワッとTHCが脳に到達した感覚を強く意識して床に就くと、確実にぐっすり眠れる。

僕の場合だけど、適量の大麻を接種して寝られなかったことは一度もない。

しかも寝酒と違い、大麻を利用したときの睡眠の質は、それが適量であればかなり高い。もちろん、適量であっても翌日にTHCが残るので、自然に寝られたときのスッキリ感には劣る。だとしても確実に75点くらいの睡眠が取れるわけで、これは心強い。

さらに確実に眠れるにも関わらず、睡眠薬や精神安定剤と比べて依存性と副作用が少ない。どうしても寝られない時の頓服として1か月に数回使うくらいなら、依存は起きようがないと思う(後述)。

僕はフルニトラゼパムというレイプドラッグとして悪名高い睡眠薬と、強い依存性で悪名高いデパスという精神安定剤を長いこと(4年くらい)服用していたのだけど、これらを断薬する際に地獄の苦しみを味わった。

1週間ほぼまったく寝られず、悲しみと自己否定感が次から次へと襲ってくるデパス断薬の苦行と比べたら、大麻の耐性獲得と依存性はとても軽いと言えるだろう。

ただし、大麻にも確実に耐性獲得と依存性があるので、それについては後述する。

不安

僕にはメンタルの調子が悪い日がランダムにやってくる。

と思っていたのだけど、最近、メンタルが腸内環境とリンクしていることに気づいた。食物繊維が少なく、酸化した油と炭水化物をたくさん食べた翌日は、とにかく全方位にネガティブ全開で、過去のトラウマが蘇る「フラッシュバック」の波状攻撃に晒される。

そんな不安感に苛まれたときに、大麻を接種して改善できるかは、かなり微妙なところだ。

自分の健康状態に合わせた適量をよく心得ていれば上手いことリラックス状態に持っていける。でも精神的に不安定(ネガティブ)な状態で大麻を接種すると、慣れていてもバットトリップに入る危険性が高い。そうなると自己否定感が暴走して間違いを起こしかねないので、大麻のリラックス効果に頼るのはメンタルにある程度余裕がある時が良いと思う。

ただ僕の場合、大麻でリラックスしているときはフラッシュバックが起きにくいのは明らかで、精神的な疲労にまつわる困りごとを大麻で軽減する練習は今後も続けていく。

不安感や焦燥感に苛まれた時に大麻に頼るのは、現時点ではお勧めしない。

衝動性

僕は工作が大好きで、衝動が発動するとマーブルマシンを作り始める困った癖がある。マーブルマシンってのはレールの上をビー玉が次々と転がっていく装置のことで、針金と溶接器具があれば発想を自在にカタチにできるのが良い。

ところがこれ、完成しないのである。

しょせんは発達障害に起因する衝動(思いつき)に過ぎないので、計画はすぐに行き詰る。それでも意地になって過集中など投入しつつ、徹夜で朝まで作業したりするのだけど、結局は衝動エネルギーが枯渇した段階で投げだすことになる。

マーブルマシンは完成品を見ているのが一番楽しいのだ(=^・・^;=)

などと得心して終われば時間の無駄で済むのだけど、衝動から過集中を発動させているため、疲労困憊して24時間の布団療養が必要になる。こういう強い衝動は大抵金曜日の夜に発生するので、目の前の金属クズをこしらえるために貴重な週末を無駄にするのだ。

日曜日の夜にぐったりしながら過集中の後遺症から抜けると、ほんと自分は何のために生きているのかとネガティブ スパイラルが全開になる。

発達障害的な衝動に憑りつかれる感覚は、普通の人には理解しにくいと思うけど、なんか物凄いアイデアと行動力が突然湧いてくるんだよね。そんで「これを実現すればノーベル賞だ!」「明日の朝までに人生一発大逆転!」「世界をひっくり返してやる!」みたいな、荒唐無稽なことに本気で取り組んでしまうのである。

どんなにすごいマーブルマシンをこしらえたところで、ノーベル何賞の対象か謎だし、そんなことで世界がひっくり返るなら宇宙などとっくに崩壊している。

そんなことは完全に理解しているのに、理性は衝動にすっかりハイジャックされていて、2日棒に振るとわかっていながら自分の行動を止めることができない。

そこで大麻です(=^・・^=)♬

発達障害的な衝動から抜けて過集中を止める際に、大麻が発揮する効果は絶大で、これに関してはアルコールよりもずっと強力である。

過剰摂取したときの症状からもわかる通り、大麻のリラックス効果は「知能の低下」によってもたらされる。ようするに、難しいことを繰り返しグルグル考えるための思考力が損なわれる結果、「なんかもう全部どうでもいいや~」ってなお気楽ハッピーになる感じ。

