オランダで合法であるマリファナを、もう10年練習している瞑想に取り入れたことで、アクセスできる記憶の範囲が劇的に広がった。単純にマリファナで酔っぱらった状態で瞑想を試みるだけなんだけど、そりゃもう「こんな記憶が残ってたのか!」とびっくりするほど古い情景がポコポコと浮かんでくる。
場合によるけど、音声付きのカラー映像で過去の体験を呼び出せることもある。まぁ内容の信憑性は乏しいのだけど、これを超越瞑想と呼ぶらしい。
祖母が認知症になったとき、記憶は脳ミソに残っているけど、そこに至る神経回路が切れて記憶を呼び出せなくなってるという話を聞いた。ドングリの隠し場所を忘れてしまう冬眠前のリスのように、程度の差はあれど我々も忘れられた記憶を脳に溜め込みながら日々を生きているのだ。
人間の人格は遺伝子由来の素地の上に、過去の体験が積み重なって形成されている。
たとえば「セロトニン運搬遺伝子」の型によって「仕事は大雑把だけど鬱病になりにくい」とか「厳密な仕事に向いているけど鬱病になりやすい」とか、生まれながらの人格が決定される。前者の遺伝子型はたとえばラテン系民族に多く、後者の遺伝子型は日本人などアジア系に広く分布しているらしい。
こうした人格を引っさげて様々な体験を重ねるうち、「収入は低いけど明るく楽しい人生」とか「抗うつ薬を飲みながら年収1000万円稼ぐ人生」が徐々に形成されていく。
そんなわけで寝る前に大麻キャンディーを食べて、夜な夜な古い記憶を掘り返しては自分の人格がどんな体験で形成されてきたのかを研究している。そしてあわよくば、不都合な記憶に対処することで、考え方や性格を思い通りにデザインできたらいいな。