日本社会の洗礼: 就職説明会

マイナンバーの根腐れシステムを作ったのが富士通だと聞いて、今年一番の大笑いをした。

富士通の印象は最悪だ。なお、富士通の技術力も最低だと思っている。

今からさかのぼること19年。ピチピチの大学3年生だった僕は、富士通が参加する合同就職説明会に足を運んだ。とりあえずIT系のどこか大企業に入れば食いっぱぐれないだろう、くらいの軽い気持ちだった。

昔から学校が肌が合わず、大学の雰囲気も嫌いで、講義にはほとんど出ずにゲーム会社でプログラマーとして朝から晩まで働いていた。だから自分の技術力が社会である程度通用することを認識していたし、まぁつまり企業から招かれざる、扱いにくい学生だったことは間違いない。

僕が就職先に求めていたことは2つ。残業が少ないことと、転勤が一切ないこと。

この条件が日本のIT企業の労働条件と全く合致しないことを知るのは、それから2年経って鬱病と診断されてからである。

まぁそんなわけで、根腐れ日本社会の厳しさをまだ知らなかった僕は、意気揚々と富士通の就職説明会に向かった。

愛車のホンダ ホーネットで。

リクルートスーツで会場が真っ黒に染まる中、僕だけライダージャケットである。言われた通りに平服でお越しいただいたわけだけど、こんなに浮くとはさすがに思わなかった。

でもまぁ当時はまだ自分に空気を読む能力がない事実に気付いていなかったので、説明会が始まると意気揚々と手を挙げて質問した。

1週間のうち何日くらい定時退社できますか(=^・・^=)?

正直、めっちゃ浮いてたと思う。でも返ってきた入社3年目だという男性社員の回答に、僕は愕然とした。

「入る前からそういうことを気にする人は富士通に向いていません」

いや~、本当に愕然としたんだね。そのまま会場を中座したらしく、気付いたら行きつけのラーメン屋にいた。

富士通に向いていなかった僕だけど、その後、日本の東証一部上場企業とシンガポールのNYSE上場企業で合計10年働き、フリーランスとして独立してから4年以上も主にシリコンバレーのテック業界をお客様として生き残っている。

だから、今なら言える。

正しい感覚を持っていたのは僕であり、富士通3年目の彼は根本的に間違っていたのだ。

人間は生物である以上、集中力が持続するのは1日せいぜい5時間くらい。それ以上、高い生産性と作業の正確性を発揮するなら、少なくとも30分くらいは昼寝する必要がある。そんな風に昼寝を駆使しても、限界まで頑張れるのは週に2日まで。

これを超えて働くと、人間が生物である以上、必ず作業の品質に悪影響を及ぼす。

マイナンバーの基盤システムが根腐れてしまったのは、作業品質に悪影響を及ぼす残業を「当然」と考える富士通の社風であり、日本企業の多くが抱える劣悪な労働環境の結果だ。

過労死ラインを超えてマイナンバーシステムをメンテしてる、40代になった3年目社員氏の顔が脳裏に浮かぶ。

富士通の劣悪な働き方は日本に具体的な問題を引き起こした。エンジニアが十分な睡眠を取れるように1日5時間労働、年2回気兼ねなく合計2か月の余暇を楽しめる企業に変革する以外に、この根腐れ企業が立ち直る方法はない。

バルス(=^・・^#=)!