「この全能感は衝動だ!金曜日の夜だし!」と思ったら、理性が支配されるまえに大麻キャンディーを食べておく。すると30分で手先がおぼつかなくなり、ノーベル賞間違いなしのアイデアが霧の中に消え、すでに世界を3回ひっくり返したような満足度感がやってくる。

あとは眠くなるまで摂取量を徐々に増やし、寝てしまう。翌朝スッキリ目覚めると、それは危うく過集中で失うところだった貴重な土曜日の朝である(=^・・^=)♬

大麻の依存性と耐性獲得について

酒、タバコ、大麻。ソフトドラッグとして分類されるこれらの嗜好品が問題になるのは、依存性と耐性獲得作用があるからだ。

まず1度手を出すと、同じ快感を求めて何度も摂取するようになり、それが習慣化してしまう。これが依存だ。

さらに最初に満足できた量では徐々に物足りなくなり、1度に摂取する量がどんどん増えていく。これは身体がその物質に慣れてしまい、同じ量の刺激では同じ快感を得られなくなるのが原因だ。

そしてこれらの問題となる性質は、大麻にも確実に存在する。

依存性は相当弱い

吐くほど深酒した翌日に、ツラかった記憶をケロッと忘れてまた飲みに行く。

そんな経験は僕くらいのアルコール中毒者だと普通なのだけど、バットトリップに入ったら少なくとも1週間は大麻など見たくもないし、オランダの街を歩いていて路上喫煙の臭いが鼻を突くと、経験した絶望感が強くぶり返す。

酒やタバコと比較して、大麻の依存性はとても低い。それは2年以上定期的に使用して実感している。

なんかこう、2日目、3日目と常用していくと、リラックス効果やネガティブを封印するチカラがどんどん弱くなり、それでいて口と目が渇き、マンチで過食して気持ち悪くなるマイナス効果がどんどん大きくなる。

実験として4日目もキャンディーを食べようと思ったけど、もう視界に入れるのも嫌な感じになり、その後1週間は大麻を不快に思う効果が持続した。

これでは依存しようがない。

それでも長年使用していると…と思うかもしれない。ところが、もう2年間も定期的に摂取しているにも関わらず、酒を無性に飲みたくなることはあっても、大麻を無性に摂取したくなることはない。

大麻推進派が主張する「依存性がない」というのは、いささか誇張だと思う。けど、かと言ってアルコールやタバコを止められないのと同じ強さで、大麻に依存することはかなり難しいと思う。

耐性獲得

そんなわけで、大麻を連続して毎日摂取すると副作用の方が優って数日中に嫌になると書いたけど、その原因が耐性獲得である。

耐性獲得、つまり身体が大麻に慣れる速度はめちゃくちゃ早い。酒も頑張って飲んでいると強くなるけど、大麻はアルコール以上に耐性が付きやすい。僕の場合は同じ酩酊感を得るのに必要な大麻の量が、連続摂取すると毎日1.5倍ずつ増えていく。

3日目には1日目のなんと3倍以上の大麻を接種しないと、同じ酩酊感を得られない。ところが肝臓がTHCを分解して排出する速度は一定なので、翌朝の血中に残る量もガンガン増えていく。

従って、わずか3日間連続摂取しただけで、起きてるんだか寝てるんだかわからないパッパラパー状態になってしまう。当然仕事の能率も激下がるし、ブレインフォグのような感覚で何をしても楽しくない(追い大麻しても楽しくなれない)。

そして何より身体が慣れたことで、大麻がないと眠れなくなってしまうのだ。たった3夜連続で大麻に頼って寝ただけで、4日目にはもう意識をOFFする脳のスイッチが見つからなくなる。

なお、そんなコンディションでも日常のやるべき仕事をこなすために、コーヒーを飲みすぎてカフェイン中毒に陥りがちだ。ジャンキーなオランダ人はこうした大麻の不快感を解消するために、強い覚醒作用のあるアッパー系違法薬物、コカインやアンフェタミンに手を出すこともあるらしい。

ただ幸いなことに、耐性が付くのが早いぶん、耐性が失われるのも早い。

3日間連続摂取した時も、その後2日間デパス断薬の時のような質の悪い睡眠に耐えれば、大麻なし3日目の夜にはまた普通に寝られるようになる。

だから日中のパフォーマンスを維持しながら大麻を楽しむなら、結局は3日に1度くらいのペースで軽く酔っぱらうのが限界ということになる。睡眠導入剤や衝動ブレイカーとして頓服とするにしても3日に1度が限度であり、それ以上のペースで血中濃度を上げると、睡眠不足や過集中後遺症よりも日中のパフォーマンスがむしろ下がってしまう。

喫煙と経口摂取

ところが実は、毎日24時間ほぼずっと大麻の効果を楽しんでいる人がオランダには大勢いる。路上で吸ってるジャンキーなんて、ほとんど全員そうだろう。

そういう人は大抵、喫煙によって肺からTHCを接種している。喫煙は抜けが良く短時間で血中濃度が下がるし、過剰にならないように少量ずつチョボチョボ吸うことが可能なのだ。

ただ大麻だって植物を燃やした煙を吸うわけで、タバコと同じレベルで健康に悪いと思われる。実際、パラフィン紙に巻いて喫煙すると、吸い口(フィルター)にべっちょりと焦げ茶色の油分が付着する。当然、このタールみたいな油は肺にもべっちょり溜まっていくに違いない。

僕は運動するのが好きだし、気管支が弱いこともあって、タバコは吸えない。だから友達の家などでジョイント(大麻を紙で巻いたタバコ)が廻ってきたときには「お付き合い」程度に1口吸うにしても、普段自分で使うときは大麻キャンディーみたいなエディブルで経口摂取である。

大麻食品による経口摂取は、効果を感じられるまで30分以上かかる上に、食事からの経過時間や、胃腸の調子によっても効果の強さが変わってくる。おまけにウンコとして完全に体外に排出されるまで、ほぼ1日腸管内に留まるわけで、とにかく抜けが悪いし耐性も付きやすい。

喫煙とエディブルの選択は、どちらも一長一短であり、その人の価値観によるだろう。

大麻合法国に移住するほどの価値はない

というわけで、僕はオランダに移住して合法的に大麻を活用し、睡眠と衝動性にまつわる困りごとを完全に解決できた。でも「大麻は発達障害の特効薬!」とは言えない。

あくまでも一番効果があったのは、働き方や生き方の根本的な改善である。

僕には家族を作る予定がない。だから老後の不安を合理的に解決するために、オランダ国籍取得を目指している。将来的に認知症を患ったり、重篤な病気や怪我で回復の見込みがない要介護状態になってしまったら、オランダ人になれば医療安楽死を選択できるのだ。

あと、アスペルガー的に空気が読めず、社会常識や暗黙の了解に従うのが苦手なんだけど、さまざまな民族の「普通」や常識が多層的に入り混じった多民族国家のカオスの中では、僕みたいな傾奇者も周囲と衝突せずに楽しく暮らせる。

むしろ明確な考えに従って具体的に人生をガシガシ改善していると、オランダの人たちは何やら僕に興味を持ってくれ、一定のリスペクトを示してくれる人さえいる。

こんな風に僕がオランダ移住を決意した理由はたくさんあるのだけど、発達障害的な困りごとを大麻で改善するためだけに、わざわざ大麻が「合法」なオランダやカリフォルニアに移住する価値があるかどうかと問われたら、明らかにNOである

睡眠と衝動性の課題に、大麻がある程度有効だとしても、やはり根本原因を潰すことが最も効果が高い。

僕の場合、仕事自体はある程度デキるのに、肩書を背負った会社員としての人間関係がストレスだった。というか周りの人達に迷惑かけてばかりだった。でも今は自営業になって、仕事だけキッチリこなせば誰とも会話する必要がなくなり、得意な能力だけで勝負できるようになった。

苦手な能力は評価されないので僕のストレスレベルは劇的に下がり、不眠症も改善した。

その上で大麻が最後のピースをはめた感じだ。

衝動性にしても、リアルが充実したことで大きく改善した。そもそも金曜日の夜に家で独りで悶々とすることがなくなり、いつものメンバーとジムでウホウホ運動してサウナで蒸され、気持ち良い疲労感を味わえるようになった。

それでも脳の構造的に衝動はやってくる。そしたら大麻でささっと解消するものの、あくまで補助的な使い方である。

オランダの社会システムやオランダ人の気風が自分と合っているならば、オランダ移住によって生き方や働き方が改善し、発達障害的な困りごとの解決につながる可能性はある。その上で解決しない課題に大麻を活用すれば、最後に残った症状とも折り合いをつけられるだろう。

大麻は発達障害の特効薬ではない。

長々と書いてきたのに、こんな結論で申し訳ない(=^・・^;=)